宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

衆参予算委で裏金で松野博一官房長官ら追及かわされるも与党内でも辞任説、枝野幸男「キックバックは民主もあったが規正法で正しく報告」

2023年12月08日 16時52分23秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]松野博一官房長官、おととし2021年11月26日、参議院内で、宮崎信行撮影。

 松野博一官房長官が内閣記者会が申し入れた「安倍派事務総長経験者」としての記者会見答弁を拒んだためか、きょうの朝日新聞1面トップは「松野・裏金5年で1000万円」という趣旨の大々的報道となりました。

 会期は来週水曜日まで。東京地検特捜部への期待が高まっており、与党は延長できないという珍しい日程感となった第212回臨時国会。
 衆参の予算委員会集中審議がありました。来週は月曜日に参・本会議で決算承認案審議で、衆の委員会も調整がされました。

【衆議院予算委員会 きょう令和5年2023年12月8日(金)】
 「内外の諸課題」の集中審議3時間コース、小野寺五典委員長。
 まず、松野、西村康稔両大臣を「参考人」として呼びたいとする野党の提案で理事会が十数分前後遅れました。「要求大臣」として出席することになりました。

 枝野幸男さんを皮切りに追求しましたが、決定的な答弁は出ませんでした。

 枝野さんは次のように語りました。「パーティー券の売り上げについてですね、いわゆるキックバックということがよくあります。これ別に自民党だけではないしキックバックそのものを否定するものではありません。ノルマを超えた売り上げがあったと。そうした場合にきちっとノルマを超えた分を計上してパーティーの収入として計上する。そしてノルマ超えた頑張って売ったんだから、その一部または全部をですね、何らかの名目で事実上、売った人に戻す。その戻した資金の移動もちゃんと政治資金収支報告書に載せるこれであるならば、これは我々もかつての政党ではそうしたパーティーありましたし、いいことかどうか褒められたことかどうかは別として、違法なものではありません。しかし今、問題になっているのは、パーティー券を売り上げたのに、その売り上げをパーティーの収支として報告しない。どうせノルマを超えて売った分は、キックバックしてもらえるんだから、だから報告もしない」ことが問題だとしました。
 立憲民主党の前身政党でも、ごく一部の組織が強い都道府県連が母体として主催する政治資金パーティーでは、まず道連が労組道本部に売り、それ以外の会社は、議員らが個別に売り、販売額の7割程度を戻すというようなやりかたがあります。このやり方は、おそらく47都道府県選出の国会議員でも知らない人の方が多いと思います。この「7割戻し」「改選参院議員は10割返し」が政治資金収支報告書でどういう表現がされているかは確認したことはありませんが、枝野さんが先手を打ってブーメランを回避した行動と思われます。

 維新の馬場伸幸さんは、今日の審議で党首の出番は自分だけだとし、身を切る改革にしないことで、来週内閣不信任決議案を出すかまえを見せました。

 2012年12月初当選の馬場さんは、「2012年11月14日の党首討論、私もあれ何度も動画見ています」「歴史的な出来事だった」としつつ「身を切る改革やらなければならないでしょう。そのときの約束というのはもうなくなってしまっているんでしょうか」と問いました。

 首相は盟友の安倍晋三・野党総裁(当時)の顔を思い返しながら「こうした思いは決して終わったものではないと思います。引き続きこうした議員定数を初め政治のあり方については議論を続けていかなければならない」と語りました。

 馬場さんは「さきほどから派閥のパーティーの話もあります」とし「維新派派閥がなく、全員が馬場派だ」とし、自民党の派閥解散を求めました。
 馬場さんは「私のもとにも多くの声が届いているのは、いわゆる旧文通費の問題です。おさらいすると、2年前に我が党の1回生議員(小野泰輔さん)が、当選して1日で1ヶ月分の100万円の文通費をいただいたことから、かねて問題が指摘をされていましたが、世論がこの文通費おかしいんじゃないかという議論に火がついたわけであります。このときに、私たちが大きな問題だということで、具体的に3つの改善点を議論をさせていただきました」と話ししました。
 馬場さんは(1)日割り支給(2)使途公開(3)国庫返納ーーをしようとしたが、日割り支給しか法律になっていないと指摘。パネルに「放置」と書いたが、理事会で「議論進展せず」に書き直されたと暴露しました。

 馬場さんは「喉元すぎればなんとやらで消えていくのではないかと思っておられる方もいらっしゃるのかもわかりませんが、これ絶対に消えませんから。こういったこともですね、総裁として、幹事長や国対委員長に強い指示を出していただきたい」と語り、この場で答弁すれば不信任案に同調しないとの考えを示しましたが、色よい答弁はありませんでした。

【参議院予算委員会】
 「内外の諸課題」、末松信介委員長。集中審議ですから往復方式で時間がカウントされました。
 自民党の山下雄平さんは「自民党議員だが、派閥の問題から質問したい」としつつ「自民党全体が滅茶苦茶なことをしているのではないかとの疑惑の目が向けられている」との指摘にとどまりました。

●参・文教科学委員会はきょう理事懇談会を開催せず、きょう昼の時点で、次回の開催は未決定。

 以上です。
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【速報】参議院自民党が「国立大学法人法改正案」強行採決の地ならしか「朝9時開会」きわめて異例の日程、来週火曜日(12/12)の連合審査会

2023年12月08日 15時45分40秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
 参議院自民党が「国立大学法人法改正案」(212閣法10号)を来週火曜日(12/12)に強行採決するかまえとみられる地ならしをしました。

 きのうまでに、法務委員会と文教科学委員会は連合審査会を開くことにしています。法務委の「統一教会など宗教法人の財産管理処分の特例法案」(212衆法10号衆議院修正)が議題です。

 この連合審査会が、12月12日(火)朝9時から3時間コースで質疑することが決まりました。

 参の本会議・委員会は、午前10時から始まります。朝9時から始まるのは、予算委員会・決算委員会の基本的質疑1・2日目と集中審議だけです。

 連合審査会を異例の「朝9時」にしたことは、同日午後の審議時間を確保するためとみられます。このうち「212衆法10号衆議院修正」は自公立維国共が賛成して参に送られてきており、粛々と13日に成立すると考えられます。文教科学委員会の「国立大学法人法改正案」(212閣法10号)は立共令が反対しています。野党の質問がゼロ回のまま、会期末(13日)の前日の正午を迎えることから、蓮舫・野党筆頭理事は徹底抗戦路線をとると考えられます。同じ参議院議員である榛葉賀津也・国民民主党幹事長もきょう8日の定例記者会見で内閣不信任決議案の提出などでの連携を否定しない考えを示しました。

 今回は、13日に閉会して、14日から東京地検特捜部が安倍派・二階派のパー券裏金問題を捜査することが、自民傍流を含んだ与野党・世論の相場となっており、衆議院与党は会期延長ができないことが確実視される、異例の構図となっています。

以上です。
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