[写真]細かい税制改正プログラムを提案して民主主義を妨害する西田実仁・公明党参議院議員会長、きょねん2022年6月、埼玉県内で、宮崎信行撮影。
衆議院では憲法審査会が開かれました。参議院では全く議論が進化しない令和5年度予算委員会の基本的質疑2日目。あすは10時から3日目。再来週月曜日に集中審議、9日(木)に中央公聴会が決まりました。
【衆議院憲法審査会 きょう令和5年2023年3月2日(木)】
木曜10時定例、きょう第1回目が開催されました。
立憲民主党の階猛筆頭幹事は「きょねんと異なりことしは2月の予算審議中は予算に集中したのは妥当だ。今回を契機に慣例にしてほしい」と語りました。これに先立ち、自民党の新藤義孝筆頭幹事は「今国会はじめて開催される。先月2月の幹事懇談会でも協議したが、ことしは憲法改正案発議の本体論議と国民投票法改正をセットで議論することにして来週も開催したい」と働きかけました。
立憲民主党はおととし前回の解散前に奇策をかけて、憲法改正手続きのための国民投票法の附則に「3年後見直し規定」を設け「国民投票の公平及び公正を確保するための次に掲げる事項その他必要な事項について法制上の必要な措置をしなければならない」と修正議決に賛成しました。仮に現行法のまま憲法改正を発議すると公平・公正でない投票だと国会自らが認める自家撞着法制となっています。この法文を作成した山花郁夫さんは比例次点で落選しており、同党の筆頭幹事が落選しやすい状況も続いています。が、法律は有効です。
そして、きょねんの憲法審査会は中川正春・党憲法調査会長が16名の1期生に「どんどん発言してください」と呼びかけ、実際に1期生がどんどん発言したため、議論はまとまらず年を越しました。
きょうは1期生の吉田はるみ(吉田晴美)さんが、LGBTQ法制・同性婚と憲法13条や24条をめぐって「岸田総理に出席を求めて、理解増進法案や同性婚の見解を聞きたい。また、自民、公明の幹事の同性婚をめぐる考えを聞きたい」と突如提案しました。森英介会長はすかさず拒否。吉田さんは食い下がり「見解を聞くことも不可能でしょうか」としました。新藤さんは「24条は同性婚を想定していないというのが学説で、明示的に同性婚を禁じていないが認めてもいない」としました。そのうえで「立共社が共同で出した法案は法務委員会に付託されている」と語りました。この法案の存在は現在確認できません。
[写真]立憲民主党の吉田晴美さん、おととし2021年10月、都内で、宮崎信行撮影。
公明党の国重徹さんも「LGBTQ法制は法務委員会、内閣委員会で審議を深めるべきだ」と吉田発言を牽制しました。社民党の新垣邦男副党首は「憲法尊重擁護義務は我々国会議員にも課せられている。あまり改憲に走るな」とブレーキを試みました。
立憲民主党は何もしていないわけでなく「憲法調査会国会のあり方分科会・中間報告(案)」のA4判6枚ペーパーを先週のNC次の内閣で了承し、緊急事態条項・召集・定数をセットにして党内・衆・参で議論するプロセスを決定しています。
【参議院予算委員会 同日】
「令和5年度予算案」は3日目でそのうち基本的質疑2日目。
参院選で自民は単独過半数をとりましたが、非改選とあわせると118議席で6議席過半数に足りず、国会内でも参議院公明党と歩みを合わせる必要があります。
自公とも参議院議員会長は埼玉4人区で1人だけ公認された議員で、公明党の西田実仁さんが質問に立ちました。西田さんは昨夏の参院選で「軽減税率の米印を見たら私を思い出して」と語り、複数税率の導入を検討する附則を盛り込んだ「当時の与党・民主党との3党合意」を街頭演説で言及していました。
先々週の岡田克也・立憲民主党幹事長のプログラム提案と軌を一にするかのように、西田さんは新政策課題を提案しましたが、相変わらずややこしかったです。西田さんは「考えるべきなのが企業の家族手当の話です。民間企業における配偶者手当については政府の期待通り、確かに縮小しています。しかし、配偶者手当の改廃、あるいは縮小は一部の労働者に不利益となることから、なかなかその歩みは遅いです。配偶者手当のある企業の中で配偶者の収入に上限がある企業の割合は多くは、103万円、130万円ですけれども、この上限がある企業の割合はむしろ実は増えています」と述べました。そのうえで「総理にお聞きしたいと思いますが、従業員Aが例えば月家族手当2万円とした場合に、Aの配偶者が所得制限を超えると現行では2万円が支給されないという制度。企業が所得制限を撤廃すると年間24万円増えるわけですけども、それは給与の増額とみなし、賃上げ促進税制を適用する。そういう見直しを検討してはいかがでしょうか」と細かい議題を提案しました。西田さんは与党税調会長も兼ねています。
岸田文雄首相は「既に配偶者手当なども含めた賃金の引き上げに対し税制優遇措置をしており、ご指摘の上限撤廃などについても一定程度、これはカバーされていると考えております。これを配偶者手当の上限撤廃といった行為だけで税制優遇の対象とすることについては効果も含めてよく精査する必要もあると認識をしております。いずれにせよ政府としても、配偶者手当について見直しにあたっての留意点や見直しをした企業の事例等についてリーフレットを活用しながら広く周知を図り企業の実情を踏まえた円滑な話し合いが労使でなされるよう、働きかけてまいりたいと思います」と応じました。
簡素な税制が民主主義の出発点といえそうです。
[写真]西田実仁・公明党参議院議員会長、きょねん2022年6月、埼玉県内で、宮崎信行撮影。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は、児童手当の所得制限撤廃をめぐる世論調査では反対が上回っているが、全世代対象の調査だからで、当事者世代に絞れば、賛成が多いのではないかと指摘しました。ひょっとすると音喜多さんと筆者は、社会調査・統計学の教授は同じ人から習っているかもしれません。
音喜多さんは、林芳正外相がきのうきょうの質疑を優先してG20を欠席したことも質問。これについて、立憲民主党の斎藤嘉隆・参議院国対委員長は読売新聞社説が政府の外遊要請を立憲民主党が断ったとする内容が事実無根だと記者会見で主張しました。斎藤さんが言っていることが正しいと思います。読売も民主党政権当時からのなめた態度でいい加減なことを書き続けると後ろ盾がなくなり次第大々的に訴えられそうです。
【参議院議案課 同日】
来週8日(水)の参議院本会議を見すえて「正当な理由なく国会に登院しない議員の歳費法の改正案」(211参法 号)が提出されました。欠席に厳しい日教組組織内の斎藤国対委員長も同席しました。
衆議院では憲法審査会が開かれました。参議院では全く議論が進化しない令和5年度予算委員会の基本的質疑2日目。あすは10時から3日目。再来週月曜日に集中審議、9日(木)に中央公聴会が決まりました。
【衆議院憲法審査会 きょう令和5年2023年3月2日(木)】
木曜10時定例、きょう第1回目が開催されました。
立憲民主党の階猛筆頭幹事は「きょねんと異なりことしは2月の予算審議中は予算に集中したのは妥当だ。今回を契機に慣例にしてほしい」と語りました。これに先立ち、自民党の新藤義孝筆頭幹事は「今国会はじめて開催される。先月2月の幹事懇談会でも協議したが、ことしは憲法改正案発議の本体論議と国民投票法改正をセットで議論することにして来週も開催したい」と働きかけました。
立憲民主党はおととし前回の解散前に奇策をかけて、憲法改正手続きのための国民投票法の附則に「3年後見直し規定」を設け「国民投票の公平及び公正を確保するための次に掲げる事項その他必要な事項について法制上の必要な措置をしなければならない」と修正議決に賛成しました。仮に現行法のまま憲法改正を発議すると公平・公正でない投票だと国会自らが認める自家撞着法制となっています。この法文を作成した山花郁夫さんは比例次点で落選しており、同党の筆頭幹事が落選しやすい状況も続いています。が、法律は有効です。
そして、きょねんの憲法審査会は中川正春・党憲法調査会長が16名の1期生に「どんどん発言してください」と呼びかけ、実際に1期生がどんどん発言したため、議論はまとまらず年を越しました。
きょうは1期生の吉田はるみ(吉田晴美)さんが、LGBTQ法制・同性婚と憲法13条や24条をめぐって「岸田総理に出席を求めて、理解増進法案や同性婚の見解を聞きたい。また、自民、公明の幹事の同性婚をめぐる考えを聞きたい」と突如提案しました。森英介会長はすかさず拒否。吉田さんは食い下がり「見解を聞くことも不可能でしょうか」としました。新藤さんは「24条は同性婚を想定していないというのが学説で、明示的に同性婚を禁じていないが認めてもいない」としました。そのうえで「立共社が共同で出した法案は法務委員会に付託されている」と語りました。この法案の存在は現在確認できません。
[写真]立憲民主党の吉田晴美さん、おととし2021年10月、都内で、宮崎信行撮影。
公明党の国重徹さんも「LGBTQ法制は法務委員会、内閣委員会で審議を深めるべきだ」と吉田発言を牽制しました。社民党の新垣邦男副党首は「憲法尊重擁護義務は我々国会議員にも課せられている。あまり改憲に走るな」とブレーキを試みました。
立憲民主党は何もしていないわけでなく「憲法調査会国会のあり方分科会・中間報告(案)」のA4判6枚ペーパーを先週のNC次の内閣で了承し、緊急事態条項・召集・定数をセットにして党内・衆・参で議論するプロセスを決定しています。
【参議院予算委員会 同日】
「令和5年度予算案」は3日目でそのうち基本的質疑2日目。
参院選で自民は単独過半数をとりましたが、非改選とあわせると118議席で6議席過半数に足りず、国会内でも参議院公明党と歩みを合わせる必要があります。
自公とも参議院議員会長は埼玉4人区で1人だけ公認された議員で、公明党の西田実仁さんが質問に立ちました。西田さんは昨夏の参院選で「軽減税率の米印を見たら私を思い出して」と語り、複数税率の導入を検討する附則を盛り込んだ「当時の与党・民主党との3党合意」を街頭演説で言及していました。
先々週の岡田克也・立憲民主党幹事長のプログラム提案と軌を一にするかのように、西田さんは新政策課題を提案しましたが、相変わらずややこしかったです。西田さんは「考えるべきなのが企業の家族手当の話です。民間企業における配偶者手当については政府の期待通り、確かに縮小しています。しかし、配偶者手当の改廃、あるいは縮小は一部の労働者に不利益となることから、なかなかその歩みは遅いです。配偶者手当のある企業の中で配偶者の収入に上限がある企業の割合は多くは、103万円、130万円ですけれども、この上限がある企業の割合はむしろ実は増えています」と述べました。そのうえで「総理にお聞きしたいと思いますが、従業員Aが例えば月家族手当2万円とした場合に、Aの配偶者が所得制限を超えると現行では2万円が支給されないという制度。企業が所得制限を撤廃すると年間24万円増えるわけですけども、それは給与の増額とみなし、賃上げ促進税制を適用する。そういう見直しを検討してはいかがでしょうか」と細かい議題を提案しました。西田さんは与党税調会長も兼ねています。
岸田文雄首相は「既に配偶者手当なども含めた賃金の引き上げに対し税制優遇措置をしており、ご指摘の上限撤廃などについても一定程度、これはカバーされていると考えております。これを配偶者手当の上限撤廃といった行為だけで税制優遇の対象とすることについては効果も含めてよく精査する必要もあると認識をしております。いずれにせよ政府としても、配偶者手当について見直しにあたっての留意点や見直しをした企業の事例等についてリーフレットを活用しながら広く周知を図り企業の実情を踏まえた円滑な話し合いが労使でなされるよう、働きかけてまいりたいと思います」と応じました。
簡素な税制が民主主義の出発点といえそうです。
[写真]西田実仁・公明党参議院議員会長、きょねん2022年6月、埼玉県内で、宮崎信行撮影。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は、児童手当の所得制限撤廃をめぐる世論調査では反対が上回っているが、全世代対象の調査だからで、当事者世代に絞れば、賛成が多いのではないかと指摘しました。ひょっとすると音喜多さんと筆者は、社会調査・統計学の教授は同じ人から習っているかもしれません。
音喜多さんは、林芳正外相がきのうきょうの質疑を優先してG20を欠席したことも質問。これについて、立憲民主党の斎藤嘉隆・参議院国対委員長は読売新聞社説が政府の外遊要請を立憲民主党が断ったとする内容が事実無根だと記者会見で主張しました。斎藤さんが言っていることが正しいと思います。読売も民主党政権当時からのなめた態度でいい加減なことを書き続けると後ろ盾がなくなり次第大々的に訴えられそうです。
【参議院議案課 同日】
来週8日(水)の参議院本会議を見すえて「正当な理由なく国会に登院しない議員の歳費法の改正案」(211参法 号)が提出されました。欠席に厳しい日教組組織内の斎藤国対委員長も同席しました。
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