[写真]全国都道府県議長会が入るビル、先月、宮崎信行撮影。
国と自治体を対等の関係にとどめながら、「国の指示権」を包括委任する規定を日本で初めて加える「地方自治法改正案」(213閣法 号)が令和6年2024年1月召集の第213回通常国会に提出されることがあきらかになりました。
きのう、第33次地方制度調査会がまとめた報告書。現状を「事務処理の違法等の是正のため」に指示できるが、個別法に規定がなければ、合法の事務処理では指示できないと整理。そのうえで「国が地方公共団体に対し、地方自治法の規定を直接の根拠として、必要な指示を行うべきだ」と強い表現で提言しました。
国と自治体を対等の関係にとどめながら、「国の指示権」を包括委任する規定を日本で初めて加える「地方自治法改正案」(213閣法 号)が令和6年2024年1月召集の第213回通常国会に提出されることがあきらかになりました。
きのう、第33次地方制度調査会がまとめた報告書。現状を「事務処理の違法等の是正のため」に指示できるが、個別法に規定がなければ、合法の事務処理では指示できないと整理。そのうえで「国が地方公共団体に対し、地方自治法の規定を直接の根拠として、必要な指示を行うべきだ」と強い表現で提言しました。
一括法施行後の現行法にも、次のような「指示」規定があります。
漁業法(昭和24年法律第267号)
(農林水産大臣の指示)
第66条 農林水産大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、都道府県知事に対し、海区漁場計画を変更すべき旨の指示その他海区漁場計画に関して必要な指示をすることができる。
感染症法(平成10年114号)
第14章 雑則
(厚生労働大臣の指示)
第63条の2 厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、この法律(第8章を除く。次項において同じ。)又はこの法律に基づく政令の規定により都道府県知事が行う事務に関し必要な指示をすることができる。
法文が「命令」でなく「指示」なのは、国と自治体が対等な関係だからです。国と自治体が対等な関係のままにしつつ、国の指示権を一律で包括的に定めた法改正となり、2000年以降の地方自治制度の歴史的転換となりそうです。
2014年の閣議決定による解釈の変更以来の日本国憲法のなし崩し改憲の流れが続きそう。
第32次地制調は法改正がなかったものの、第33次は中間報告でことし4月に改正され「議会の権限の適切な行使に資するため、普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない」といった前向きな条文を追加しました。国会審議は、当時は第20回統一地方選のさいちゅうで、衆・委員会はわずか3時間審議1巡目で採決され、全国からの意見はなかったようです。
「飴と鞭」のプログラムで、法案が出てきますが、今の衆参の議会構成では抵抗は限定的となりそうです。
以上です。
漁業法(昭和24年法律第267号)
(農林水産大臣の指示)
第66条 農林水産大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、都道府県知事に対し、海区漁場計画を変更すべき旨の指示その他海区漁場計画に関して必要な指示をすることができる。
感染症法(平成10年114号)
第14章 雑則
(厚生労働大臣の指示)
第63条の2 厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、この法律(第8章を除く。次項において同じ。)又はこの法律に基づく政令の規定により都道府県知事が行う事務に関し必要な指示をすることができる。
法文が「命令」でなく「指示」なのは、国と自治体が対等な関係だからです。国と自治体が対等な関係のままにしつつ、国の指示権を一律で包括的に定めた法改正となり、2000年以降の地方自治制度の歴史的転換となりそうです。
2014年の閣議決定による解釈の変更以来の日本国憲法のなし崩し改憲の流れが続きそう。
第32次地制調は法改正がなかったものの、第33次は中間報告でことし4月に改正され「議会の権限の適切な行使に資するため、普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない」といった前向きな条文を追加しました。国会審議は、当時は第20回統一地方選のさいちゅうで、衆・委員会はわずか3時間審議1巡目で採決され、全国からの意見はなかったようです。
「飴と鞭」のプログラムで、法案が出てきますが、今の衆参の議会構成では抵抗は限定的となりそうです。
以上です。