【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

池田佳隆容疑者と会計責任者(政策担当秘書)が逮捕さる、特捜部、119人「魔の4回生」は7人不倫→3人逮捕(5人刑事)

2024年01月07日 20時27分20秒 | 自民党
 能登半島・奥能登地震の対応が批判される岸田自民党ですが、池田佳隆容疑者(4期・57歳、衆比例東海ブロック、愛知3区当選は1回)と会計責任者(政策担当秘書)が逮捕されました。安倍派裏金事件の逮捕者は初めて。

 また、インターネット情報では、池田容疑者の扶養家族は私立のX中高を経て東京の私立Y大学文系学部在学中に「ミスY」に輝いたインスタグラマー。衆議院赤坂議員宿舎に同居し扶養されていたと考えられます。

 3連休の谷間のきょう、首相は記者対応で「とりあえず、除名方針を確定いたしました 」と語りました。

 政治資金規正法の「虚偽記入」での逮捕だと思われますが、同法を改めて読むと「虚偽の訂正」も刑事罰になります。

 両容疑者は先月、県選管に指定管理団体の繰越金を、直近の定期公表分では、3300万円から9221万円へとおよそ6000万円増額で訂正するという非常になめた対応をしていました。両容疑者が一連の捜査で自らの違法性を認識していた証拠だといえると思います。

 

 定義はありませんが、いわゆる形式犯で、金額の多寡が「悪質性」になります。通常国会前の逮捕者は、参議院岐阜の現職議員までで、そこから先は広がらないかもしれません。

 東日本大震災に直面した民主党政権を、異様なまでの叩きぶりで、有権者が誕生させた119名の魔の4回生。秋の内閣改造では、一人も入閣しませんでした(村井英樹氏が官房副長官)。国会議員要覧「平成25年2月版」の別冊で一覧すると、魔の4回生は119名。そのうち、秋元司氏(参の経験あり)、秋本真利氏、池田容疑者で合計3名の逮捕者のようです。行政罰は、同じ愛知県の神田憲次さんが受けています。また、刑事訴追をきっかけに職を失したのは、石崎徹さん、武藤貴也さん、田端毅さんの3名。それ以上に目立つのは、不倫で、田端氏のほか、中川俊直氏、宮崎謙介氏夫妻、安藤裕氏らおよそ7名が報じされて認めて、6名が職を辞したり落選したりしています(中川郁子氏は現職)。

 初当選から4期連続与党で、酒池肉林からの金不足で、入閣者ゼロというような印象を持ちます。

 これを「平成21年10月版」の民主党政権交代チルドレン143名と比較すると、後藤英友議員が公選法違反ですぐに辞職した以外は、初鹿明博氏が刑事(対立政党の女性議員が被害届)となり、活動ができなくなった2名程度しか刑事はありません。

 魔の4回生119名はまず9名程度が不倫や秘書暴力でおわれ、そして、3名が政規法違反で逮捕されたことになります。しかし、秋元、秋本両氏と違い、池田容疑者は「安倍派事務局長の指示で、政治資金収支報告書への記載が必要ない政策活動費だと誤認した」という趣旨の説明をしていたとみられ、実質的に自民党に巣食う病巣は深刻になったといわざるをえません。

 筆者は愛知県国政の混乱を、前回選挙前に予想していたところがあり、公示7日前の最大野党の幹事長定例記者会見で「県別で言うと愛知県は接戦区が多い現状認識ではないかと思うがいかがか 」と問い、近畿ブロックの次に、愛知は厳しい情勢だという趣旨の答弁を受けています。その直後に、「0・6兆円の輸出戻し税」の恩恵を受けるトヨタ自動車の豊田社長(当時)が自民党にこびる大事件が発生。全15区(現在は全16区)のうち「1065票差での自民勝利」も含めて、自民党優位な態勢になり、混沌としているように見えます。

 以上です。