宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

1年前の記事)民進党の郡和子さんが、安住淳宮城県連会長の陣頭指揮で仙台市長に当選

2018年07月23日 20時03分26秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 
【7・23仙台ショック】民共自社4党連携「郡和子新市長」で2連勝、昨夏第24回参院選の宮城全県区51%に続く、民進党内で安住淳県連代表ら「4党連携」発言力増大へ
[写真]郡和子さん(左端)や、安住淳・民進党宮城県連代表、共産党の高橋千鶴子さん(比例東北)ら、野党4党連連携の当事者ら、昨夏の第24回参院選、日本共産党の機関紙「赤旗」ホームペー......
 

 

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もう特区はやめにしよう、野党もりかけ追及が生み出した「永遠の今」、国家戦略特区法改正案は第196回国会で審議未了廃案(閉会中審査)に

2018年07月23日 14時59分09秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]ビル風が心配な、容積率特区、奥の左側が、東京駅、2018年7月、宮崎信行撮影。

 もう特区はやめにしましょう。

 野党の執拗な、もりかけ追及のおかげで、「国家戦略特区法改正案」(196閣法57号)は趣旨説明すらできずに、審議未了廃案となりました。但し、自民党と公明党の希望で「閉会中審査」の手続きが取られましたから、第197回国会(再来月にも召集)では衆議院先議の法案として残ります。

 これで、「特区法改正案」の名称で、都市再生特別措置法、構造改革特区法、国家戦略特区法、が改正されることは1年以上途絶えたことになります。国家戦略特区法は昨年12月に国家公務員の給与関連法で細かい改正が入っています。日本法令索引の、都市再生特別措置法構造改革特区法国家戦略特区法の、各々の沿革を参照してください。

 小泉純一郎・自公内閣で始まった「都市再生特別措置法」による、容積率緩和特区は、地方創生どころか、東京一極集中を生み出しました。

 
[映像]日本政策金融公庫のビル(旧・日経新聞本社)、東京都千代田区大手町1丁目、2018年7月、宮崎信行撮影。

 日本政策金融公庫ビルは、もともと、私がつとめていた株式会社日本経済新聞社の本社があった跡地。特区を使って、経団連会館、JA全中ビル、日経ビル、鉄鋼ビルディング、みずほ銀行本社が入るビルなどが次々と、容積率緩和特区で高層ビルになりました。

 今月、ベトナムから日本旅行に訪れた方も、温泉旅館は、東京・大手町の「星のや旅館」に泊まったようです。

 
[写真]星のや旅館、東京都千代田区大手町1丁目、2016年、筆者・宮崎信行撮影。

 本来なら地方に泊まった外国人観光客を、丸の内・大手町地区が吸収したということで、いわば「逆・地方創生」といったところです。

 この容積率特区は、日本列島の西・南では、福岡県・小倉までのよう。北海道・東北では、札幌と仙台にしかないようです。

 一方、この特区を活用してビルを高層に建て替えたのは、経団連、JA、鉄鋼ビルディング、日本政策金融公庫やみずほ銀行が入るビル、JP日本郵政、高島屋、三越、清水建設、歌舞伎座などがあるようです。こんなのは、政治力は、有権者や首長が束になってもかないません。

[写真]左から、経団連会館、JA全中ビル、日経ビル、財務省の東京国税局、東京都千代田区大手町1丁目、2018年、宮崎信行撮影。

 やはり需給が崩れて、隣の地区である「神田地区」では、貸しビルの賃料が下がっているようです。3代続く地主が儲からなくなったことが、1年前の都議会自民党の東京23区地域での大惨敗につながったのかもしれません。

 国会で継続中の「特区法改正案」は自動運転特区を設けるものですが、そんなものは、愛知・三重・埼玉・神奈川県警が、前後をパトカーで護衛してもらうよう、県議会で働きかければいいだけ。大地主が私有地で、自動運転して、除草剤まき車でも開発すればそこそこ売れるのではないでしょうか。

 現行特区のうち、兵庫県養父市の特区がやっている、薬剤師がテレビ電話で服薬指導できる特区は恒久法にしようという動きがあります。こういうのだけやって、新しい特区をつくることは、既得権益者に対して新規参入を政府が除外してあげることになります。

 もう特区は絶対にやめにしましょう。

 特区を全廃し、オールジャパンの恒久法で、公正な参入条件の日本経済に戻す。それが、国会がすべき永遠の今につながります。消費税率を上げることなんかよりもずっと、持続可能で世代間格差が少ない日本をつくれます。そういう意味では、特区法改正案の審議入りを阻止した、第196回国会での立憲民主党をはじめとした野党各党のもりかけ追及は効果があった、と私は考えています。

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(C)2018年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2018

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