[写真]国会議事堂の中央階段(衆参の中央部)、3年前2017年、宮崎信行撮影。
このニュースサイトが既報の通り、来週月曜日から補正予算審議。与党は再来週水曜日の当初会期末当日に国会を閉じる公算。政府は今後3法案(「金融機能強化法延長法案」「toto法改正案」「労働保険法など改正案」)を追加し、政府提出法案は59本になる見通し。このうち、成立しないのは「国家公務員法・検察庁法改正案」(201閣法52号)「種苗法改正案」(201閣法37号)「地方公務員法改正案」(201閣法53号)の3本のみで、閣法成立率は94%になりそう。但し、参議院が与野党とも発奮して、国土交通委員会などで1法案を継続調査にする気配が出ており、この場合は93%。安倍官邸1強政治は続くわけで、内閣支持率が下がったからといって、権力構造はまったく変わっていません。そのことへの冷徹な分析が、現状認識として必要です。
【参議院本会議 令和2年2020年6月3日(水)】
「公益通報者保護法改正案」(201閣法41号衆修正)が衛藤晟一・消費者庁担当大臣から趣旨説明されました。「失業者ならぬ休業者が590万人」という幸か不幸か異次元の量的金融緩和による内部留保が巨大な株式会社という妖怪が徘徊する現代日本ですが、今次改正は取締役と1年未満の退職者を追加し罰金を引き上げるだけで、不要不急の改正法案にもほどがあります。法案を出さないと消費者庁が仕事をしていないように思われて、難しい試験を合格したのに徳島市に移転させられたら困る、という考えが透けて見えてしかたありません。
代表質問の後、採決。
「日本スウェーデン社会保障協定」(201条約12号)と「日本フィンランド社会保障協定」(201条約13号)は全会一致で承認すべきだと決まり、両院で承認されました。日本で納めた年金保険料が接続される二国間条約です。
「第10次地方分権一括法」(201閣法32号)も全会一致で可決し、成立しました。どういう法制執務なのか改めて読みましたが、A4判17ページ(提出理由含む)で、第1条からいきなり改め文が入っている条文。いわば究極の束ね法案といえます。地方分権一括法施行から20年間、真の地方分権が国会で審議された記憶はありません。
「改正都市計画法を含む都市再生特別措置法などを改正する法律」(201閣法21号)は過半数の賛成で可決し、成立しました。これも不要不急の法律。法人地主が再開発をしやすくする改正ですが、私のような個人地主も4月は139万人と比較可能な2002年以降で最多。最近はよく勉強するようになってきましたから、元気です。
この後、行政監視委員会の「行政監視に中間報告書」を聞きたいと山東昭子議長が動議を出し、全会一致で異議なしと決まりました。川田龍平委員長が自席から歩いて登壇し、報告しました。
【参議院東日本大震災特別委員会】
青木愛特別委員長と、木戸口英司理事の「小沢一郎師弟コンビ」で運営されました。
「復興庁を10年延長する復興庁設置法及び特別会計法改正案」(201閣法33号)は共産党反対、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、沖縄の風、碧水会の賛成多数で可決すべきだと決まりました。次の本会議で成立。令和13年3月31日まで復興庁を延長。
小沢一郎師弟といえるかどうか分かりませんが、2人の会派「碧水会」の嘉田由紀子さん(元滋賀県知事、昨夏滋賀選挙区で国民民主党公認で初当選)も賛成しました。2人会派ですが予算委員会での質問時間は得られていない現状です。沖縄の風の高良鉄美さんも賛成しました。
【参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 同日】
「公益通報者保護法改正案」(201閣法41号衆修正)が本会議散会後に趣旨説明され、参考人質疑をしました。
【衆議院経済産業委員会 同日】
4月30日に成立した「第1次補正予算」に盛り込まれた「持続化給付金」を受注した、「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」が電通、パソナ、トランス・コスモスのトンネル会社だとの疑惑について追及が続きました。デロイトトーマツの名前も出ました。
「割賦販売法改正案」(201閣法39号参先議)が趣旨説明され、審議入りしました。これも3年に1回開催されていますが、不要不急です。
【衆議院国土交通委員会 同日】
第1次補正予算案に盛り込まれた「Go Toキャンペーン」の事務委託費が3000億円になることから、どこが受注するのか野党の追及が続きました。一般社団法人サービスデザイン推進協議会が受注できるのかどうかも問われました。
「マンション管理適正化法及びマンション建替円滑化法改正案」(201閣法30号参先議)が趣旨説明されました。4月10日に参議院から送付されされており、2カ月近くたってから衆議院で審議入り。そもそも、分譲マンション管理組合の決議でマンションが建て替わったことなどあるのでしょうか。国交省も住宅金融支援機構を手放して、総務省や厚労省に集合住宅を所管してもらった方がいいのではないか。
【衆議院内閣委員会 同日】
一般質疑がありました。
【参議院国際経済・外交に関する調査会 同日】
鶴保庸介会長が参考人に「コロナウイルスのこんなときにご出席いただきありがとうございます」と感謝。海を通じて世界で生きる日本について、東大院教授、日本造船工業会副会長、舞鶴市長から話を聞きました。
●あすの予定
参議院では法案がない環境委員会と、種苗法の見送りが決まった農林水産委員会以外の各委員会が開かれます。重要広範議案ラストの社会福祉法改正案で、午後3時から午後4時まで安倍晋三首相への質疑が厚生労働委員会で行われます。衆議院は審議がありません。木曜日は衆参とも農林水産委員会の定例日ですが、種苗法見送り決定のため、衆参とも開催されません。
このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
このニュースサイトが既報の通り、来週月曜日から補正予算審議。与党は再来週水曜日の当初会期末当日に国会を閉じる公算。政府は今後3法案(「金融機能強化法延長法案」「toto法改正案」「労働保険法など改正案」)を追加し、政府提出法案は59本になる見通し。このうち、成立しないのは「国家公務員法・検察庁法改正案」(201閣法52号)「種苗法改正案」(201閣法37号)「地方公務員法改正案」(201閣法53号)の3本のみで、閣法成立率は94%になりそう。但し、参議院が与野党とも発奮して、国土交通委員会などで1法案を継続調査にする気配が出ており、この場合は93%。安倍官邸1強政治は続くわけで、内閣支持率が下がったからといって、権力構造はまったく変わっていません。そのことへの冷徹な分析が、現状認識として必要です。
【参議院本会議 令和2年2020年6月3日(水)】
「公益通報者保護法改正案」(201閣法41号衆修正)が衛藤晟一・消費者庁担当大臣から趣旨説明されました。「失業者ならぬ休業者が590万人」という幸か不幸か異次元の量的金融緩和による内部留保が巨大な株式会社という妖怪が徘徊する現代日本ですが、今次改正は取締役と1年未満の退職者を追加し罰金を引き上げるだけで、不要不急の改正法案にもほどがあります。法案を出さないと消費者庁が仕事をしていないように思われて、難しい試験を合格したのに徳島市に移転させられたら困る、という考えが透けて見えてしかたありません。
代表質問の後、採決。
「日本スウェーデン社会保障協定」(201条約12号)と「日本フィンランド社会保障協定」(201条約13号)は全会一致で承認すべきだと決まり、両院で承認されました。日本で納めた年金保険料が接続される二国間条約です。
「第10次地方分権一括法」(201閣法32号)も全会一致で可決し、成立しました。どういう法制執務なのか改めて読みましたが、A4判17ページ(提出理由含む)で、第1条からいきなり改め文が入っている条文。いわば究極の束ね法案といえます。地方分権一括法施行から20年間、真の地方分権が国会で審議された記憶はありません。
「改正都市計画法を含む都市再生特別措置法などを改正する法律」(201閣法21号)は過半数の賛成で可決し、成立しました。これも不要不急の法律。法人地主が再開発をしやすくする改正ですが、私のような個人地主も4月は139万人と比較可能な2002年以降で最多。最近はよく勉強するようになってきましたから、元気です。
この後、行政監視委員会の「行政監視に中間報告書」を聞きたいと山東昭子議長が動議を出し、全会一致で異議なしと決まりました。川田龍平委員長が自席から歩いて登壇し、報告しました。
【参議院東日本大震災特別委員会】
青木愛特別委員長と、木戸口英司理事の「小沢一郎師弟コンビ」で運営されました。
「復興庁を10年延長する復興庁設置法及び特別会計法改正案」(201閣法33号)は共産党反対、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、沖縄の風、碧水会の賛成多数で可決すべきだと決まりました。次の本会議で成立。令和13年3月31日まで復興庁を延長。
小沢一郎師弟といえるかどうか分かりませんが、2人の会派「碧水会」の嘉田由紀子さん(元滋賀県知事、昨夏滋賀選挙区で国民民主党公認で初当選)も賛成しました。2人会派ですが予算委員会での質問時間は得られていない現状です。沖縄の風の高良鉄美さんも賛成しました。
【参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 同日】
「公益通報者保護法改正案」(201閣法41号衆修正)が本会議散会後に趣旨説明され、参考人質疑をしました。
【衆議院経済産業委員会 同日】
4月30日に成立した「第1次補正予算」に盛り込まれた「持続化給付金」を受注した、「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」が電通、パソナ、トランス・コスモスのトンネル会社だとの疑惑について追及が続きました。デロイトトーマツの名前も出ました。
「割賦販売法改正案」(201閣法39号参先議)が趣旨説明され、審議入りしました。これも3年に1回開催されていますが、不要不急です。
【衆議院国土交通委員会 同日】
第1次補正予算案に盛り込まれた「Go Toキャンペーン」の事務委託費が3000億円になることから、どこが受注するのか野党の追及が続きました。一般社団法人サービスデザイン推進協議会が受注できるのかどうかも問われました。
「マンション管理適正化法及びマンション建替円滑化法改正案」(201閣法30号参先議)が趣旨説明されました。4月10日に参議院から送付されされており、2カ月近くたってから衆議院で審議入り。そもそも、分譲マンション管理組合の決議でマンションが建て替わったことなどあるのでしょうか。国交省も住宅金融支援機構を手放して、総務省や厚労省に集合住宅を所管してもらった方がいいのではないか。
【衆議院内閣委員会 同日】
一般質疑がありました。
【参議院国際経済・外交に関する調査会 同日】
鶴保庸介会長が参考人に「コロナウイルスのこんなときにご出席いただきありがとうございます」と感謝。海を通じて世界で生きる日本について、東大院教授、日本造船工業会副会長、舞鶴市長から話を聞きました。
●あすの予定
参議院では法案がない環境委員会と、種苗法の見送りが決まった農林水産委員会以外の各委員会が開かれます。重要広範議案ラストの社会福祉法改正案で、午後3時から午後4時まで安倍晋三首相への質疑が厚生労働委員会で行われます。衆議院は審議がありません。木曜日は衆参とも農林水産委員会の定例日ですが、種苗法見送り決定のため、衆参とも開催されません。
このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
インターネット版官報
Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki