国会審議は極めて低調。
安倍・黒田ミクス9年間で最も円安進行が早くなっていますが、この9年間で初めて、物価上昇目標(物価安定目標)であるコアコアCPIが2%アップになる公算が高いようです。これは、5月発表分の数字から、4割下げた携帯電話料金が、前年同月比プラスマイナスゼロになるため、それ以外(特に宿泊料)でコアコアCPIが初めて2%になりそうです。黒田東彦日本銀行総裁にとって初めて量的金融緩和を止める口実を得ることになります。かなり大きいきっかけになります。
【衆議院内閣委員会 きょう令和4年2022年4月27日(木)】
「こども家庭庁設置法案」(208閣法38号・208閣法39号)と「自公基本法案」(208衆法25号)、「立憲対案」(208衆法8号)、「維新対案」(208衆法27号)が審議されています。
昨年の「デジタル庁設置法」に続いて「庁設置法案」の審議ですが、とくに水面下の縄張り争いの気配なし。子ども政策にこれまでお金が流れていなかった証左かもしれないし、仮に日本学生支援機構のファンドそのものが移管するような話だったら、騒がしかったかも。野田聖子大臣は「子ども真ん中」を強調。これに対して野党議員からも「無利子奨学金を充実すべきだ」というようにあたかも庁ができて、要望を伝える雰囲気にも見えました。一方、一部議員から「家庭庁」となったことについて、副大臣が過去のブログで「家庭は国家の基本」というような発言をしていると、家庭観を問う質問がありました。但し、2009年民主党政権で「子どもは社会が育てる、子育ち」のためにこども手当が必要だとする元市長の女性教授が登場するなど議論が混乱したことがあります。家庭とは何かを、内閣委員会の「庁設置法」の審議で議論をして、答えが見つかるとは思えません。今後も審議が続きます。
【参議院本会議 同日】
「省エネ法改正案」(208閣法43号)が経産大臣から趣旨説明され代表質問を受けました。
「行政手数料キャッシュレス法」(208閣法22号)が賛成多数で可決し、成立しました。
「改正所有者不明土地の利用円滑化特別措置法」(208閣法20号)が全会一致で可決し、成立しました。
【参議院ODA及び沖縄北方特別委員会 同日】
衆議院の委員会に続き、「沖縄本土復帰50年決議」がなされましたが、全会一致が崩れ共産党が反対に回りました。決議では異例の討論を行った、共産党の紙智子委員によると、「決議には、共産党は米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直しを盛り込むべきだと考え、少なくとも日米地位協定の見直しだけは入れるべきだ。野党案にはあったのが、与党案とのすり合わせで落ちた」と明かし、反対しました。本会議でも同様の決議が準備されています。全会一致にならないなら必ずしも決議しなくてもいいはず。向こう10年の改正沖振法は既に今国会で成立した後に、日米地位協定の見直しという文言を入れられない本土復帰50年決議をしてなんになるのかという気はします。
【衆議院外務委員会 同日】
今から4年前のきょう「民進党離党記者会見」に追い込まれた岡田克也さんですが、それから4年経った今も、立憲民主党常任顧問として外務委員として「略称・民主党」の再興に励んでいます。きょうは、事前協議についての質問を続けました。今回の大型連休も野党はできれば海外渡航自粛を呼びかけていますが、小熊慎司さんは議運委の了承を得て、国際機関を回って、ウクライナと日本の関係を議員外交からチェックすると予告しました。
「日・スイス租税協定」(208条約3号)は共反対、「大阪万博に関する特権・免除協定」(208条約4号)も共反対、「IPU万国郵便連合憲章の追加議定書」(208条約7号)は全会一致で承認すべきだと議決しました。
「日・ベトナム刑事共助協定」(208条約2号)「ILO105号強制労働廃止条約」(208条約5号)「漁船の安全のためのトレモリノス国際条約の実施のためのケープタウン協定」(208条約6号)が外相から趣旨説明されました。今国会の条約承認案はこれですべて審議入りしました。5月11日(水)9時から審議。
【衆議院文部科学委員会 同日】
「10兆円大学ファンド法案」(208閣法35号)は立憲・共産などが反対し、自民・公明などが賛成して可決すべきだと決まりました。今国会では珍しく賛否が分かれた格好ですが、「ファンド」の賛否はなかなか民主主義のテーマとして難しいようにも思えます。
【衆議院法務委員会 同日】
「刑法改正案」(208閣法57号など)と「それに対する立憲対案」(208衆法31号)。実質審議3回目で、きのうの木村花さんご遺族らへの参考人質疑を踏まえた、対政府質疑2巡目。
【衆議院厚生労働委員会 同日】
「児童福祉法改正案」(208閣法49号)と「立憲などの対案」(208衆法28号・208衆法29号)の審議。
【衆議院農林水産委員会 同日】
一般質疑。
【衆議院経済産業委員会 同日】
「高圧ガス保安法改正案」(208閣法50号)の趣旨説明。
【参議院憲法審査会 同日】
きょうは各会派1人ずつの意見表明があり、それだけで終わりました。自民党の西田昌司さんは毎回開催されていることに感謝を述べました。立憲の小西洋之さんは、西田さんが党というよりも個人としての意見を述べているとしたうえで、憲法56条の出席要件の解釈などは、衆議院のように多数決をすべき性質にないと今後の運営にくぎを刺しました。また、国民民主党の足立信也さんからは、参議院で予算案・法案の審査を衆議院よりも省略していいいという試案があると大胆な紹介がありました。
●あすの予定
「経済安保法案」(208閣法37号)で参議院内閣委が首相入り質疑。
安倍・黒田ミクス9年間で最も円安進行が早くなっていますが、この9年間で初めて、物価上昇目標(物価安定目標)であるコアコアCPIが2%アップになる公算が高いようです。これは、5月発表分の数字から、4割下げた携帯電話料金が、前年同月比プラスマイナスゼロになるため、それ以外(特に宿泊料)でコアコアCPIが初めて2%になりそうです。黒田東彦日本銀行総裁にとって初めて量的金融緩和を止める口実を得ることになります。かなり大きいきっかけになります。
【衆議院内閣委員会 きょう令和4年2022年4月27日(木)】
「こども家庭庁設置法案」(208閣法38号・208閣法39号)と「自公基本法案」(208衆法25号)、「立憲対案」(208衆法8号)、「維新対案」(208衆法27号)が審議されています。
昨年の「デジタル庁設置法」に続いて「庁設置法案」の審議ですが、とくに水面下の縄張り争いの気配なし。子ども政策にこれまでお金が流れていなかった証左かもしれないし、仮に日本学生支援機構のファンドそのものが移管するような話だったら、騒がしかったかも。野田聖子大臣は「子ども真ん中」を強調。これに対して野党議員からも「無利子奨学金を充実すべきだ」というようにあたかも庁ができて、要望を伝える雰囲気にも見えました。一方、一部議員から「家庭庁」となったことについて、副大臣が過去のブログで「家庭は国家の基本」というような発言をしていると、家庭観を問う質問がありました。但し、2009年民主党政権で「子どもは社会が育てる、子育ち」のためにこども手当が必要だとする元市長の女性教授が登場するなど議論が混乱したことがあります。家庭とは何かを、内閣委員会の「庁設置法」の審議で議論をして、答えが見つかるとは思えません。今後も審議が続きます。
【参議院本会議 同日】
「省エネ法改正案」(208閣法43号)が経産大臣から趣旨説明され代表質問を受けました。
「行政手数料キャッシュレス法」(208閣法22号)が賛成多数で可決し、成立しました。
「改正所有者不明土地の利用円滑化特別措置法」(208閣法20号)が全会一致で可決し、成立しました。
【参議院ODA及び沖縄北方特別委員会 同日】
衆議院の委員会に続き、「沖縄本土復帰50年決議」がなされましたが、全会一致が崩れ共産党が反対に回りました。決議では異例の討論を行った、共産党の紙智子委員によると、「決議には、共産党は米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直しを盛り込むべきだと考え、少なくとも日米地位協定の見直しだけは入れるべきだ。野党案にはあったのが、与党案とのすり合わせで落ちた」と明かし、反対しました。本会議でも同様の決議が準備されています。全会一致にならないなら必ずしも決議しなくてもいいはず。向こう10年の改正沖振法は既に今国会で成立した後に、日米地位協定の見直しという文言を入れられない本土復帰50年決議をしてなんになるのかという気はします。
【衆議院外務委員会 同日】
今から4年前のきょう「民進党離党記者会見」に追い込まれた岡田克也さんですが、それから4年経った今も、立憲民主党常任顧問として外務委員として「略称・民主党」の再興に励んでいます。きょうは、事前協議についての質問を続けました。今回の大型連休も野党はできれば海外渡航自粛を呼びかけていますが、小熊慎司さんは議運委の了承を得て、国際機関を回って、ウクライナと日本の関係を議員外交からチェックすると予告しました。
「日・スイス租税協定」(208条約3号)は共反対、「大阪万博に関する特権・免除協定」(208条約4号)も共反対、「IPU万国郵便連合憲章の追加議定書」(208条約7号)は全会一致で承認すべきだと議決しました。
「日・ベトナム刑事共助協定」(208条約2号)「ILO105号強制労働廃止条約」(208条約5号)「漁船の安全のためのトレモリノス国際条約の実施のためのケープタウン協定」(208条約6号)が外相から趣旨説明されました。今国会の条約承認案はこれですべて審議入りしました。5月11日(水)9時から審議。
【衆議院文部科学委員会 同日】
「10兆円大学ファンド法案」(208閣法35号)は立憲・共産などが反対し、自民・公明などが賛成して可決すべきだと決まりました。今国会では珍しく賛否が分かれた格好ですが、「ファンド」の賛否はなかなか民主主義のテーマとして難しいようにも思えます。
【衆議院法務委員会 同日】
「刑法改正案」(208閣法57号など)と「それに対する立憲対案」(208衆法31号)。実質審議3回目で、きのうの木村花さんご遺族らへの参考人質疑を踏まえた、対政府質疑2巡目。
【衆議院厚生労働委員会 同日】
「児童福祉法改正案」(208閣法49号)と「立憲などの対案」(208衆法28号・208衆法29号)の審議。
【衆議院農林水産委員会 同日】
一般質疑。
【衆議院経済産業委員会 同日】
「高圧ガス保安法改正案」(208閣法50号)の趣旨説明。
【参議院憲法審査会 同日】
きょうは各会派1人ずつの意見表明があり、それだけで終わりました。自民党の西田昌司さんは毎回開催されていることに感謝を述べました。立憲の小西洋之さんは、西田さんが党というよりも個人としての意見を述べているとしたうえで、憲法56条の出席要件の解釈などは、衆議院のように多数決をすべき性質にないと今後の運営にくぎを刺しました。また、国民民主党の足立信也さんからは、参議院で予算案・法案の審査を衆議院よりも省略していいいという試案があると大胆な紹介がありました。
●あすの予定
「経済安保法案」(208閣法37号)で参議院内閣委が首相入り質疑。
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