【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

参議院は民法相続編改正案は衆と違う原稿で立憲反対も可決あす成立へ、衆では水道法改正案採決可決

2018年07月05日 17時14分26秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

(午前11時10分初投稿で、午後1時10分、同35分更新で、夕刻にも更新したい予定)

 終盤国会は、きょうと休日を入れて、18日間となりました。

【衆議院憲法審査会 平成30年2018年7月5日(木)】

 「改憲手続きのための国民投票法の改正案」(196衆法42号)が、細田博之さんから趣旨説明されました。今国会中の改憲発議も予想されていましたが、もりかけの余波もあり、今国会はこれで幕引きとなりそうです。世論もほとんど盛り上がりませんでした。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 前日の本会議で質疑があった、受動喫煙防止のための「健康増進法改正案」(196閣法49号)が審議入り。同時に議員立法の「健康増進法改正案」(196参法19号)も審議入りしました。この「196参法19号」は、維新と希望の党の2つによる対案。野党4党と5党の法案が審議入りすることは、衆議院ではありえないと思います。最近では、共産党の穀田恵二国対委員長が提出した公職選挙法改正案が審議されたことはありますが、提出まもなく、野党4党・5党の法案が委員会で審議入りすることは少数会派を大事にする参議院らしい展開だと考えます。

 加藤勝信大臣に続いて、趣旨説明した松沢成文さんは「閣法より踏み込んだもので、施行日も、2019年ラグビーW杯に間に合わせるために、公布の日から起算して1年以内の政令で定める日に施行する」と意気込みをみせました。すぐに議員による法案審査に入っています。

【参議院内閣委員会 同日】

 中谷元さんら衆議院与党系提出の「ギャンブル依存症対策基本法案」(196衆法20号衆送付)と、小西洋之さんら参議院野党系提出の「ギャンブル依存症対策基本法案」(196参法20号参先議)が前回に引き続き、同時に審議されました。

 自民党・こころで、13・6万人のツイッターフォロワーを持つ和田政宗さんが、2・8万人のツイッターフォロワーを持つ小西洋之さんに質問。和田さんは、意図的なのか「きのうまでに質問通告をしていないので、答弁できたらでいいので、答弁してほしいのですが」と繰り返し、「法案にはぱちんこ(パチンコ)が含まれるのか」と問いました。小西さんは「法案にはギャンブルの定義規定はあえて盛り込まなかったが、(ギャンブルではなく遊戯という行政上の定義がある)パチンコ、パチスロにも対応している」と答弁しました。委員会では、ツイッターのような激しいやりとりはありませんでした。

   採決では、196衆法20号が、立共反対、自公国などの賛成多数で可決しました。あす成立じゆうtp。自由党の山本太郎共同代表が修正案を出しましたが、広がらずに、自由党のみの賛成少数だったようで、否決されました。

【参議院法務委員会 同日】

 「民法相続編改正案」(196閣法58号)と「法務局遺言書管理法案」(196閣法59号)の審議。

 質疑が終局して討論となりました。

 立憲は、衆議院で、LGBTなどへの配慮が法文に無いとして議事録に残すためとして、野党で唯一反対に回りました。衆議院では山尾志桜里さんが討論しましたが、参議院では小川敏夫さんが討論。小川さんは「事実婚が排除されているので反対」としましたが、その後の原稿は衆議院の委員会と本会日での山尾演説と違うもので「配偶者居住権の新設は一定の意義は認めるが、なお賛成できない部分がある」とだけしました。参議院だけにある会派、沖縄の風の、女性議員・糸数慶子さんも反対。

 このため、「遺産分割にあたり配偶者居住権を新設する、民法相続編改正案」(196閣法58号)は、立沖反対、自公国共維などの賛成多数で可決。「法務局遺言書保管法案」(196閣法59号)は全会一致で可決すべきだと決まりました。あす(以降)の参議院本会議で可決し成立のはこび。再来週あたりの定例閣議で公布を決め、その3営業日先の官報で公布。施行は1年以内の政令で定める日なので、来春から改元あたりに施行されるのではないでしょう。

 ただ、衆議院での山尾演説も一定の効果があったのか、きょうの朝日新聞の秋山訓子編集委員の論説では、付帯決議に盛り込まれた内容が、家族の多様なあり方に対応したものになっているとの指摘もありました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

 小此木八郎大臣が政府報告をし、それに対する質疑がありました。大阪震度6弱地震は、亡くなった方がいますが、それでも大変少ない被害でとどまり、関係自治体や住民などの日頃からの備えが功を奏したかっこうです。

【衆議院本会議 同日】

 「水道法改正案」(196閣法48号)が上程され、議題となりました。採決の結果、立国共反対、自公などの賛成多数で可決しました。参議院送付へ。延長国会の会期中に審議が終わり、可決・成立するとみられます。討論では、立憲の武内則男さん(比例四国に単独立候補して当選)が立ちました。武内さんは、自治労ですが、地域では、全水道の県支部職長から、自治労の県支部副委員長となり、自治労の県支部委員長となったようです。武内さんは「財政措置などには賛成だが、運営権売り渡しはけしからん」という趣旨の反対討論をしました。結党わずか10か月ながらもそれなりの組織力で、抵抗野党路線をひたはしる立憲。議員本人たちも楽しいだろうし、支持者も楽しいでしょう。当面、うっぷん晴らしで、抵抗野党路線を走ってもいいのではないでしょうか。当然のことながら、立憲、国民、無所属の会の2党1会派の合併で、政権担当能力のある最大野党の構築などありえないことだ考えます。北緯38度線がなくなる方が早いんじゃないかな。

このエントリーの本文記事は以上です。

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安保法・集団的自衛権は違憲だと小西洋之さんが中谷元さんの隣で明言、「ギャンブル依存症対策基本法案」審議の呉越同舟で場外乱闘

2018年07月05日 12時40分12秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[画像]小西洋之参議院議員と中谷元衆議院議員、2018年7月5日(木)、参議院インターネット審議中継。

 「集団的自衛権は、1972年政府見解になく、平和安全法制はまったく違憲だ」と小西洋之さんが中谷元・当時の防衛大臣(安保法制担当相)の隣で明言しました。

 これは、きょう平成30年2018年7月5日(木)の参議院内閣委員会。ことの経緯は、ギャンブル等依存症対策基本法案で、「196衆法20号」の答弁者として、衆議院与党・自民党の中谷元さんが、「196参法20号」の答弁者として参議院野党・立憲民主党会派の小西洋之さんが隣り合わせたことから、同じ立憲会派の白真勲さんが「最後に1問だけ」「隣にいる中谷元さんは3年前の平和安全法制制定時の防衛大臣だが、小西さんは安保法制を憲法違反だと思うか」と質問したもの。

 自民党の柘植芳文内閣委員長は淡々と小西さんを答弁者として指名。

 中谷さんは、隣で雄弁を振るう、小西さんに目も合わせませんでした。

 小西さんは、前日の文部科学省局長が裏口入学の収賄で東京地検特捜部に逮捕されたことにも言及し、安保法・集団的自衛権をめぐる、政府解釈の変更を止めようとしもしなかった、霞が関官僚にも苦言を呈しました。

 あれから3年後に、参議院内閣委員会でギャンブル等依存症対策基本法の答弁者同志としての呉越同舟を、仲間の白さんがアシストすることで、場外乱闘が成立しました。

 この問答は、休憩に入る直前最後の1問、午後12時20分ごろにありました。

このエントリーの本文記事は以上です。

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改憲手続きのための国民投票法改正案は第197回国会に先送りへ 衆議院憲法審査会 

2018年07月05日 10時51分21秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 衆議院憲法審査会は、きょう平成30年2018年7月5日(木)、自民党の細田博之さんらが超党派で提出した

「国民投票法改正案」(196衆法42号)の趣旨説明を聞きました。

 その後、質疑はなく、散会。今国会中の定例日はあと2回しかないため、法案が第197回国会(同年10月召集か)に継続(閉会中審査の手続き)されることが確実になりました。

 法案は、自治体が期日前投票所の時間を2時間繰り上げたりできる細かい規定で、現行の公職選挙法となるべく同じにする法案。

 第196回国会は、憲法改正発議をめざすと思われましたが、森友・加計問題で、与党への支持が失速。その後回復しましたが、自民党大会での「4項目の論点整理」を世論の反応は乏しく、第197回国会以降の課題として先送りされました。

本文記事は以上です。

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