ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

ギャンブル依存症対策(1)公営競技(2)遊戯であるぱちんこーーを法案で「ギャンブル」と定義、参議院内閣委員会で審議入り

2018年07月03日 14時09分53秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]夏の参議院、3年前の2015年7月(10日)に、皇居からみて正門側から宮崎信行が撮影。

 最後の一山を越えつつある、第196回通常国会。

 昨秋の野党分裂の暴挙のほころびは、やはり通常国会最終盤に出てくるものです。もはや旧聞となりますが、先週水曜日の参議院議院運営委員会の理事会で、山本順三委員長が「次回の理事会はあす午前9時30分委員会はあす午前9時40分開会」と発表した際に、野党理事の誰からも、異議や質問が出ていなかったことが私の取材で明らかになりました。6月で唯一木曜日に委員会が設定されたことについて、山本順三委員長周辺は「不測の事態に備えてだった」としています。異例の木曜日の委員会では、厚生労働委員長解任決議案の上程の件を速やかに否決しました。野党が分裂していなければ、前日に「なんか変だな」と気づけなかった理事は、後で国対委員長から叱られたでしょう。バラバラだから、自分のせいじゃない、他の人が気づいたはず、委員長解任決議案を出す決定をしたのは自分ではない議員だ、ということになります。

 きょうの参議院第1種常任委員会では、ギャンブル依存症対策基本法案が初めて審議入り。カジノ法案の下ならしとなります。

【参議院内閣委員会 同日】

 衆議院から送付後たなざらしとなっていた、「ギャンブル依存症対策基本法案」(196衆法20号)と「立憲民主党会派対案」(196参法20号)が同時に議題になりました。

 衆法20号は中谷元・自民党衆議院議員、参法20号は小西洋之さんが趣旨説明しました。中谷さんは、ギャンブルの定義は(1)刑法の特例としての賭博である公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)(2)遊戯であるぱちんこ(パチンコ)屋(3)射幸心をあおる行為ーーの3つを法案に盛り込んでいるとしました。私は、ぱちんこが「遊戯」のままとはいえ「ギャンブル」と定義されたのは、画期的な法案だと思います。

 趣旨説明者はすぐに退室して、参考人質疑になりました。きょうは参考人質疑だけで散会しました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 一般質疑。主に、年金問題ですが、厚労の一般質疑は久しぶりなので、実に多岐にわたる質疑となりました。厚労省職員がここを見ているかもしれませんが、参議院職員も「厚労所管多過ぎ、分割してほしい」と衆目が一致しています。

 この後は、法案は審議入りせずに散会すると思われます。

【参議院議院運営委員会理事会 同日】

 理事会では、あすの本会議で「健康増進法改正案」(196閣法47号)について大臣の趣旨説明と議員が登壇しての代表質問をすることを決定しました。このため、厚労委員会での審議入りは、木曜日以降になるとみられます。

【参議院法務委員会 同日】

 「民法相続編改正案」(196閣法58号)と「法務局遺言書保管法案」(196閣法59号)の参考人質疑がありました。

【閣議 同日】

 閣議では「エネルギー基本計画」の改定が決定されました。今世紀初頭2002年の甘利明さんら議員立法「エネルギー政策基本法」によって、政府・内閣官房を通じて経済産業官僚に丸投げされました。2030年に向けたエネルギーミックスは現状の目標を維持し、2050年に向けてはパリ協定の実施のために脱炭素化・老朽石炭火力発電所の廃止などが盛り込まれました。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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Miyazaki Nobuyuki

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