【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【11/9】あす特別国会召集、第2次岸田組閣は外相補充だけ、「維新・国民」「自民・国民」国対協議体、安倍派発足、立憲フルスペック代表選は3万人だけなので月内にも選管きょう発足

2021年11月09日 19時57分23秒 | 第206回特別国会


 特別国会はあす召集。組閣は、幹事長に転じた外相の補充として首相より若い宏池会首脳・林芳正さんが囲い込まれるかっこう。外務大臣をめぐっては、2009年9月に岡田克也幹事長が鳩山由紀夫政権で不本意に外務大臣にされ、1年1日後に、岡田外務大臣が菅直人政権で幹事長に戻され憤慨した者の、夫人から「あなた1年間幹事長を外されて憤慨していたじゃないの」と指摘され、「これも天命なのかな」と受け入れ、震災・ねじれの与野党混乱を最小限に抑えました。

 第101代、第2次岸田内閣がスタート。副大臣・政務官は大坂を中心に落選者が出ており、追加されるかたちとなりそうです。あすの衆参本会議で、議長・副議長・常任委員長人事なども順当に決まり、いきなり終幕ムードへ。

 4年前の国対を振り返ると、新党・立憲民主党の辻元清美政調会長が初代国対委員長となり、初の両院議員総会で代表に促され拍手の中、一人だけ退室し、各派協議会に向かいました。その後、森山裕・自民党国対委員長が「与野党国対委員長会談を開きたい。ついては、野党第2党以下に、自民党国対事務局からアポの調整をしていいか」とたずね、辻元さんは「本来は野党第一党の私たちがやるべきだが、お願いしたい」と応じました。4年前の国対は焼け野原でした。

 で、きょうは日本維新の会と国民民主党が国会内常任委員長室で、幹事長・国対委員長会談を開催。その後、自民党と国民民主党の国会対策委員長会談も自民控室で開かれました。2014年に、野党第1党とはいえ、大畠幹事長・松野頼久幹事長時代に協議体があった当時以来の、維新の他の野党との協議体になります。8野党幹事長会談にまで広がったときに、維新国対は脱退しました。

 4年前から野党合同ヒアリングができ、これは立憲国対主催ですが、本会議場裏「16控室」ではこれまで見かけなかった、共産党の田村智子議員・畑野君枝議員・本村伸子議員・宮本徹議員が常連として、二列目ですが、出席。誰も違和感を覚えないテレビ映像になりました。つい最近、うろ覚えですが、国民民主党の自動車総連組織内参議院議員がいて、私はあれ、と思いましたが、国民として正式に離脱することになりました。

 立憲は、両院議員総会を開き、枝野幸男代表の辞任がすんなり決まりました。党員・サポーターは3万人程度しかいないようで、フルスペックの代表選挙が最短で月末に投開票を迎えることも念頭に、選管が発足しました。

 政府は、岸田首相になって初めて「経済財政政策諮問会議」を開催。最近では法制審の諮問の参考資料にまで骨太の方針が抜き書きされ、法制審にまで「経済」「成長」のプログラム文書が波及してきましたが、今後は、「新しい資本主義会議」が力をつけることも想定されます。

 さらに、「全世代型社会保障会議」は「新しい」をつけずに再発足。枝野幸男さんが訴えた、保育・介護・医療従事者の処遇改善も予算付けされます。

 松野博一官房長官は「デジタル田園都市会議」を正式発表。こちらは、牧島さんではなく、若宮万博相が担当になります。

 そして、木曜日、清和政策研究会が安倍派になります。安倍晋三さんは個人後援会で、28年前に安倍晋太郎元幹事長から17億円を承継して28年。今どれだけ残っているのか分かりませんが、資金力に自信を持っているのは間違いありません。

 4年ぶりの総選挙で、新しいレジームがスタート。9か月後の参院選で、すべてがひっくり返るかもしれないし、与党が順当に改選・全体の過半数を締めれば、今週のレジームが3年続くことにもなりそうです。

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