宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【羽田次郎】民主党で初当選の後藤茂之大臣と第一委員会室で出くわす「22年前、民主党で後藤さんは「太った人に悪い人はいない」と演説、思うところはある」としながらも水に流す

2022年04月25日 17時31分26秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 1年前のきょう、長野補選で初当選した羽田次郎・立憲民主党参議院議員は決算委員会に属しています。きょう第一委員会室で開かれた委員会は「省別審査 厚労省」。民主党公認で初当選しながら自民党の寝返った長野4区の後藤茂之・厚生労働大臣と因縁の対決となりました。

 羽田さんは「1年前のきょう、私は補選で当選した」としつつ、その兄・雄一郎さんももともと村沢牧さん(社会党出身で細川内閣の農林政務次官)の逝去による補選で当選したと説明。羽田さんは「(1999年当時)私は(衆議院でいう)長野4区(区域を羽田孜秘書として)担当していた。兄の初当選に向けた選挙戦で、当時同じ党に所属していた後藤厚生労働大臣とともに活動をしました。その選挙の際に、後藤大臣は『太った人に悪い人はいない』と演説していた。兄と同じようにがっしりとした体格をされていた後藤大臣が力強く演説されていたことが、非常に印象に残っている。20年以上の時を経て、いろいろと思うところがありますが、兄が国土交通大臣を務めさせていただいて以来の長野県選出の閣僚ということだそうですので、信州人の一人としてがんばっていただきたい。素直に思っています」と語りました。羽田さんは「体格とは関係なく世の中には良い人も悪い人もいます」と付け加えました。

 羽田さんは「感染予防には水道の整備が大事だ」と指摘。後藤大臣は「老朽化や人口減少の問題がある水道事業は国民生活、社会経済活動の社会基盤であると思っていいます。厚生労働省としては、しっかりとした財政的、技術的支援をしていきたい」と誠意ある答弁。過去の遺恨を水に流しました。

 巡り合わせでは、村沢牧・社会党参議院議員は、細川・羽田連立内閣に参画。羽田副総理、村沢農林推薦政務次官となりましたが、直近で最悪の飢饉だった1993年米騒動とガットウルグアイラウンドで、抵抗与党として行動し、混乱。このため、羽田孜内閣では在職1年ながら北澤俊美農林水産政務次官となり混乱を収拾した経緯があります。これらの勢力をすべて、羽田民主党が糾合していたわけで、民主党王国と言われることになります。

 きょねん4月8日の補選告示日で、自民党は羽田立憲の牙城、上田駅前で第一声をあげました。この際、後藤茂之自民党長野県連会長は、入閣を直前に控えたお偉方ながら、誰よりも早く、新幹線上田駅前に一人で立っていました。後藤さんの事務所から上田駅前は車で1時間36分かかる遠距離。入閣直前の先生にしては、後藤さんは一人で落ち着かない表情でした。
 

[写真]入閣を直前に控えたお偉方にもかかわらず、やたら早く上田駅前に現れた後藤茂之・自民党長野県連会長(背中の男性)、JR新幹線「上田」駅前で、きょねん4月8日、宮崎信行撮影。


[写真]自民党候補の演説をする後藤茂之さん=同。


[写真]政権交代ある政治の継続を訴える羽田次郎さん=同。


[写真]上田駅前で囲み取材に応じる福山哲郎立憲民主党幹事長(当時)=同。

 ところで、きのうの補選で参議院石川選挙区で自民党の宮本周司さんが3分の2の圧勝。選挙戦中に、小沢一郎・立憲民主党衆議院議員が、奥田敬和、奥田建両元議員の墓参に訪れ「政権交代ある政治を目指した仲間だ」と強調しましたが、結果は自民党候補の圧勝でした。

 次回は再来週の、連休明け、5月9日(月)1時から。

【参議院決算委員会 きょう令和4年2022年4月25日(月)】
 「令和2年度決算承認案」は6日目でそのうち省庁別審査5日目、厚労省、法務省。上述のやり取りのほか、立憲民主党の塩村あやかさんは「パパ活という言葉があるが、数年前から売春と同じ意味となっている。非正規、氷河期とも根がつながっている。私たち国会議員は目を背けてはいけない」と質問。後藤厚労相も「コロナ禍でそのような事情が増えている。保険外の人でも、無料の職業訓練や給付金を受けられる、3年間で4000億円の施策パッケージをつくった」と真摯に答弁しました。

【参議院行政監視委員会 同日】
 「国と地方の行政の役割分担に関する小委員会」で議員から対政府の質疑があり、会計年度任用職員、地域医療構想、ふるさと納税などの質問がありました。

【衆議院 同日】
 きょうの審議はなし。重要法案の審議入りも既に終わて、ゴールデンウィークが始まる週を迎えました。立憲民主党は第26回参議院議員通常選挙に向けた「生活安全保障」との泉健太代表のポスターを発表しました。

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22日当ニュースサイト詳報「ファイブアイズ」をニューヨークタイムズが後刻に長文で詳報、タイトルに「ファイブ・アイズ」を入れたのは本邦メディアでは当サイトだけか

2022年04月25日 11時56分04秒 | その他
 当ニュースサイトは22日付で「【条約の交渉】日本とニュージーランドの機密情報相互保護条約の交渉へ、日米以外では初、ファイブアイズの企業スパイ牽制と対中国軍事情報でアングロサクソン諸国と連携か」と報じましたが、この件について、世界で最も影響力を持つ新聞「ニューヨークタイムズ」も「New Zealand Deal May Put Japan Closer to ‘Five Eyes’ Intelligence Alliance」と長文で報じました。

 タイムスタンプは同じ「22日」ですが、時差の関係で当サイトの方が早いでしょう。また、共同通信と時事通信も21日付で「日本とニュージーランドが情報保護協定で交渉入り」と報じましたが、日本語メディアで「ファイブアイズ」をタイトルに入れて報じたのは、当ニュースサイトだけと思われます。

 上述のニューヨークタイムズは、ニュージーランド特派員が、中国の軍事力を封じ込めたい思惑があって、ニュージーランドが日本にファイブ・アイズ入りを誘ったのではないかとの見立てを含みつつ、日本首相官邸での会談のようすを伝えました。

 ファイブ・アイズに日本を入れてシックス・アイズにする構想は、英国のボリス・ジョンソン首相、リズ・トラス外相らが積極的に語り、茂木敏充外相(現在の自民党幹事長)が照れ笑いすることもあり、英国などの真意をいぶかしがる心理も混じりつつ一部でくすぶっていました。

 但し、日本の企業情報に対するスパイ活動はニュージーランドが担当して、ファイブアイズに流しているとの観測は前世紀からあり、それに対する外務省内外の払拭懸念が課題となりそうです。

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