【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【大縄跳びの内側から】60代シニア男性は選挙陣営にどうやってデビューするかという問題

2024年01月06日 20時10分01秒 | 大縄跳びの内側から
 青空の下の選挙戦で、足並みをそろえて陣営スタッフ・ボランティアが大縄跳びをしているのに、外部者に入るなと目で威嚇しているようだとのたとえに賛同。それでもすべての人に居場所と出番がある選挙を指南するこのカテゴリー。

 今回は、長年の懸念とされる「企業を勤め上げた60代シニア男性はどうやって陣営にデビューするか」をテーマに書きます。

 前回衆院選で枝野立憲は急失速で誰も想像していなかった議席減・敗北となりました。私は12日間の選挙戦の序盤、2日目に、とてもショックを受ける場面に出くわしました。岡田克也さんが「私も衆議院議員候補です」と言いながら、応援弁士で登場。並々ならぬ決意で久しぶりの小選挙区勝ち上がりを目指す候補者は、定番のやり方「青空集会」を開きました。1人目の男性がマイクを持ち、「選挙が終わったら岡田さんが党代表になり、候補者を幹事長にしてほしい」と発言。岡田さんはとっさに「逆はあっても、それはありえない」とかわしました。

 私は大ショックでした。北海道東北部から沖縄4区まで「小選挙区で勝って、次の次に枝野を総理にしよう」という一つの目標だけが貫かれているとの世界線を持っていたからです。改めて録音データを聞くと、経済圏が重なる隣の選挙区が国民民主党公認なので、「大きな塊論」(新立憲と新国民の合併)をすすめてほしいということが本旨だったようです。典型的な自説ご開陳型シニア男性です。



 ずっと以前から60代シニア男性が選挙事務所で「俺が悪かったんだ」とつぶやくさまを見てきました。理屈は企業で働き詰めで退職したら女性や子供を中心に日本の社会・経済・行政が悪い。その原因は自分が政治に無関心だったからという思い。が、その人は自分は頭が良いという認知が前提の発言であり、その人が政治にかかわっていたらもっと悪い現在だったかもしれません。

 選挙事務所は対等です。公示日・告示日の午前11時過ぎなら、証紙のシールのシート1枚分が終わった順に昼食をとるのが、小規模・短期企業の秩序です。なんらかのきっかけで自分は偉いんだという態度・言動をとる「会社の中間管理職時代の日常」であるトーンポリシングはご法度です。

 現職国会議員と話していて結論が一致するのは、地域の夏祭りで都会でも田舎でも、61歳から69歳のシニア男性は「力仕事要員」。選挙陣営も同様です。


 シニア男性は「幟台」(のぼりだい)の設置で率先してはいかがでしょうか。駅頭活動・辻立ちで、選挙カーが到着し次第、資材を路上におろす。まず、おそろいのジャンパーを着て、その会場でチラシ配り(選挙運動)までするなら運動員腕章をつける。ジャンパー・声出しだけなら腕章がいらない場合もありますが足りない場合を除いて公示後は腕章をつけます。

 そして、政党・政治団体のスローガンが書かれた幟と台を担いで、見栄えが良い位置に設置する。幟台の礎部分は水を入れて重く安定させる仕組みになっています。2リットルペットボトルなどで水を入れて安定させる。映画好きがご自慢なら、候補者を正面に見た全体の視覚的な配置にもこだわれるでしょう。

 自分は立派な人間だと内心で認知するなら、おそろいのジャンパー・腕章で力仕事をし候補者とシンクロして頭を下げる。自説開陳でなく手足を動かすことで、選挙管理委員会確定の数字で「社会とつながっている感」を得られます。

 以上です。