【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【6/16】イージス・アショア「停止」に、寺田学「行政の無謬性で制服も前からやめたかったのに言えなかった」

2020年06月16日 10時01分04秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]国会議事堂、先週2020年6月11日、宮崎信行撮影。

 第201回通常国会はあす閉会します。政府提出法案はきょうで89%。あす93%となる見通し。

【衆議院安全保障委員会 令和2年2020年6月16日(火)】

 日切れ法案の成立が年度内をはみ出すなど、与野党が理事会で対立した安全保障委員会は、もともと一般質疑が予定されていました。その前夜、河野太郎防衛相がイージス・アショア整備の「停止」を発表しました。

 昨夏、イージス・アショア停止で秋田選挙区で圧勝した寺田静・参議院議員の夫でもある、寺田学さんがもともとの予定で登板。

 寺田さんは「2年半、聞き続けて今日もイージスアショアにきく。きょうの報道も含めて。なぜ今なんだ。我々秋田県民としては再調査を先送りされてきて、驚きはない」とし、判断は留保しながら、説明を求めました。

 防衛相は「北朝鮮の弾道ミサイル防衛として秋田県、山口県への配備が必要でそれは今も変わりはない。山口で演習場内でブースターを確実に落とすには、改修が必要になり、すでに10年間に2000億円以上かかったが、さらに同じくらい時間と金額がかかるのに、性能が向上するわけではない」としました。但し「中止」ではなく、「今後についてNSC(国家安全保障局)に判断してもらう」ので停止だとしました。

 秋田市新屋演習場への配備をめぐっては、地元説明会で防衛省職員が居眠りをしてプロセスが遅れました。寺田さんは「行政の無謬性で、制服もやめたいと言っている人は多かったのにやめられず、それが地元で納得いく説明ができないことにもつながった」としながら、「委員会審議の前日に発表して委員会での説明責任を果たす姿勢を評価したい」と語りました。

 本多平直さんが、米との契約2000億円についてただしたところ、防衛相は100億円はすでに払ったとし、残りの金額も払うことになるかもしれないと示唆しました。メーカーは「レイセオン」という会社です。戦後秩序の迎撃弾道ミサイルのしょっぱなの会社は倒産しており、ナイキミサイルからパトリオットミサイルに変更され、陸海空共用のイージスで運用されるかたちになり現在にいたります。

【衆議院本会議 同日】

 「マンション管理適正化法及びマンション建替え円滑化法を改正する法律」(201閣法30号参先議)が全会一致で可決し、成立しました。

 「改正割賦販売法」(201閣法39号参先議)も全会一致で可決し、成立しました。2度目の経済産業委員長の公明党の富田茂之さんが報告しましたが、今回はコロナがあり、長期の夫人同伴の海外出張はむずかしそうです。

【参議院本会議 同日】

 定例日以外ですが、電通中抜き問題で、梶山弘志・経済産業大臣への問責決議案提出の観測があり、不測の事態で否決するために、設定されました。

【参議院内閣委員会 同日】

「科学技術・イノベーション推進法とする改正法案」(201閣法47号)が採決され、共産党反対、自民党、公明党、立憲、国民の賛成多数で可決すべきだと決まりました。国民の矢田わか子さんが附帯決議を朗読しました。

【参議院国土交通委員会 同日】

 新生党結党メンバー田名部匡省さんの娘である、田名部匡代さんが委員長をつとめています。理事会が延びたようで、5分遅れで開会。「航空法及びドローンの国重要施設上空禁止法の改正案」(201閣法29号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 政府報告に対する質疑がありました。

 厚労省はまず臓器移植法施行10年の政府報告として「平成22年改正法から10年。682名が臓器移植をした」としました。そのまま「戦没者遺骨収集法の附帯決議にもとづき、報告する。日本人でない遺骨が収集されたことを公開しなかったことを反省している」と報告しました。この2つの報告に対して、足立信也さんらが質問しました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 わずか1時間コースの一般質疑がありました。今会期中に何があったのか知りませんが、波静かに会期末を迎えそうです。なんでも規制改革会議が決めてしまう最近の農政ですが、ことしは9月末が農林水産省の概算要求締め切り日となります。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 同日】

 一般質疑。自民党の大西英夫さんが登場し「与党にしては異例の40分の質問時間をもらった」として9・11テロのような航空機テロがあるといけないので、原発の周りに金網を張るべきではないかというような趣旨の独自の主張を繰り広げました。

●衆議院決算行政監視委員会理事懇談会
 なかなか海江田万里委員長による総理入り質疑ができずに、会期末となってしまいました。

●衆参の北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会の委員

 衆参の拉致特別委の理事・委員らは所信的あいさつに対する質疑がきょねん5月以降できていない、との不満を発信しました。

【野党国会対策委員長連絡会 同日】

 野国連では、2次補正をめぐってちょっと足並みが乱れた、穀田恵二共産党国対委員長も含めて、会期延長動議を提出することで一致し、この後の、野党幹事長・書記局長会談で確認しました。

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