【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【6/1】森山浩行「30年前、政治の主要テーマが政治改革だったころに学生だった」筆頭理事として町村選挙の公選法改正、衆議院は委員会審査の法案いったんなくなる

2020年06月01日 18時02分41秒 | 森山浩行 大阪16区
[画像]森山浩行衆議院議員、2020年6月1日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 国会は残り2週間半となりましたが、補正予算の審議がありますので、法案の質疑は1週間半という考えになります。きょうの夕方の時点で衆議院の委員会での審査中の法案はいったんなくなりました。経産、国交の法案と、財務金融などは追加の法案審査があります。

 議員立法も比較的早い時期に処理されています。

【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 令和2年2020年6月1日(月)】

 きょう初めて気づいたんですが、昨年10月以降、山本拓特別委員長と高市早苗総務大臣という元夫妻の組み合わせになっていて、どういう構想にもとづく人事なんでしょうか。

 野党側筆頭理事は、立憲民主党の森山浩行さん(2期、大阪16区比例)。森山さんは「30年近く前、政治改革が政治の主要テーマというときに学生をしていて政治改革はライフワークだ」とし、この委員会の野党筆頭理事であることの使命を強調しました。政治改革時代の学生の仲間では、国政関係では森山さんのほか、私、自民党議員の政策秘書などとして残っている人はいますが、多くは国政の世界からは去っていきました。この数少ない生存組は、今は政治改革や政権交代ある政治の構築には、やや食傷気味。このテーマに関してはしばらくお休みという意識です。県議はかなり多く4期生が中心ですが、高額の議員報酬のたるんでいる人ばかりです。私が仮に同じ環境ならばぬるま湯につかっているでしょう。昨日も私の出身母体の早稲田大学鵬志会の現役幹事長とも連絡を取っていたのですが、学校法人本部から8月1日までは活動できないようで、「秋新歓」ということになるそうです。数名程度「入会希望」が寄せられていますが、組織の継続のために自分ができることを考えています。森山さんの出身母体の明治大学雄弁部は大学そのものの好調ぶりもあって、組織は十分に継続しています。但し、変な話ですが、明治、日大、東大の各弁論部でも40歳代で亡くなっている人がいます。若い頃にはまったく気づきませんが、健康は精神的、経済的、家庭環境の面が強く、頑強に見える県議でも病気を隠しながら活動している人は早世してしまいます。私の鵬志会では物故者は一人もいません。「熱病におかされたような政治改革」とされる1993年のあの暑い夏の総選挙。あれなんだったんだろうね、と岡田克也事務所で話題になっても、私は「ジュリアナ東京のようなもの」と答えるようにしています。いまだに答えはでませんが、とにもかくにも、森山さんや、私など国政の中心で活動できている人はごくわずかです。悲惨な生活をしているということはありませんが、ごく一部の亡くなった方や、高額報酬のぬるま湯につかっている多くの現職県議諸君の分まで森山さんや私ががんばらないといけないのかな、と感じました。私にとっては日常に過ぎないんですが。

 森山さんは質疑の中で、県選管提出分の政治団体の政治資金収支報告書について、県報だけで、インターネットで公開していない県が7つあると指摘。総務省自治行政局選挙部長は「新潟、石川、福井、兵庫、広島、山口、福岡」の7県だ、と答弁しました。現政権の総理、副総理の地元や、広島地検が閉会後に逮捕する公算が濃厚となった河井克行・河井案里夫妻の広島県などはインターネット公開をしていないことになります。この場合は、県在住者も平日に県庁まで行かないとみられないことになり、著しい情報隠ぺいです。森山さんは個人献金者の住所が枝番や部屋番号までさらされることについては、逆に配慮すべきだと働きかけました。私も同感です。

 「町村選挙の公費制に関する公職選挙法改正案」(201衆法16号)が逢沢一郎さんから趣旨説明されました。内容は町村選挙で、ポスター、自動車、ビラに公費制を導入するとともに供託金制度を導入する内容。逢沢さんは「合併による町村の広域化と(成り手不足が招いた)成り手の多様化」が趣旨だとしました。質疑で共産党の塩川鉄也さんから「全国町村議長会の要望には供託金は入っていなかったのではないか」と問い、小此木八郎さんらの自民党答弁者の説明は納得できないものでした。この後、採決され、共産党反対、自民党・公明党・立国社などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。

 私もちょうど1年前に、地方議員の高額報酬に起因した陰湿な閉鎖的体質により囲い込みにあいそうになって数秒後に脱出し、参院選では「曾祖父と祖父は村収入役兼村会議員」というツイッターのプロフについて、職業参議院議員候補の「事務所」ツイッターから「村議が自慢だなんて痛い人だ」と村議を地位ではなく職業ととらえる現在に限った常識に基づく批判に激高して、初めて裁判闘争に突入しました。今回、町村議に供託金制度と公費制を導入するのは、私の考え方からすると、どちらともいえないことになりますが、たぶん自分はこれまでの28年間同様に、一生永田町で失脚しないと思われますので、もう少しがんばってみようと思います。

【衆議院科学技術・イノベーションに関する特別委員会 同日】

 「科学技術基本法改め科学技術・イノベーション基本法をもうける内閣府設置法などの改正法案」(201閣法47号)が共反対、自公立国社賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【参議院行政監視委員会 同日】

 高市早苗大臣や総務省行政評価局長が「農林水産省に対して林道の施設の廃止の検討をすべきだと勧告した」などと活動状況を報告しました。

 この後、西田実仁・国と地方の行政の役割分担に関する小委員長が「法案審査と国費の使途といった視点にとらわれずに横断的、多面的な機能を果たすべく、平成30年以来の参議院改革の一環として小委員会を設けた」としました。親委員会も含めた中間報告について、川田龍平委員長の議事で、各会派の了承を得ました。

【参議院政府開発援助等に関する特別委員会 同日】

 ODA調査団の4班の報告があり、閣僚経験者の有村治子さんや、知事経験者の太田房江さんらも団長としての報告をしました。今回は鈴木宗男・新参議院議員もさっそく参加。過去の参加者も大野元裕知事や大沼みずほ元議員らで、複数回参加することは難しそうです。この後、議員同士の自由討議がありました。

【衆議院決算行政監視委員会 同日】

 新型コロナウイルス感染症予備費10兆円が、与野党で話題ですが、きょうは「平成30年度予備費使用総調書その1」と「平成30年度予備費使用総調書その2」が審議されました。

 津村啓介さんは、ため池財政特別措置法による緊急調査が予備費から支出されたことを評価。但し、平成30年西日本豪雨のため「ため池は西日本に多いが、豪雨のため広島県、岡山県の調査は十分でなかった」との農相の答弁を得ました。討論では、共産党の本村伸子さんが「その2には、東京電力をめぐる横浜地裁の判決で国が控訴した費用がでている」と批判しました採決の結果、「平成30年度予備費使用総調書その1」は全会一致の賛成で承諾すべきだと決まりました。「平成30年度予備費使用総調書その2」は共反対、自公立国社の賛成多数で承諾すべきだと決まりました。

●衆議院のあすの予定

 本会議で上り法案4つが処理。この時点で委員会審議中の法案がゼロになります。但し、「割賦販売法改正案」(201閣法39号参先議)と「マンション管理適正化法及びマンション建替え円滑化法改正案」(201閣法30号参先議)が今後審議されます。また先週末に提出された「東京オリンピック・パラリンピック特措法及び祝日法改正案」(201閣法 号)と、来週提出見込みの「金融機能強化法改正案」(201閣法 号)が審議されるはこび。このほか、マイナンバーに関する議員立法なども予想されます。

 一方、参議院は環境委員会のみすべて議了していますが、他の10常任委員会は審査が残っています。

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