【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【全文つき】立憲、横綱相撲へ、パー券完全禁止、長年の課題の政規法「選任して及び監督する」を「又は」へ

2024年01月26日 19時58分21秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
 すべて最も厳しい案になりました。

 こちらの有名な写真(岡田かつや後援会提供)は1993年6月15日、自民党本部内の臨時総務会開催を阻止しようとする岡田克也さんで、ニュースで唐突に放送されると視聴者が「バグ」を覚える姿です。私は北澤俊美参議院議員及び羽田孜衆議院議員と同じ派閥の議員という認識だった岡田さんがこのとき立ち上がったことに「ウルトラマン」のように感じた意識高い系の政治少年で、それから31年間、一度も転機がなかった、要するに自分の生活のために自分の金回りを抜本的に見直す必要が前半生で一度もなかったため、畢竟、ずっと同じところにいます。90年代で最も有名ロックバンドのアルバム曲の「きっと君の背中にはウルトラマンのようにファスナーがついている」という趣旨の歌詞を聞くと岡田さんを今でもほうふつとしています。

 当時と違った印象となった後ろの岩屋毅・自民党議員はお世話になったと思われる麻生太郎派をきょう退会したと報じられましたが、どうしたんでしょうか。

 政治改革国会初日に、立憲民主党の考え方が完全にまとまりました。

 火曜日の記事で、金曜日にまとまる見通しだと報じましたが、その通りになりました。今週は的中連発で、筆者の最大の得意科目「政治とカネ」でしっかりと書いていこうと思います。

 立憲民主党は第213回通常国会召集日のきょう(2024年1月26日)党本部で全議員を対象にした「政治改革実行本部」第3回総会を開き、役員案の了承を得ました。この後の、次の内閣でもすぐに決定。岡田克也幹事長・長妻昭政調会長が、朝の時点では予定になかった記者会見を開き、発表しました。今後、他の野党、自民党、公明党にも実現を求めることになります。

 きょうの最終とりまとめ文書の全文です。

本気の政治改革実現に向けて 政治とカネの問題に対する立憲民主党の考え方

2024年1月26日


本気の政治改革実現に向けて
政治とカネの問題に対する立憲民主党の考え方
立憲民主党


 自民党派閥の裏金問題は、国民の政治に対する信頼を根本から失わせる深刻な事態を招いている。信頼関係回復のために、まず重要なことは、裏金を受け取りながら、今回立件に至らなかった政治家や派閥の幹部が、説明責任を果たすことだ。いかに法律改正・制度改革に取り組んでも、今回のように、決められた法律さえも守らず、さらに証拠隠滅まで平然と行われるようでは、何の意味もない。政治に対する信頼を取り戻すためには、まずは関係者が明確な説明責任を果たすこと及び政治責任を取ることであることを、改めて強調する。


 以上を前提とした上で、次の3つの制度改革案を提案する。これらには、今回の裏金問題だけではなく、政治とカネの問題について従来から指摘されてきた課題についての改革案も含まれている。政治・政策決定を特定の企業・団体がゆがめるような状況を是正し、国民の政治に対する信頼を取り戻すための必要最小限の改革案であり、早期の実現が必要である。


Ⅰ. 政治家本人の処罰強化


・国会議員関係政治団体の政治資金収支報告書の代表者は本人である国会議員とすることを義務付ける。


・代表者に会計責任者と連座して責任を負わせる。


・規正法25条第2項の「選任及び監督」を「選任又は監督」にする。


・収支報告書不記載の政治資金に対して政治資金隠匿罪を新設する。


Ⅱ. 政治資金の透明性の確保


1.政治資金収支報告書のデジタル化など


・すべての国会議員関係政治団体の政治資金収支報告書を検索可能な形でデジタル化し、オンラインで提出することを義務付ける。政党及び政策集団・派閥についても同様とする。


・総務省、都道府県選管に対し、政治資金収支報告書のインターネットによる公開を義務付けるとともに、総務省においてすべての情報を横断的に検索できるようにする。


・政治資金収支報告書の保存期間及び会計帳簿等の保存期間を3年から7年に延長する。


・上記デジタル化を前提に、政治資金収支報告書の公開時期(3月提出、11月公表)を早める。


2.監査の強化


・登録政治資金監査人による外部監査を政党及び政策集団・派閥にも拡大する。


・上記監査人による監査の範囲を見直し、支出だけではなく、収入についても監査を義務付ける。


・政治資金を監督する独立の第三者機関の設置を検討する。


3.その他の資金の使途公開など


・使途不明な「政策活動費」など政党幹部への多額の渡し切りを禁止する。


・調査研究広報滞在費(旧文通費)については、使途可能な範囲を明確にするとともに、使途の公開や残余金の返還などを法律で定める。


Ⅲ. 政治資金パーティー及び企業・団体献金の禁止


・特定の企業・団体が政治・政策決定をゆがめることのないように、企業・団体の政党及び政党支部に対する寄附を禁止する。


・政治資金パーティーは企業・団体のみならず、個人が購入するものも含めて全面的に禁止する。


・個人献金を促進するため、個人が政治活動に関する寄附を行う場合の税額控除を抜本拡充する。

以上です。

近藤和也・石川3区議員ら5党で「被災者生活再建支援法改正案」提出、大臣意見は単独、連絡協議会は共産入れて

2024年01月26日 17時19分40秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]松村祥史・内閣府防災担当大臣に手交する近藤和也・石川3区議員(比例復活)と、西村ちなみ代表代行(新潟)、長妻昭政調会長、森山浩行災害・緊急事態局長、杉尾秀哉ネクスト災害相、辻元清美議員ら、きょう2024年1月26日、宮崎信行撮影。

 閉会中審査でフライングスタートした第213回通常国会ですが、きょう初日、「600万円倍増」を迫った、立憲、維新、国民と、立憲と共同会派の社民、維新と共同会派の教育無償化を実現する会の5党共同で「被災者生活再建支援法改正案」(213衆法1号)を提出しました。前国会では立、維が「衆法1号」をきそう、政策オタク国会となりましたが、今回は元日の能登半島震災でまとまりました。

 国民民主党はわずか18議席となってしまったためか「自公国トリガー協議」にのぞみつつも、古川元久国対委員長、大塚耕平政調会長、浜口誠役員室長(全トヨタ労連)ら幹部も提出の場に顔を出しました。

 裏金問題をめぐっては「連絡協議会」がつくられ、ここには穀田恵二・共産党国対委員長(今期で勇退)も入れた、立・社、維・教、国、共の4会派(6党)共同の枠組みとなりました。

 連合の芳野友子会長からの横やりがあったため、立共のスキームの新設は、おととしの「国葬野党国対合同ヒアリング」が最後で、現在も残るのは「統一教会野党国対合同ヒアリング」のみとなっています。2年ぶりに共産党も入るスキームができたのは、20年間国対委員長をつとめた穀田さんに有終の美をもたらしたいとの思惑もありそうです。

 写真の松村祥史内閣府防災大臣への手交では、岸田首相の輪島市の訪問にも超党派で同席しつつも「首相動静」報道ではなぜか漏れた近藤和也さんが、政調会長らにうながされて話しました。今回の第2次要望(第1次は今月5日の6与野党党首会談で仮説健太代表提出分)では戸建てを失った人が多く、カネの支援が大事だと強調。「213衆法1号」の提出について、大臣の感想はありませんでしたが、輪島視察ではお世話になったと大臣から感謝の念が伝えられました。

[動画]松村大臣に第2次要望を手交する近藤和也さんら、きょう、宮崎信行撮影。

[動画]手交後のぶら下がり、きょう、宮崎信行撮影。

 2009年初当選議員の3回生では、立憲民主党災害・緊急事態局で、森山浩行局長、近藤和也局長筆頭代理でコンビを組みました。圧倒的なスターであった玉木雄一郎さんは国民民主党代表の地位は盤石ですが、議席が18議席になってしまったため、大臣に直接手交するかたちでの政策実現の力は変化することになります。

 自公国トリガー、立維国の被災者生活再建、立維共国の裏金「連絡協議会」といった政党間スキームの陣立てで第213回国会は始まりました。

 れいわ、参政党は有力新人の擁立が難しく、みんなでつくる党は内紛で政党交付金が当分もらえない見通しとなっています。

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玉木雄一郎代表率いる「国民民主党」はわずか18議席に

2024年01月26日 16時54分03秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
[写真]玉木雄一郎・国民民主党代表、4年前の2020年、宮崎信行撮影。

 玉木雄一郎代表率いる国民民主党は、きょう2024年1月26日からの第213回通常国会で、衆議院7議席、参議院11議席のわずか18議席の政党となってしまいました。このうち衆議院では「議席占有率1・5%」となりました。また、参議院の11議席も、法案提出権(提出者1名以上と賛同者10名以上)ぎりぎりとなりました。

 以上です。

マスク陛下、裏金国会の開会式へ、あれから30年「平成6年政治改革4法」ミスター政治改革・羽田孜「普通の言葉が伝わる政治」アゲン

2024年01月26日 16時14分41秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]開会式に向かわれる、マスクをめされた天皇陛下、きょう2024年1月26日、宮崎信行撮影。

 安倍派5人衆の離党を岸田総裁・茂木幹事長が画策したら、小渕、青木両議員が茂木派を退会。波高い裏金国会は、自民党内は、政権交代前後をしのぐ流動期となりました。

 第213回通常国会はきょう召集されました。令和6年となりましたが、天皇陛下。今年もマスクを召されていて、景気回復の春は遠いかもしれないとがっかりしました。



[写真・動画]開会式からひきあげる天皇陛下、きょう2024年1月26日、宮崎信行撮影。

 ちょうど30年前の今頃が平成6年政治改革4法の政治合意が実現しました。東京生まれの信州人・羽田孜さんが最も輝いていた時期です。それ以来の政治改革国会となります。改正公選法の衆議院小選挙区比例代表並立制について、たびたび意見したり「政治家が小粒になった」と語ったりする人はいますが、集団署名の意見広告などは見たことがないほどびくともせず健在です。参議院改革協議会による非拘束名簿式・特定枠・合区のせいで、政治を語りにくい日本社会となりました。平成6年政党助成法及び改正政規法の宿題だった「その見返りとして、個人・企業・団体献金を禁止するか、しないか」は平成11年改正法で「政党支部ならオッケー」という生煮えのまま今日まで来ました。この経緯をしっかりとふまえて、令和6年改正法に期待したいところです。

 羽田孜さんは、「普通の言葉が通じる政治」をとなえました。歳費・旧文通費・衛視の敬礼がない筆者には、政治の分かりやすい説明責任などありません。この150日間、講演・出演・執筆依頼はお断りします。しかし、当ブログの語りまわしの最大の設定である「羽田孜の弟子として政治改革を実現する岡田克也」というややむりのある配役も、流れ流れていまだに有効。岡田さんにとっては野党でのぞむ政治改革国会ですが、岡田さんの周りの議員は「普通の言葉が通じる政治」という羽田孜の言葉があったことを知っていただきたいものです。

【参議院本会議 きょう令和6年2024年1月26日(金)】
 極めて異例。第1ラウンド数分だけで散会しました。

 裏金問題の安倍派の大野泰正・内閣委員長が辞任しました。安倍さんと親戚の無派閥の阿達雅志さんが内閣委員長になりました。裏金とは一切関係なく、石井準一・議院運営委員長が異例の辞任をし、浅尾慶一郎さんがあとをつぎました。

 参議院自民党は関口昌一会長、松山政司幹事長、石井準一を国対委員長となりました。

 黙禱では、尾辻秀久議長が「厳寒の中で被災生活をされている多くの方々にお見舞いを申し上げた」うえで、犠牲者に黙祷しました。この「厳寒の中で」の表現は衆議院側にはなく、尾辻さんの加筆と思われます。

【参議院特別委員会 同日】
 倫理選挙は、豊田俊郎特別委員長が互選されました。

【衆議院本会議 同日】
 額賀福志郎議長が、能登半島大震災の犠牲者に黙祷を促しました。なお、予算委員会の閉会中審査にあった羽田空港で殉職した海上保安庁職員への黙祷は含まれませんでした。
 この後、安倍派委員長の交代に加えて、小川淳也決算行政監視委員長、中川正春懲罰委員長が選挙されました。
 弔詞は、山本公一さん、保利耕輔さんの2人。このうち保利さんは羽田孜さんとそっくりさんとして知られましたし、1998年民主党結党時の自民党国対委員長として民主党結党・会派結成の手続きに配慮が温かかった一面も知られています。

【衆議院特別委員会 同日】
 倫理選挙は、石田真敏特別委員長が互選されました。

●週明けの予定
 月曜日も政府4演説はなされず、衆参の予算委で「政治資金問題等」集中審議が行われます。その後、火曜日に衆参本会議で政府四演説。質問通告日はもうけずに、水、木、金曜日で代表質問を行います。


[写真]開会式に向かわれる、マスクをめされた天皇陛下、きょう2024年1月26日、宮崎信行撮影。

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