読売新聞1面トップは、2016年の「刑事訴訟法を改正する法律」による「司法取引」が、初めて適用されと報じました。gooニュースからの引用は、比較的後まで記事が残る、産経新聞デジタルから転載分(海外贈賄、司法取引を初適用 タイの発電所めぐる疑惑で捜査協力、企業免責へ)を紹介します。
今月から、悪の枢軸=経団連会長会社となった「日立製作所」と明治維新前後からの最大の御用財閥「三菱重工業」が折半出資した火力発電機メーカーが、タイの政府高官に数千万円の賄賂を提供。これが、不正競争防止法(不競法ふけいほう)違反ではないかと法務省の東京地検特捜部が調べていましたが、司法取引が成立して、不起訴が約束された、ということのようです。
まず、この会社は、安倍内閣の産業競争力強化法の関係で、合併にかかる税金は大きく軽減されていた会社なのではないかと推測します。三菱・日立火力発電機会社には、法務部があるでしょうから、弁護士を社員インハウスで囲い込んでいないと、司法取引はできないのかな、という気がします。
刑事訴訟法改正案は、日本民主主義の一番長い夏であり、民主主義が完全敗北した、2015年通常国会で、戦争法(平和安全法制)、労働者派遣法改悪法(正社員ゼロ法)とともに、夏の延長国会で審議されました。その後、2016年通常国会の会期末に参議院野党提出の「ヘイトスピーチ規制理念法」と抱き合わせで、衆議院に回付されるという、大変な長期間の審査をへて成立した法律。要点は、(1)可視化を初めて導入(2)通信傍受を4分野から9分野に拡大(3)司法取引を初めて導入ーーという飴と鞭の束ね法案でした。
今回は、司法取引が初適用ということで、やはり大企業優先、個人の立場ではなかなか難しい、ということのようです。
なお、別々の改正刑法では、強姦罪改め強制性交等罪では、初めて規制された男性加害者と男性被害者の事案にも適用されました。一方、それとはまた別の改正組織犯罪処罰法による共謀罪は、枝野幸男・立憲民主党代表が月1回法務省に問い合わせており、適用はゼロだとの回答が寄せられているようです。
第2次第3次安倍内閣では、刑事法の改正や、不正競争防止法や特許法などの産業法での漸進的な規制強化が目立っています。
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岡田克也さんきょう誕生日、ハッピー・バース・デイ・ディア・かつや![写真]蘇鉄(ソテツ)、東京都千代田区永田町には、首相官邸前庭と国会中庭にソテツがありますが、こちらは国会内のもの、承諾を得て撮影・掲載、2017年、筆者・宮崎信行撮影。 おめでと......
[写真]女性の派遣社員への予備自衛官登録を呼びかける、防衛省の地方防衛局の1つが作成したポスター、都内で、先月2018年6月、宮崎信行撮影。
河野太郎外相は、「日仏ACSA(日本フランス物品役務相互融通協定条約)」を結びました(日仏、物品役務協定に署名 食料、弾薬の提供円滑化)。
2015年戦争法(平和安保法制)で、「周辺事態」の地理的概念がなくなり「重要影響事態」となったことから、有事が、地域でも、時間でも切れ目なくなったことから、いつでも、どこでもフランスに弾薬、水、食料などを提供(後方支援)できます。1997年ガイドラインでは「弾薬を除く」とありましたが、2015年改定で弾薬も提供できるようになりました。
2015年以降、安倍自民党政府は、日米に続き、日豪、日英とACSA(エーシーエスエーまたはアクサ)を結んできました。今回はフランス。例えばシリア・イラクでの有志国連合で後方支援も可能に。
前回の日英の国内プロセス(当ブログ内エントリー
日英ACSA公布され発効、改正自衛隊法の条項も施行、弾薬や宿舎など「国連軍」への後方支援も可能に
参照)
からして、次期第197回秋の臨時国会に承認案が提出。同時に、自衛隊法改正案も提出され、おそらく第100条に、第100条の12、第100条の13、の2つの条文を挿入する形で、たとえば、第100条の12「防衛大臣又はその委任を受けた者は、次に掲げる仏国軍隊(仏国の軍隊をいう。以下この条及び次条において同じ。)から要請があつた場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、当該仏国軍隊に対し、自衛隊に属する物品の提供を実施することができる(後略)」というイメージの条文を挿入する、改正法案が第197回国会に提出されるはこびとなるでしょう。
身の丈の合わない大学に奨学金を借りていったり、派遣社員としての給料に不満があり、予備自衛官登録して年5日だけ訓練を受けたりしていると、地球の裏側に送られます。給料としょうじゅつ金をもらえれば、それでいいというならしかたありません。
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関口昌一・参議院自民党国会対策委員長は、きのう、舟山康江・最大野党会派「国民民主党・新緑風会」国会対策委員長に、
「水道法改正案」(196閣法48号)を来週審議せず、第196回国会に限っては成立させずに、「審議未了廃案」とすることを伝えました。きょうの読売、日経などが報じました。
「水道法改正案」は今国会では廃案。会期末に、参議院議長が「継続調査」(衆議院でいう閉会中審査)にする手続きがとられると思います。仮に「継続調査」となった場合は、次の第197回国会で参議院で審議し可決しても、衆議院での審議が必要。ですから、どのような会期末処理をとるにしても、成立のためには、衆議院での審議が再び必要となりました。
【追記 2018年8月7日】
「水道法改正案」は参議院で継続調査になりました。このため、次の第197回臨時国会が9月下旬や10月上旬に召集されたその日に、参議院先議の議案となります。
【追記終わり】
「水道法改正案」は、きょねんの第193回通常国会に提出されました。ここでは与党は審議入りできず、審議未了廃案→閉会中審査の手続きがとられました。秋の第194回臨時国会の召集で再び議案となりましたが、その日の午後に、衆議院が解散されたため、完全に廃案となりました。第48回衆院選での自公が勝利し、第195回特別国会で第4次安倍晋三内閣発足。年が明けて、今年1月召集の第196回通常国会に同じ内容の法案が提出されました。衆議院では、会期の延長によって時間の余裕ができたとして、6月27日(水)から衆議院厚生労働委員会で初めて審議入りし、7月4日(水)に委員会での審査を終えて、7月5日(木)に立憲、国民、共産の反対、自民、公明の賛成多数で可決し、参議院に送られていました。
参議院厚生労働委員会の定例日は、火曜日と、木曜日とされていますが、延長会期末(22日)までに、来週17日(火)、19日(木)しかありません。法案の成立には、(1)委員会での厚生労働大臣の趣旨説明(2)対政府質疑(3)質疑終局・討論・採決ーーの3工程が必要です。しかし、2営業日しか残っていません。
このため、参議院自民党は成立をあきらめ、秋に先送りにした格好です。また注目されている法案を「継続調査」として秋の臨時国会まで残すことで、参議院の自民党、国民党双方がメリットを感じたかもしれません。
通例、重要法案は、あまり参議院では継続調査にしないのが、衆参両院の国会対策委員の、暗黙の了解となっています。このため参議院で審議日程が足りなそうな場合は、衆議院で委員会での質疑だけして採決はせずに会期末を待ち、衆議院で閉会中審査の手続きをとることが多数です。
かつて、重要法案を、意図的に参議院与野党が継続調査にした例として、1991年秋のPKO協力法案があります。マスコミがまったく注目しない中、1992年の通常国会の最終盤に突然参議院で審議が始まり可決し、衆議院へ。世論の注目が急に集まった1992年夏に、法案を受け取った衆議院では、徹底抗戦に出た野党の菅直人さんが本会議場の演台ごと衛視に退場させられる大混乱が起き、その翌年の政権交代の遠因となったことがあります。
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(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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