【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

泉健太さん「京都府連」から「全国本部天下統一の夏」脱皮の蝉になるか「市民連合と立憲、共産調整」認める

2023年06月30日 23時43分04秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
[写真]泉健太代表(右)と記者会見に毎回陪席している、重徳和彦代表政務室長代理・代表付、きょう2023年6月30日、議員会館で、宮崎信行撮影。

 今世紀初頭、「小選挙区で死票になると分かっていて、共産党公認に投票している有権者の割合が多い県」を調べたら、(1)京都府(2)大阪府(3)岐阜県(4)長野県ーーの順となりました。

 京都府では、自民党、共産党、立憲民主党が争っています。しかし長野県では、非自民の田中康夫知事の2期目の公営掲示板ポスターを張ったのが共産党県委員会だというのは公然の秘密ですし、立憲の羽田次郎議員の補選は「市民と野党の共同候補」として一騎打ちの構図となり底堅く勝ちました。

 京都選出の立憲民主党の泉健太代表はきょうの記者会見で「解散が少し延びました。野党第一党としていろんな意味で体制をもう1回再構築をする」との全国本部代表としての夏の宿題を提示しました。

 その一方、「立憲民主党としては各県の事情を踏まえて柔軟に考えていきたい」「従来の様々な選挙を戦うにあたっての例えば、いくつかの政策の共有だとかっていうことは、その前提で必要なのかなと思いますから、これまでいえば市民連合の方が、政策をいくつか掲げ、そこに賛同する政党がいくつか名前を連ねる。その調整というものを行ってきたケースもあります」とし、地域によっては、安保法制の廃止と立憲主義を回復する市民連合のお世話人を介した、立憲、共産など野党各党の調整を認めるとの姿勢を示しました。

 これまでの発言を一部軌道修正したかっこう。

 ところで、京都府に原発はありませんが、配電の関西電力は9地域電力の中で原発依存度が最も高いです。長野県は配電が中部電力で、接する新潟県は東北電力が配電し、柏崎刈羽原発は東京電力となっており、反原発を唱えても締め付けられないとの現職の声があります。

 記者会見では筆者が先の通常国会で成立した「GXグリーントランスフォーメーション原発60年超ルール法」に関して、立憲と国民で考えかたが違い過ぎて、逆に野党バラバラ報道にならなかったのではないかとの見立てに基づき、原発所在県での立憲と国民の連携は難しいのではないかとたずねました。

 泉さんは「できると考えれば、多分できるし、できないと考えればできない」とし「共通してるところはあるでしょうし、あえて違っているところっていうのも、多分今出てきて、そこはどちらをデフォルメ(強調)するかだ」と話し、隙間は認めつつも今後の調整に自信を垣間見せました。

 泉さんは「立憲民主党は、将来的に原子力に依存しない世の中を作るということを目指していますけれども、かといって今の安定供給は大事だと考えているし、そして再生可能エネルギーを導入したり省エネ蓄電などに取り組むにしてもバックアップ電源としては(原発が)当面必要なものは必要という考え方の政党ですから。かなり現実路線の政党なんですね。それを他の政党が受け入れられるのか、られないのか、受け入れられないとしたらなぜなのか。それが問われると思いますのでそこは私は十分立憲民主党の今進めているエネルギー政策ってのは、現実的なエネルギー政策だと思います」と語りました。

 4月の補選で無所属となった山口県でも、小選挙区比例代表並立制による次の選挙では立憲民主党公認となっています。電力総連などの旗色はむしろ鮮明さを増していますが、近畿・四国・中国・九州などのブロック各県連での丁寧な歩み寄りが期待されることになりそうです。

 以上です。

法廷で見た「警視庁公安部外事1課刑事たち」は理詰めに弱い印象で「捏造だ」「経産省に聞いた」大川原化工機の外為法冤罪のそれからの民事国家賠償を傍聴しました

2023年06月30日 21時39分08秒 | 経済
[写真]大川原化工機冤罪の国家賠償の民事裁判を傍聴した筆者・宮崎信行、きょう、東京・霞が関の東京地方裁判所前で。

 国際約束「オーストラリア・グループ」の国内実施法「外為法・輸出管理令」による化学機械輸出リスト規制に違反したとして警視庁公安部に逮捕・起訴されながら、冤罪だと分かり起訴取り消しとなった、大川原化工機について、1年間の拘留などの損害に対する国家賠償請求に対する民事裁判で、警視庁公安部外事1課刑事が事件は「捏造だ」と証言しました。

経済産業省の法令解釈誤り確実に「13回のメモ」局長公開拒否、大川原化工機332日冤罪事件警察庁刑事局長「警察は解釈しない」 - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

 国賠の事件番号は「令和3年(ワ)第23302号」で、原告は大川原化工機株式会社、大川原正明さん、島田さん、相嶋姓3氏の1法人・5個人。被告は、警視庁を所管する東京都と国となっています。

 きょう令和5年2023年6月30日は弁論証人尋問が6時間ほど開かれました。筆者・宮崎信行は午後の2時間傍聴しました。抽選券は出ていませんが、法廷の入口で入場整理券が配られました。

 報道によると、午前の部で、高田弁護士の「輸出規制に関する経済産業省の基準が明確でなかったことに乗じて事件をでっち上げたのでは」との問いに公安部刑事は「ねつ造かもしれない」と答えました。

 午後の部に登場した、警視庁の元公安部外事1課の警部(愛宕署に異動)の証人尋問では、警視庁が経産省から同じリスト規制は過去に1社しかないと照会した、と証言しました。警視庁から経産省への「調査関係事項照会」のために調書を作成して示したところ、経産省から「もう少し幅広に裏付けをやってみてはどうですか」と言われたとしました。

 また、原告が「経産省の課長補佐との2月8日の打ち合わせで、経産省側が態度が変わったか」と質問したところ、「急に経産省が変わったということはない」と証言し、経産省側の対応も平たんだったことをうかがわせました。

 警視庁内でもあいさつしないと言われる、警視庁公安部外事1課の刑事たちは、理詰めに弱い印象がある男性たちでした。

 証人尋問は来週も続き、警視庁だけでなく経産省貿易管理部職員も呼ばれます。判決は年内ではないかとみられます。裁判長が国と東京都に対して違った判決が出ることもありえそうです。

 以上です。

経済的徴兵制法案で立憲・泉健太代表「それを選択せざる得ない状況望ましくない」「自衛隊は人員面で無理をしている」

2023年06月30日 19時16分29秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]泉健太・立憲民主党代表、きょう2023年6月30日、衆議院第二議員会館で、宮崎信行撮影。

 経済的徴兵制ともいえる一般大学文理系1年生からの毎月の奨学金を防衛省・自衛隊が来年度にも導入するとの観測が浮上したことについて、立憲民主党の泉健太代表はきょうの定例記者会見で、「お金の面からですね、それを選択せざるを得ないという環境が生まれて、他の奨学金制度などに比べて突出したものになってしまうと、別の意味が出てきてしまうのではないか」と語り「チェックしていきたい」と語りました。

 日経新聞の報道では、来年2024年1月召集の通常国会に自衛隊法改正案を提出する見通し。

 泉さんは経済的徴兵制については「アメリカにもちょっと違う文脈で、経済環境が厳しい所得層の若者に声をかけるしくみはある」とし「研究をしたい学生に対して、自衛隊員を確保するための優遇制度がある」「全部悪いというわけではないんです」とし、防衛大学校などの現行制度を支持しました。

 そのうえで、「5年で43兆円というふうに防衛費を急増させていくときに、人員について計画が組めて、現実的なものなのか」「人員の募集について無理をし始めているのじゃないかということもある」とし、募集の困難さが増していると指摘しました。イージスアショアなど装備面の充実で対応できるこ
ともあると付け加えました。

 「17歳の選択」を迫られるかもしれないとの筆者(質疑者)の指摘に対して、泉代表は「立憲民主党は大学教育の無償化や、奨学金の給付型を言っている」とし、「学生の夢を叶える。将来のなりたいものを実現させていくためのものであってほしい」と語り、こども政策を含めた総合的な対応をしていくと強調しました。


 以上です。

[訃報][マスコミ全体]山崎正元アナウンサー逝去「テレビ朝日の大相撲ダイジェスト」

2023年06月30日 09時19分19秒 | マスコミ批評
[写真]テレビ朝日本社スタジオ前に立つ当ニュースサイトの筆者・宮崎信行、今春。

 テレビ朝日の「大相撲ダイジェスト」で有名だったアナウンサー、山崎正さんが25日に亡くなったそうです。79歳。

 ご冥福を、後輩として心からお祈り申し上げます。

 と言いますのも、お会いしたことはありませんが、山崎さんは日本大学第二高等学校の私・宮崎信行のちょうど30年先輩となります。

 マスコミと言っても、かなりの畑違いですが、大相撲と国会という安定したコンテンツを、開催中、コンスタントに伝え続けてこられたので、伝える仕事を長年コンスタントにやっていくうえで、素晴らしい存在だったと考えます。

 ことしは、私の学年が11月の同窓会総会の幹事学年(コロナでずれました)で、実行委員として準備しています。ちょうどきょうは、先生の思い出の原稿と、在学時代の写真の第一次締め切りで、もうできているんですが、最終仕上げをして送信する日なので、ちょうどその日の訃報となりました。


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-20230630-0043



 元テレビ朝日アナウンサーで「大相撲ダイジェスト」の司会を長年担当した山崎正(やまざき・ただし)さんが25日午後6時52分、肺炎による呼吸不全のため死去した。79歳。東京都出身。

 山崎さんの家族によると、2019年1月に小脳の出血で入院。自力歩行が困難な状態になった。24時間体制で看護を受けられる施設で暮らしていたが、今年1月に新型コロナウイルスに感染。後遺症により免疫力や体力が低下し、ほぼ寝たきりの状態になっていた。

 日大経済学部卒業後、66年に仙台放送にアナウンサーとして入社。中京テレビを経て、73年に日本教育テレビ(現テレビ朝日)に29歳で中途入社した。落ち着いた語り口が持ち味で、大相撲、プロレス、マラソン、五輪、競馬など幅広い分野のスポーツ実況やニュース番組で活躍した。