【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

能登半島地震の閉会中審査で今年の国会がフライングスタート前日に示し合わせた立・維・国「生活再建支援法600万円へ倍増」一斉要求作戦は国民(7議席)が最も前のめり

2024年01月24日 17時28分44秒 | 閉会中審査
[写真]誰でも入れる衆議院前庭から見る国土交通省・海上保安庁、3年前の4月、宮崎信行撮影。

 変則的な日程で、能登半島地震等に関する集中審議が閉会中審査で開催。あさっての第213回通常国会召集日は、天皇陛下の開会式と、院の構成だけ。週明け月曜日も衆参予算委の政治とカネの集中審議。火曜日に政府4演説、水曜から金曜日に代表質問となります。

 玉木雄一郎代表の「国民民主党」がわずか7議席となってしまいました。

 きのう昼前に初めて浮上した、立・維・国3党政調の「被災者生活再建支援法の600万円への倍増法案」スキームがいきなり発動で、泉健太代表ら3党が同時に首相に迫りました。国民民主党が最も前のめりに総理に求め、共産議員も額は明示せずバスに乗り遅れまいとの姿勢を見せました。

【衆参議院運営委員会 きょう令和6年2024年1月24日(水)】
 あさっての召集に向けて、衆参とも理事会が開かれました。衆は委員会、小委員会も開催されました。

【衆議院予算委員会 同日】
 「能登半島地震等に関する集中審議」2時間半コース。すべての党がこの問題に絞って質問しました。
 前日の宏池会解散総会の議事をとったばかりの小野寺五典委員長は冒頭「この際、委員会を代表して一言申し上げます。このたびの令和6年能登半島地震およびその被災地の救援活動に向かう途中の航空機事故により、尊い命を落とされた方々とそのご遺族に対しまして、つつしんで哀悼の意を表します。また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。これより犠牲となられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷を捧げたいと存じます。全員ご起立をお願いいたします。黙祷。黙祷を終わります。ご着席ください」と語りました。

 泉健太代表は生活再建でこれまで「300万円から500万円の引き上げ」とスピーチしていましたが、きのうの3党了解で「600万円に倍増」「建設資材単価は高騰した」とはたらきかけました。首相は「被災者生活支援金についてですが、被災地で住宅を再建される被災者への経済的支援のあり方については、被災地のニーズ、実情、現下の経済情勢を踏まえ効果的な対応をしなければならない」「追加的な支援、政府としても総合的に検討したい」「問題意識については共有し、具体的な対応を政府として至急取りまとめさせたい」と述べました。泉さんは「額の引き上げについて問題意識を共有していただいているという認識だ」と話し、閣法に期待しつつ、3党の議法作成もすすめるとしました。

 一方、国民民主党の田中健さんはのっけから「それでは、私からは被災者の生活再建支援法についてまずお聞きをいたします。これまでの質疑の中で、立憲民主党さんとまた日本維新の会さんとですね、私達も共同提案を予定をしています」と3党スキームの質問から入りました。

 近藤和也さんは「石川県では58漁港で被害がありました。船舶が使えていません。漁に出られない状況です。漁業者への休業補償が必要であると考えますが、いかがですか。そして、被災農家支援であります。農地が復旧しても、ハウスや農業用施設、農機具の被害が回復できなければ、営農再開はできません。過去の大規模災害では、基本的に農家負担なしの支援策が打ち出されました。これを行うべきではないでしょうか」と話しました。

【参議院予算委員会 同日】
 末松信介委員長(安倍派)が一身上の理由で辞任した、と中西祐介委員長代行(麻生派)が議事をとりました。

 立憲のNC内閣府防災相の杉尾秀哉さんは、東日本大震災の菅直人首相・北澤俊美防衛相と比べてヘリの視察が遅くて少ないと追及しました。

 公明党の塩田博昭さんは「21日には山口代表とともに輪島市、穴水町、内灘町に入ったが、必要な叫びの声を現場の中で数多く聞きました」「今なお450の避難所に1万5000人が避難生活を余儀なくされている。この3週間に、一度もお風呂に入っていない。そういう方もいらっしゃいました。また下着の替えが今もないんですと。こういう方もいらっしゃいます。また、ブルーシートが欲しくてもらいに行ったんだけども、何か言っても実は私はもらえなかった。こういう方も実は今もいらっしゃいます」との切羽詰まった実情を明かしました。

 れいわ新選組の山本太郎代表も質問しました。

●裏金委員長辞任は立・維・共・国4党国対で協議会
【野党国会対策委員長会談 同日】
 上述の「被災者生活支援法」は立・維・国政調会長ですが、立・維・共・国の国対委員長が協議会を設け、自民党の裏金(政治資金収支報告書の収入の記載漏れ)議員の委員長辞任を求めていくことで一致して通常国会にのぞむことになりました。久しぶりに、4党国対委員長が並んで「第四控室」(立憲割り当て)で記者会見しました。

【裁判官弾劾裁判所 同日】
 岡口基一氏の意見を聞くために開かれました。

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