【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【NHKは報道できるのか?元経営委員長が当事者】斉藤鉄夫国土交通大臣の広島3区でも有権者買収日当5000円、福山通運社長の小丸成洋さんが会長の広島県トラック協会の任意団体地域支部がハコ集会で現金手渡し

2021年11月24日 23時16分00秒 | 第207回臨時国会 2021年12月

 週刊フラッシュと宮崎信行=写真=のスクープで初めて明るみになった、茨城6区の県トラック協会任意団体日当5000円問題。広島3区の斉藤鉄夫国土交通大臣の広島市中心部での屋内個人演説会でも「旅費四千数百円」を県トラ協任意団体支部が払っていたことが分かりました。あす発売の週刊文春に掲載され、文春の有料電子版に続き、共同・時事などがすでに県協会への取材をもとに報じています(gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-211124X424
)。

 広島3区は厄介です。茨城は「一般社団法人」ですが、内閣府ないし県庁の認可が必要な「公益社団法人」広島県トラック協会。会長は東証1部上場企業の福山通運の小丸成洋・二代目社長。この人は、国会同意人事である、NHK、日本放送協会経営委員として、NHK経営委員長をつとめました。改めて公選法を読むと、会長が県警捜査2課に取り調べを受ける可能性も否定できず、NHKの姿勢も問われます。

 また、福山通運は、「日通・ヤマトの1割以上の規模」ですから、日本で言えば「準大手」。宏池会のメンバー、浜野清吾・浜野剛元衆議院議員が創業・経営した「王子運輸」が小泉規制緩和で、観光バス部門の優位性を失い、トラック輸送「王子急便」にシフトするのに遅れて、福山通運に買収・子会社化されています。陸上輸送で「地域の中堅」ポジションでは福山が最も成長した会社でああり、小丸二代目社長もやり手でしょうが、観光バスの法律規制緩和でライバルが優位性を失ったことも横目に見てきたのだろうと、推測します。国交省全体の予算から、陸上輸送業界に流れる補助金は多いとはいえませんが本省自動車局や中国運輸局には「総合的物流体系整備の調査」「自動車運送業の市場環境整備の調査」など新しい政策立案のプロセスに予算をつけていることから、トラ協が斉藤鉄夫国土交通大臣とのコネクション強化を図っていたことも考えられます。

 薄利多売の陸上輸送業界ですから工作資金は多くはないでしょうが、有権者買収が行われていたとすれば、犯罪ですし、大臣を辞めるべきです。

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