ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

やんなきゃ意味ないよ〜とばかりに汚れ役を買い続ける石井浩郎委員長に、野党維新が問責決議案で採決阻止

2018年07月10日 19時03分35秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]渡部恒三厚相の表彰状、都内で、きょう、筆者・宮崎信行撮影。

【参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会(倫選特)平成30年2018年7月10日(水)】

 参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会は、ほぼ定刻に始まりました。

 石井浩郎委員長は、委員のさしかえだけ読み上げ、議題などは言わずに、午後5時1分ごろ、暫時休憩を宣言しました。その後、午後7時より前に、散会しました。

 石井浩郎委員長は、2013年秋の臨時国会で、特定秘密保護法の強行採決で打ち切り動議提出の汚れ役を買いました。2016年の参院選は、「東北6県全部一人区」という構図で、自民党1勝5敗のなか、再選を果たしています。やんなきゃ意味ないよ〜
とばかりに汚れ役を買い続ける石井さん。早稲田→プリンスホテル→読売巨人→自民党と大企業を渡り歩いて来ました。本人は近鉄の不動の四番時代が一番楽しかったかもしれませんが、会社は続かないといけません。

 開会直後、維新の浅田均委員が、維新単独で、「石井浩郎特別委員長問責決議案」を提出した、とSNSで発表。維新は、定刻の15分前になる、午後4時45分、単独で、決議案を提出。浅田さんのSNSでは他の野党の賛同がこれから得られる見込みだ、と発信しました。

 今月、ある野党指導者の衆議院議員が都内の講演で「維新は与党とみなす」と語りましたが、参議院では選挙制度改革をめぐって、維新が自民にしびれをきらしました。

 ◇

 ここまでの動き。まず、公明党が提出した「11ブロック法案」(196参法21号)は、公明党賛成、自民党など反対の賛成少数で「否決すべきだ」ときのう既に議決済み。きょう議題になる予定だったのは、次の4法案。自民党提出の「6増(埼玉2増比例4増)0減法案」(196参法17号)、国民党提出の「2増(埼玉2増)2減(比例2減)案」、維新提出の「1割減のうえ11ブロック法案」(196参法24号)、立憲・希望の党共同提出の「2増(埼玉2増)2減(石川・福井を合区)法案」(196参法25号)。

 このうち、維新の196参法24号が、きのう採決(否決)されそうになったので、浅田さんらが欠席戦術。このため、石井委員長が職権できのうの採決は見送り、196参法21号だけ採決した、ということだったようです。そして、その不満から、きょうの開会直前に、維新単独で問責決議案になった、ということのようです。

【衆議院本会議 同日】

 「平成30年7月豪雨の災害対策に関する決議」が全会一致で採択されました。岐阜選出で第2次安倍内閣の元防災相の古屋圭司・衆議院議院運営委員長は「広域にわたる衝撃的な被害だ」として「早期の激甚災害の指定などの財政措置を求める」などと朗読しました。ちなみに決議が採択された時点でのNHKウェブ版は「130名死亡59名不明」ということですから、集約に時間がかかる災害で、日本が近代より前に戻りつつあるような錯覚さえしてしまいます。

 これに先立ち、議長が、「哀悼の意を表します」とし、全議員が黙とう。 

 「北方領土問題解決促進特別措置法改正案」(196衆法44号)と「北方地域における旧漁業権者特別措置法改正案」(196衆法45号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。他の委員会との絡みがなければ、当然会期内に成立するだろうと思われます。

【参議院内閣委員会 同日】

 国土交通大臣の石井啓一さんが、カジノ相として答弁。野党は前日までにSNSで息まきましたが、世論はどうでしょうか。総理入り質疑は先送りとなりました。「IRカジノ施設実施法案」(196閣法64号)の対政府質疑があり、各党一巡のうえ、きょうは散会しました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 タバコの受動喫煙に関する「健康増進法改正案」(196閣法47号)と、希望の党の松沢成文さんが出した「健康増進法改正案」(196参法19号)に対する質疑があり、散会しました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 「医療法及び医師法改正案」(196閣法60号参先議参送付)が趣旨説明されました。5月16日(金)に参議院で共反対自公立国など賛成多数で可決しましたが、衆議院での審議入りは延長国会になりました。知事が県内の医学部に地域枠を設けるよう「要望」できる、という内容です。

【衆議院情報監視審査会 同日】

 特定秘密保護法の実施状況に関して、政府からの説明や質疑、自由討議のようなものがあったようです。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 決議案の内容などの詰め。本会議の開会が若干ずれ込みました。

【参議院議院運営委員会 同日】

 火曜日ですが、理事会だけでなく、委員会も設定されました。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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Miyazaki Nobuyuki

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「72時間」に集中!も「第1次補正予算案」次期第197回国会で提出の方向性、総裁選・召集の前倒し論につながる気配も

2018年07月10日 05時05分41秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 政府は、平成30年2018年第1次補正予算案を編成する方向になりました。これは、平成30年7月豪雨(平成最悪、豪雨死者127人に…依然不明61)をうけて、今朝の、読売新聞・日経新聞が1面で報じた方向性です。政権再交代後の安倍内閣は、どういうわけか、毎年度の一般会計予備費を年3500億円しかつけていませんので、前年度の熊本地震に続き、平成30年7月豪雨でも補正予算案が必要となりそう。新聞としてはいわゆる「書き得(かきどく)原稿」といえますが、自民党総裁選での安倍晋三首相3選が前倒しとなり、秋の臨時国会の召集が9月半ばに早まることも予想されます。

 豪雨被害はまもなく「72時間」を迎えますが、既に平成最悪が確定。なにより京都から広島・岡山から愛媛から鹿児島まで、という西日本ほぼ全域の広範囲な「平成30年西日本広範囲豪雨」となりました。復旧は意外と早く立ち上がりそうにも、私は考えますが、被災地全域の総事業費が数千億円以上になるのは間違いないでしょう。政府はきのう小此木八郎大臣の視察をうけて、閣議で激甚災害に指定するはこび。

 開会中の第196回通常国会は、延長されていますが、国会法の規定により、再来週7月22日(月)に必ず閉会します。ある野党党首が個人公式SNSで、今国会では補正予算案を審議する代わりに重要法案は先送りすべきだと発信。これは筋が悪い。補正予算書の印刷製本は2週間以上かかりますから、今国会での提出は絶対無理。「次期第197回国会の冒頭で提出」という日程感しかありえない、と言い切っていいでしょう。

 補正予算とは別に来年度予算案に関して、このところ、日経新聞で複数回、財務省のリーク的な観測気球と思われる記事が出ました。事務次官不在が続く財務省ですが、「来年度の景気対策は来年度の当初予算案に盛り込む方針」ということを報じています。なんとも当たり前のことように思えます。が、これは、来年7月の第25回参院選に向けた景気対策は、3月に成立する当初予算だけにして、6月だとか、9月だとかに補正はやらない、という財務省の決意表明でしょう。民間企業の人には理解できないと思いますが、事務次官不在でも、来年度予算編成は必ずやって来ます。主計局の主計官らが与党・自民党をけん制ししているとみられます。

 いずれにせよ、「72時間」に集中したいところですが、総裁選前倒し、臨時国会前倒しもありそう。3月前後から、消費が落ち込み、融資が締まっていますから、平成30年度第1次補正予算案には、ある程度のボリューム感は必要。赤字国債を追加発行してでもボリュームを膨らますことが中期的な財政再建につながります。企業経営者も兼ねる、私はそう考えます。消費税率8%据え置きの恒久化も当然のことだ、と言えるかもしれません。

このエントリーの本文記事は以上です。

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