宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

塩村あやかさん今国会初の「第一委員会室のラインナップ」、「AVアダルトビデオ出演強要は詐欺にならないから政治の責任で子どもを守れ」に内閣府男女共同参画局長「議員立法が迅速」と異例答弁

2022年04月04日 18時13分10秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]塩村あやかさん(2025年改選)、きょねん2021年9月下旬、都内で、宮崎信行撮影。

【参議院決算委員会 きょう令和4年2022年4月4日(月)】

 定例の「月曜1時」に始まりました。
 おととしである「令和2年度決算承認案」の審議は2日目で、そのうち省庁別審査1回目。

 立憲民主党の塩村あやかさん(奇数組)は、先週のテレビ入りに続いて、AVアダルトビデオ出演問題を取り上げました。この問題は、必ずしもページビューが多い案件ではありませんが、「衆参の第一委員会室で同じ議員が連続して取り上げる議題」いわゆる「ラインナップ」になるのは今国会初めてとなっています。塩村さんは「きょうは4月4日。隙間ができてしまった」とし「先週の総理入り質疑の被害者の人から手紙が来たので、先週の内閣委員会に続いて、こちらでも読み上げたいとし、「なぜ審議中に笑いがあがるのでしょう。(規制法規がある)タバコや酒と何が違うのでしょう。詐欺にならない方法で言いくるめられ、自分の裸の写真や動画が永遠に出てくる可能性に苦しむ。福祉から見捨てられた」という趣旨の手紙を紹介しました。

 塩村さんは「グルーミングを知っているか」とし、信頼感をつくることを先にするため、詐偽・錯誤・脅迫にならないかっこうで契約し、破棄できない関係をつくろうとする大人の行為を「子供を守るのは政治の役目だ」。

 これについて監督官庁を問うと、松野博一官房長官は答弁しませんでしたが、警察庁・都道府県警察本部ではなく、内閣府男女共同参画局だという流れを認めました。男女共同参画局長は「アダルトビデオ強要問題は巧妙化している。先週、各省庁横断会議で政策パッケージをまとめた」としました。そのうえで、塩村さんに閣法と議法はどちらが早いか問われた局長は、「閣法は有識者の会議をつくる。議員立法につきましては、国会議員の方が提出して審議し、可決すれば成立すると承知している」とし、議法が早いという踏み込んだ答弁をしました。これを受けて、塩村さんは「与党で民法の特例法は聞いたことがないという人がいるが過去に例があるので資料を見てほしい」とし、議員立法の機運を盛り上げました。

 今国会、野田聖子大臣のコロナ感染で、「こども家庭庁」(208閣法38号など)の成立が微妙になるかけています。自民党としては上川陽子さんが法相のころ、検討するとしながら検討せずに4月1日を過ぎてしまったミスもあります。この議員立法が残り2カ月間の第208通常国会のドラマになるかもしれないし、ならないかもしれません。偶数組では6年前に「ヘイトスピーチ規制法」が立憲の有田芳生さんと自民の西田昌司さんの意外なコンビで成立した事例もあります。

 それと、塩村さんが東京区だということが、日本におけるこの問題の背景として大きいでしょう。

 塩村さんの一つ前には「みなし同期」とされる羽田次郎さん(きょねん4月下旬初当選)が国家公安委員長・警察庁に対して「会計検査院に指摘された非常用電源について」問いました。次回はあさって(4/6)水曜日午後1時。

【衆議院決算行政監視委員会 同日】

  立憲民主党の原口一博さんが委員長。「令和2年度コロナ予備費使用総調書」「令和2年度予備費使用総調書」「平成30年度決算承認案」「令和元年度決算承認案」ほかの案件で、財務大臣から所信聴取しました。

 鈴木俊一財務大臣は、コロナ予備費は9・6兆円の予算のうち「営業自粛協力金など38件に9・1兆円」を使用したとしました。

 感想としては、コロナ予算は30兆円の使い残しがありましたがあれは1次補正で、1次補正でついた予備費は歳出の閣議決定のたびに、衆参予算委理事懇で主計局が説明し質問を受けました。これは臨時国会を開かせないための方便なので、使い残しが少なかったのは当然かもしれません。質疑は次回。

【参議院行政監視委員会 同日】
 立憲民主党で、総務省関係の支持が多い、吉田忠智さんが委員長です。

 おととしからの「国と地方の行政の役割分担に関する小委員会」が設置されました。

 これに先立ち、総務省行政評価局の政府報告があり、質疑がありました。

●あす、あさっての予定
 ボーナスマイナスの令和3年度人事院勧告の実施法案(一般職国家公務員給与法)などは、あさって、4月6日(水)の午前10時からの参議院本会議で採決され、成立しそうです。

 羽田次郎さんは今週も連投であすも外交防衛委員会で21分間(片道)質問。ある同期議員より割当時間が長いこともあり、どうやら参議院国対幹部の評価がかなり高いようです。

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公明党で第26回参院選福岡県3人区再選に「体調不良で不出馬」の高瀬弘美さんがことし3回目の質問「ポーランドのワルシャワ避難所におもちゃ置き場、熊本地震の避難所のように国内配慮を」

2022年04月04日 16時25分19秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[画像]高瀬弘美公明党参議院議員、きょう令和4年2022年4月4日(月)、参議院インターネット審議中継あらスクリーンショット。

 参議院決算委員会が第一委員会室で開かれ、夏の福岡県区(定数3)に「体調不良のため出馬を断念」すると4か月前(2021年12月)に発表した、高瀬弘美さんが質問しました。高瀬ひろみさんは、1981年生まれの40歳で、ウィキペディアでは、6年前の初当選直後に結婚し、5歳の長男、2歳の双子の合計3人を育てる母になっているようです。このため、体調不良ではなく、6年前は「独身の前外交官女性」が「3児のママ」だと党員・支持者が引き回しづらいから交代したのではないかとの憶測がありました。

 公明党にとっては、「3人区での候補」は最もきつい候補であり、意欲が強いこともあり長崎出身の秋野公造・前参議院国対委員長に候補(予定)者が交代してしまったようです。

 高瀬さんは、きょうの質疑で「令和2年度の決算承認案だが、予算として審議したとき、私は予算委員だった」とアピール。高瀬さんは「ポーランドのワルシャワでは、避難民の人におもちゃを置いている」として、国内外の避難所への子供の遊び場やおもちゃの配置について内閣府(答弁は男性職員)に問い「熊本地震のときは発災直後に私も入った」「同じ九州の宮路拓馬政務官にきょうは来てもらっている」などと話しました。

 高瀬さんは「不出馬発表」後のことし2月14日の参議院行政監視委員会の参考人質疑、3月8日の参議院内閣委員会では「経済安全保障法案」(208閣法37号)の先取り質問をしていたようで、あまり「体調不良で不出馬」という雰囲気でもありません。

 私は立憲民主党などの参議院1人区の県連の長期的戦略について「40代女性アナウンサー1期6年の使い捨て」と批判してきました。現在は6年間やるだけやれば、残りの人生は家族ともどもやっていけるという自身の達観、周囲の助言も多いようです。

 参議院なんてその程度でいいのではないでしょうか。

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