【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

筆者・宮崎信行の天敵である公明党の西田実仁参議院幹事長が暗躍、公明党案否決で、散会、参議院6増0減自民党案の採決は先送り

2018年07月09日 18時00分29秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]自民党の参議院控室、きょねん2017年5月、筆者・宮崎信行撮影。

 平成30年7月西日本豪雨は、死者100名を超えて、行方不明者もまだ90名近く。広範囲という意味では、日本の自然災害史に残るかもしれません。南は鹿児島県でも死者が出ていますが、東も京都府まで。先週金曜日にオウム真理教に死刑が執行されましたが、「新進党はオウムと同じ宗教法人の創価学会が支配している」というわけのわからないキャンペーンが効果を出した平成最大のデマ事件の首謀者、自民党の野中元国家公安委員長の地元京都のほか、亀井元政調会長の地元広島県でも多くの犠牲者が出ました。

 参議院選挙制度をめぐっては、自民党の6増0減案と、公明党の11ブロック案が別々に出ていました。しかし、きょうは公明党案を、「公明党賛成、自民党反対」の反対多数で否決しただけで、次回以降に先送りされました。

 先週日曜日に、公明党の西田実仁・参議院幹事長の独自の発信が、新聞各紙に載りました。そして、きょうになって、公明党案が否決され、自民党案、国民党案、維新案、立憲・希望の党案の4法案があす以降に持ち越される格好となりました。

 参議院議員である、公明党の山口奈津男代表がきょうになってから、採決先送りを求める発信をしました。参議院公明党で、山口代表や、魚住裕一郎会長を凌駕する力を持つ、西田幹事長(埼玉県連代表兼務)が公明党内で暗躍。

 私は、歴代参議院議員全体、あるいは、現職参議院議員242名のうち、西田さんが最も、天敵です。西田さんの方から見て天敵です。なぜそういうことになったのか、それはそうとうやばい話で、西田先生から手をついて謝られた話なので、経緯は蒸し返しませんが、自分の天敵がどうやらそうとうの屑だったようです、山口代表はじめ、公明党のみなさん、どうよ?という感じです。やや不確定な情報も含めて書きましたが、大方、その方向性のようです。

【参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 同日】

 まず、きょうになってから、1つ法案が増えました。立憲民主党の枝野幸男代表兼埼玉県連会長と、希望の党の行田邦子幹事長兼埼玉県連会長は、不仲ですが、この問題では連携するようです。

 立憲と希望の党が共同で、「公職選挙法改正案」(196参法25号)を提出し、松沢成文・希望の党代表が趣旨説明しました。

 これで、議題は、自民党の6増(埼玉2増比例4増)0減の「公職選挙法改正案」(196参法17号)と、公明党の西田さん(埼玉選出)提出の11ブロックの「公職選挙法改正案」(196参法21号)、国民党で大野元裕さん(埼玉選出)ら提出の2増2減(埼玉2増比例2減)の「公職選挙法改正案」(196参法22号)、維新提出の定数1割減11ブロックの「公職選挙法改正案」(196参法24号)、そして、立希の「公職選挙法改正案」(196参法25号)の合計5法案が同時に議題となりました。

 質疑応答では、野党が自民党案の変節を責め、共産党の山下芳生さんは、各党の改革協議会の結論を無視するやり方は、2001年施行の非拘束名簿式導入のころから、参議院自民党は変わらないと切り捨てました。各党とも参議院改革協議会の経過に憤懣やるかたないようすでした。自民党は、参議院行政監視委員会の機能強化など、本質と全く違う答弁を、グルに命令された信者のように、平然と繰り返しました。やや良心の呵責を感じられるようすもありました。

 3時間45分間にわたる、各党質疑の後、石井浩郎委員長は休憩を宣言。この後、国民党、立憲、共産党以外の少数野党は欠席したまま、審議を再開。

  石井委員長は、「参法21号」に限って、質疑終局を図りました。この動議には、国立共反対、自公賛成で質疑終局を決定。討論無くすぐに採決。参法21号は、公明党の西田実仁さんらが賛成し、自民党などが反対し、賛成少数で否決されました。これで散会。

 このため、次回以降は、196参法17号、196参法22号、196参法24号、196参法25号の4法案が議題となることになります。但し、公明党が自民党案の修正を求める格好で、来年の第25回参議院「改元後初」選挙のルールが決まることになりそうです。民主主義とは程遠い実相です。新聞記者は、数日間は、西田さんをおいかけるしかないことになります。

【衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 平成30年2018年7月9日(月)】

 一般質疑では、河野太郎外務大臣が足止めされました。

 この後、積立金の取り崩しを可能とする議員立法「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置法改正案」(196衆法 号)が、自民党の渡辺孝一さんらが提出し、答弁しました。発言などが批判される3期生の渡辺さんに花を持たせる自民党の配慮でしょうか。法案は全会一致で委員長が本会議に提出することになりました。

 この後、漁業者への低利融資金などの承継を優遇する議員立法「北方地域旧漁業権者等に対する特別措置法改正案」(196衆法 号)が起草され、全会一致で本会議に提出することになりました。

 2つの法律案とも、あすの本会議で可決し、参議院へ。

 いつもそうですが、仮に国会が延長されていなければ、成立しなかったことになります。このように国会では、内閣提出法案を優先して審議することが慣例化しています。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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