【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

泉健太・立憲民主党代表当選、枝野幸男さんも登壇しねぎらう、「余裕ある10万人党員」が「しこりない決選」、参院選擁立で剣が峰、フルスペックは地方「逢坂」国会「小川2位」

2021年11月30日 17時44分10秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
 きょねん9月15日に結党された「立憲民主党」の代表に泉健太さんが選出されました。任期は令和6年2024年9月30日(月)まで。

 枝野幸男初代代表も登壇し、ねぎらいました。「枝野路線」の継承は確実。枝福トップダウンが4年1か月続いたことから、現職国会議員はサンクチュアリも含めて枝野さんを慰留する声は広がりませんでしたが、路線はすべて継承されることになりそうです。

 「野党調整路線」を敷いてきた岡田克也さん、枝野幸男さんと違い、泉新代表は「落選した経験」を持つ代表となります。

 東京プリンスホテルでは、2009年の5月に鳩山由紀夫さんが代表に当選したのに、小沢一郎前代表が登壇を拒む事件があり、半年後に鳩山政権下で小沢幹事長グループが政権をかく乱して政権崩壊につながりました。

 総評系の「サンクチュアリ」がおした逢坂誠二さんが2位、「なぜ君は総理大臣になれないのか」の勢いを継いだ旧・無所属の小川淳也さんが3位、国のかたち研究会や情報労連が擁立した女性候補の西村智奈美(西村ちなみ)さんが4位でした。

 きょう令和3年2021年11月30日(火)の立憲民主党臨時党大会、初のフルスペック代表選挙の開票結果は絶妙な配剤となりました。

 地方議員票では、逢坂さんが1位で、泉さんが2位。国会議員票では、旧立憲1期生の再選失敗が相次いだことから、泉、小川の旧希望・無所属でワンツー。党員票(ネット)は泉、逢坂となり、党員票の構図で泉、逢坂の決選投票となり、泉さんがあとくされのない程度の圧勝をして、泉代表が決まりました。絶妙な配合だったと言えます。主要政党の党員ネット投票は初めて。

 泉代表は再来週月曜日から第207回臨時国会に臨み、「10万円給付」の補正予算案の審議に臨みます。年明けに第208回通常国会に。予算案やこども庁法案・経済安全法案を審議。そして、おそらく6月23日公示で「第26回参院選」。

 第26回参院選は、元々多くない、選挙区現職の半数前後が引退します。候補者擁立はほとんどすすんでいません。6年前は平和安全法制成立直後のため、強い憤りをもった「和歌山県弁護士会長」「連合奈良会長」「NHK栃木放送局長」らが自分から買って1人区に出ました。が、そういう人もいそうにないことから、第26回参院選1人区の立憲民主党公認内定を5カ月以内に「メーデー前」までに擁立しつくすのは剣が峰と言えそうです。

 今回の選挙では「なぜ君」の小川淳也候補が有楽町イトシア前で「青空対話集会」を開き、好評を得ました。しかし、前列には「同じ顔触れ」も見ました。「同じ顔触れ」も各々の地元では選挙カーを運転したり、日常の朝の駅頭も手伝ったりして汗をかいています。さらには市民連合で候補者調整にまでかかわっています。しかし、「同じ顔触れ」も自分で電話して数十票を取ってくることはしていないようです。今回の「わずか」10万人の党員が、地方議員「逢坂」、国会議員「泉、小川」を「決選は泉、小川」の構図に持って行ったのは絶妙すぎますが、党員を増やしていくと逆にそういうことは難しい。

 とにもかくにも、アクセスしようとしている層が「余裕がない」。これがすべてだと考えます。

 きょねんはクリスマスイブの2週間後に感染爆発が起きましたが「オミクロン株」の水際排除を岸田文雄首相(自民党総裁)が「覚悟」で決めました。但し、東京の商業サービス業も息切れしているようです。また、実効実質為替レートがニクソンショック半世紀で、2014年に次いで底に張り付いています。選挙違反事件も相次いでおり、岸田自民が第26回参院選で反動減になることも予想されますが、泉・立憲が1人区地滑り大勝は望めません。

 泉さんは私よりも1学年・5カ月若い党首です。私は先の衆院選は枝野立憲は30議席伸ばすと信じて疑わなかったのですが、逆の結果になりました。私は「岡田克也さん・本庄知史さんがスタンダード」という認識だったのでギャップが生じたようです。このギャップの補整は、頭の中だけにして、今後も行動や人脈でこのギャップを補整しようとは思いません。


[写真]枝野幸男さん、先月10月31日深夜、宮崎信行撮影。


[画像]泉健太新代表と枝野幸男前代表ら、立憲民主党公式ユーチューブチャンネルからスクリーンショット。


[写真]泉健太・立憲民主党代表、同党本部別館で、今月19日、宮崎信行撮影。

 東京では公明党現職の「1連ポスター」。


[写真]公明党現職竹谷とし子さんの第26回参院選を念頭に置いた「1連ポスター」、2021年11月26日、東京都荒川区内で、宮崎信行撮影。

 また、舟山康江国民民主党政調会長が改選を迎える山形選挙区では、自民党本部選対委員長の遠藤利明・衆議院議員が「公募をしない」と発表しました。山形の動向も注目されそうです。

 私は実母とともに「泉健太」さんに投票したので、良かったです。

[写真]泉健太さんに投票した母と私、2021年11月23日、宮崎信行撮影。


 なお、私が「選管行」でいいと主張するのに、母に「御中」と直されてしまい、表面だけ同じ筆跡になってしまった。もっと悪くしつけられた方が、日本社会・経済で生きやすかったと思う。

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