藤村修・官房長官が11日午後の記者会見で、「第180通常国会は2012年1月24日(火)召集」との認識を示しました。これを受けて、「今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行」を更新しました。平成24年2012年1月24日(火)召集だと、会期末は6月21日(木)になります。
国会法1条は、通常国会の召集詔書は10日前までに官報に掲載することを定めています。1月13日(金)の定例閣議に全閣僚出席の命令が下っており、外国訪問の日程をずらした閣僚もいます。この場で、全閣僚の辞表をいったん集め、野田佳彦首相が内閣改造に踏み切ると考えられています。このときに、同時に召集詔書を閣議決定する段取りだと想定されます。解散含みの大事な通常国会を迎えるうえで、いい緊張感を持った日程感だと考えます。
年明けにいろいろな所感を聞くと、大変に経済は厳しい状況にあります。私としても、数え6年目を迎えるこのブログの運営に関して、なかなか資金的な余裕がなくなってきて、先行きが見えない状況です。正直、そろそろ止めようかと考えていました。ただ、ここに来て、報道として「岡田副総理・行革相」という話も出てきて、もうちょっと頑張れば、新しい見場が見えてくるかも知れないと考えております。
昨年末は上記会員制ブログの購読者数が増え、国会傍聴活動へのご支援の意味合いもあると考えております。単に政治日程に関する情報提供にとどまらず、当ブログの活動資金になりますので、なんとかていねいに続けていきたいと考えております。余裕のある方はご支援いただきたく存じます。
[画像]定例官房長官記者会見の藤村修さん、2012年1月11日、政府インターネットTVからキャプチャ。
藤村修さんは、2012年1月11日(水)午後の内閣官房長官会見にのぞみました。この中で、民主党最高顧問の岡田克也さんから、週に1回か、2週に1回、アドバイスを受けているとしました。そして、「年末に、『3党協議ちゃんと進んでいる?』と聞かれました」とし、「3党合意を順に読み直すといくつか残っている案件がある」と合意したことを明かしました。
これを聞いて、「城島光力さんを国対委員長に」という報道が出ている理由が、「なるほど!」と分かりました。
8月9日の3党合意。小沢グループの罵声を浴びながら、岡田さんが最高顧問に退き、輿石東幹事長、前原誠司政調会長、平野博文国対委員長らにバトンが受け継がれました。ただ、民主党およびマスコミの解釈がおかしい点が多々ありました。たとえば、農業戸別所得補償。これについては、「12年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する」となっています。ですから、12年度当初予算の政府原案の後も、決算の数字などを使って、政策効果を検証し続けるものだと考えます。これについては、岡田側近の元農水副大臣、郡司彰さんが担当しました。しかし、参院国対委員長をやったことがある郡司さんは、やさしい性格もあり、衆院3党の激しいやりとりにはサジを投げてしまうような結果だったようです。しかし、12年度以降の検証はこれからですが、新聞では「決裂」と見出しが立ちました。
岡田さんはこれらを3党協議路線に戻そうと、総理の野田佳彦さん、官房長官の藤村修さんに言っているようです。ちなみに第2期幹事長時代は野田幹事長代理、第3期幹事長時代は藤村幹事長代理でした。
野田代表(総理)が平野博文国対委員長を更迭する方針だそうです。当然です。そしてその後任に、城島光力さん(神奈川10区)の名前が上がっています。城島さんは、岡田幹事長、玄葉光一郎政調会長、とともに3党協議に臨みました。実務者協議として、自民党の政調会長代理、鴨下一郎さん、公明党副代表の坂口力さんと8月9日の3党合意をつくりました。岡田さんが執行部から外れ、玄葉さんが外相になるので、3党合意を知っている人が党に残る必要ができ、城島さんは初入閣できずに、民主党幹事長代理ということで党に残ったのだと私は理解していました。しかし、どうも城島さんの力が生きていないような気がします。城島さんは、野田さん、藤村さん、岡田さんと同様に、新進党出身ですので、民自公3党協議にはうってつけの人材です。どうも民主党は嫉妬や妬みで人を生かせない体質のようです。
[写真]城島光力さん
[写真]岡田克也さん、昨年の党大会。
また、一部報道では、岡田さんが副総理となり、税と社会保障の一体改革担当大臣、行政改革担当大臣などを兼ねるという案が浮上しているようです。現在、税と社会保障の一体改革担当大臣と経財相を兼ねる古川元久さんが愛知2区に河村たかしさんが出馬する可能性が浮上しており、古川さんは地元に帰りたいという希望があるかもしれません。元々、名古屋市長選には連合(自治労)の顧問弁護士が立つ流れになったところを、国会議員団で最初に河村支持を打ち出して流れを変えたのは古川さんなのに、恩を仇で返された気になるでしょうが、やむを得ません。
そして、仮に岡田さんが副総理で、公務員制度改革担当大臣になった場合には、国民のみなさんにお願いがあります。全国5万人の国税庁職員が給与削減を迫られた場合、全国の国税局所属の国税査察官が意趣替えしで、上場企業である、イオン、イオン九州、イオン北海道、イオンモール、イオンディライト、イオンファンタジーなどを税務調査し、細かいどうでもいいことを、暇な地元の新聞記者にリークする嫌がらせにでるかもしれません。岡田さんはイオン株式会社の株主(12万株、時価1億円強)ですが、経営にはタッチしていません。ちなみに、「イオン」が過半数を占める筆頭株主である各社を上場させることにより、マーケットから直接資金を調達するという手法は、日本独特で、トヨタグループも同じ方法をとっています。ただ、トヨタ車体、セントラル自動車、関東自動車工業が次々と完全子会社になります。イオンは伸びているうちは、孝行息子を世に出して、資金を調達するのでしょうが、いずれは親元にかえすかもしれません。なお、所有不動産が田舎にあることもあいまってでしょうが、イオンは社債の格付けは、イトーヨーカ堂などに比べると低いようです。それはどうでもいいのですが、例えばゲームセンター経営のイオンファンタジーを調べて、例えば社長交際費で韓流芸能事務所関係者と会食があったなどという税法上問題ない話がリークされて、「イオン岡田韓流ファンタジー」などというくだらない見出しを立てる新聞、雑誌はみんなで無視しましょう。日本はもう余裕がありません。
個人的には、岡田さんには閣外から大所高所で見てほしい気がします。それと、人材育成ですね。おそらく定数削減の中に、そういう意味合いも含まれているでしょうが、小沢さんのように丸ごと面倒をみるのではなく、力のある人を選別して育てる岡田さん。年明けに感じるのは、わが国経済の失速はかなりの重症です。ある新聞が岡田さんのことを、「ことしもう59歳」と揶揄しましたが、「まだ59歳」です。この新聞社は余裕がない人が多いんです。岡田さんは、第46回衆院選に前後して、力のあるご家来衆をつくって、しっかりと次を見すえていってほしい。
◇
今年初めて、3党合意を載せますので、よく読みましょう!よく読まないとハプニング解散になっちゃうかもよ。
2011年8月9日(火)の民主党、自民党、公明党の3党合意文書。
民主、自民、公明の3党は、以下の点について確認する。
一、歳出の見直しについては、以下の通りとする。
高速道路無料化については12年度予算概算要求において計上しないこととする。
高校無償化、農業戸別所得補償の12年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する。
なお、これらを含めた歳出の見直しについて、11年度における歳出の削減を前提に、11年度第3次補正予算ならびに12年度予算の編成プロセスなどに当たり、誠実に対処することを確認する。
一、歳出の見直しと併せ、子ども手当等の見直しによる歳出の削減について、11年度補正予算において減額措置することを、特例公債を発行可能とするための法案の付則に明記する。
一、法人税減税等を含む11年度税制改正法案(その内容を一部切り出して6月22日に成立した法律にあるものを除く)については、復興のための第3次補正予算の検討と併せ、各党間で引き続き協議する。
一、東日本大震災復興基本法第8条に規定する復興債の償還財源の具体的内容や償還ルールなど、あらかじめ決めることとされているその償還の道筋については、第3次補正予算の編成までに、各党で検討を進める。
一、11年度第1次補正予算における財源措置として活用した年金臨時財源については、第3次補正予算の編成の際に、復興債で補填(ほてん)することとし、そのための財源確保策と併せて、各党で検討
する。
一、以上を踏まえて、特例公債を発行可能とするための法案について速やかに成立させることとする。
以上、確認する。
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日本の新しい地平が見えてきました。
消費増税準備法案(第180通常国会の3月に閣法で提出予定)。
民主党代表で首相の野田佳彦さんは2012年1月5日(木)、「野党の皆さんには、2012年はより一層、政局よりも大局に立っての決断をお願いしたい。そうすれば必ずや困難を乗り越え、日本の政治は前進できる」としました。党幹事長代理の城島光力さんは、「(第46回衆院選後の与党が)民主党であれ自民党であれ、新しい政権が最終決定権を持つ」と語りました。
消費増税準備法案は、衆院財務金融委員会(海江田万里委員長)に付託されます。平成24年度の特例公債法案(第180国会に閣法で提出予定)とあわせて、政権の命運を左右する筆頭理事。与党側は、寺田学さん、野党側は山本幸三さんということになりそうです。
寺田学(てらた・まなぶ)さんは秋田1区(秋田市)選出の当選3回生です。元々寺田家は同じ県とはいえ、横手市の名門。前知事の息子とはいえ、寺田さんは世襲議員ではありません。
その寺田さんが4日付朝日の1面「カオスの深淵 壊れる民主主義」の第3回でインタビューに答えています。
[朝日新聞「カオスの深淵」第3回から引用はじめ]
民主党は前と次の総選挙に呪縛されて動けない。マニフェストにない消費増税に選挙に弱い民主党議員は抵抗し、参院で多数を握る野党は衆院解散を求める。菅政権は党内の反発と野党の攻勢が結びつき、命脈が尽きた。野田政権も同じ道を歩むのだろうか。
菅政権の首相補佐官だった寺田学衆院議員(35)は「民主党は集団討議をまとめるルールが根付いていないから厳しい」とこぼし、視線を下野後に移す。
「民主党が野党時代に最初に仕掛けたから、自民党がやり返す。どっちが先に水に流すかでしょう。次に民主党が下野してどんなルールをつくるか。そのときは真摯で前向きな野党をやりたい」
鳩山由紀夫氏、菅直人氏、小沢一郎氏ら、1990年代以降の政界再編や政権交代を主導した立役者の時代は終わった。バトンを継ぐ新世代の政治家たちは、別の地平を見始めている。
[引用おわり]
寺田さんは野党時代、総務委員会の理事を務めていました。総務委は地方税法改正案、地方交付税の総額を定める法案など、予算関連法案(日切れ法案)を扱う、前半国会では予算委、財金委につぐ重要な委員会です。野党時代の寺田さんは、衆院本会議散会後に、身長がおそらく187センチの大きな体躯で与党・自民党理事を追いかけて、委員会の設定の打ち合わせをしました。逆のパターンはまだあります。与党理事が野党理事を追いかけて、野党理事に逃げられ、審議拒否。しかし、寺田さんは責任感が強いようで、与党理事を追いかけていました。
今回の寺田さんの財金委筆頭理事起用には、いくら前総理補佐官とは、3回生だと、与党に居留守を使われるのではないかと懸念する向きが、他の重要委員会の筆頭理事周辺になくはありませんでした。しかし、第179臨時国会で、第3次補正予算関連法案に、3党協議にもとづく衆院段階での修正を加える姿に信頼感が大きく増しています。
財金委には、消費増税準備法案より前に、平成24年度の特例公債法案が付託されます。まずはこれをどうするか。一般質疑を含めて、まずは審議時間をしっかりと積み重ねていかないと、党幹部間で話し合いがあっても、現場で通せないことになりかねません。
寺田さんの名前は6日付朝日の3面にも登場します。昨年来ブログ界でも話題をよんでいる「プロメテウスの罠」の官邸5日間の第4回」です。ここでは、総理補佐官(当時)の寺田さんの回想が載っています。3月14日の午後8時過ぎ、官邸5階の官房長官執務室に行くと、海江田万里経産相の秘書官が、「東電からお電話です」。経産相が「もういいよ、それは。断った話だから」。寺田さんが「何の話ですか?」「東京電力が原発から撤退したいと言っているんだ」。寺田さんが「大臣、そんな大事な電話ならちゃんと断った方がいいんじゃないですか」と差し向けると、海江田氏が東電社長に「残っていただきたい」と言ったそうです。
海江田さんは団塊の世代で選挙が弱くどうしても八方美人的性格で、ハッキリと断ることができなかったのでしょう。この半年後、彼は小沢一郎氏の誘いに乗り、民主党代表選に出馬するという過ちを犯します。
その海江田さんは衆院財務金融委員長ですから、今国会では、野党議員にスーツを破られ、泣きじゃくりながら、強行採決で衆本、参院に法案を送ってもらいましょう。そのくらいの貧乏くじを引いてもらわないと、歴史に対する贖罪ができません。
そして、第46回衆院選に勝てば、野田総理は任期4年以上も見えてくるし、負ければ寺田さんが野党党首選に出ればいいでしょう。そう考えると、何もためらうことなどないわけで、二大政党デモクラシーというのは良くできていると感じます。
震災を乗り越えた寺田学さんの地平線に、二大政党デモクラシーはどのように見えているのでしょうか。
時事ドットコム:消費増税で足並み乱れ=甘利氏「協議拒否通らぬ」-自民
自民党の谷垣禎一総裁が消費増税に関する与野党協議に応じない考えを示していることに対し、同党内で5日、「逃げるべきではない」との異論が上がった。
谷垣氏は同日、仕事始めの会合で「一致団結して与党を追い詰め、衆院解散に持っていく」と述べ、野田佳彦首相が提案している協議を拒否する方針を重ねて示した。しかし、この後の役員会で、甘利明元経済産業相は「今まで10%(に引き上げる)と言ってきたのに、協議に応じないでは通らない」と谷垣氏を批判。塩崎恭久元官房長官もBS11の番組で、「まず選挙をやってからとの一点張りでは、国民にすっと入らない」と疑問を呈した。(2012/01/05-21:36)
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[画像]上の画像は昨年2011年のものです。ことし2012年のものではありませんので、お間違えなく。
民主党1期生143人、自民党1期生4人ということで、民主党の1期生もだいぶふるいにかけられてきた感じがします。
「アッチー」」こと阿知波吉信さん。現在は岐阜5区で、多治見市、中津川市、瑞浪市、恵那市、土岐市。ただ、岐阜は定数是正で全県6区に1増する可能性があり、区割りが変わる(全体的には狭くなるイメージ)かもしれません。
その阿知波さんは、第44回郵政総選挙で初陣に敗れ、第45回政権交代選挙で小選挙区勝ち上がりで初当選しました。ちなみに、岡田克也さんは郵政初陣組には積極的に応援にかけつける傾向があります。昨年2011年1月23日(日)も岡田幹事長(当時)は、阿知波後援会の新年会にかけつけました。この日は第177通常国会の召集前日でしたが、岡田さんは第44回初陣組には万難を排してかけつけるんですね。
ざっくばらんの会は、ざぶとんをつかった車座。各人の好きな距離感で話ができるざぶとんを活用したスタイルで、阿知波後援会名物だそうです。
拍手の中登場した岡田さん。やぶからぼうに、「もう阿知波さんを応援に来ません!」と宣言。「なにごとだ・・・」とどよめきが。岡田さんは「私は代表時代から阿知波さんの応援に来ていて、きょうで合計8回目です。だから、あと2回応援に来て、合計10回になったら、もう阿知波さんの応援には来ません。その代わり、阿知波さんには、民主党の他の議員の応援に行ってもらいます!」と説明し、やんややんやの大喝采。
阿知波さんは、早稲田大学雄弁会員と官僚(郵政省から総務省へ)の両方の経験がある珍しい現職国会議員です。小渕恵三さんの書生と橋本龍太郎首相の総理番記者(産経新聞社への研修出向)の経験もあります。歴史好きで「上杉鷹山」をブーム前から先取りして研究していた阿知波さん。総務省ワシントン駐在時代に、NASAフロリダのケネディ宇宙センターを訪れ、「スペースシャトル」の発射地点や「エクスプローラー」の発射地点を一つ一つていねいに回った阿知波さん。
しかし、浪人経験もあってか、「私1期生の間は、地元のことしかやらないんですよ」と宣言。「1期生の仕事は次も当選して2期生になることだ」というのは、小沢一郎さん、岡田克也さんの両人が共有する認識で、私も全くもって同意します。
岡田幹事長が来たときは、震災前でしたが、高速道路出口の渋滞が生活道路に影響を及ぼしているということを地図を使って、岡田さんに説明しました。橋をかけるのがいいという話になり、ざぶとんのみなさんから、「橋がかかった暁には、『岡田大橋』と名付けよう」とアイディアが出て、拍手喝采。
震災後、国土交通省の東北の出先機関幹部の動きが良かったと評判になりましたが、この震災前の「岡田大橋」構想については、新年会から数日経ってから、国交省の東海ブロックの出先機関幹部が、「あのすいません・・・岡田大橋ってなんですか?」と訪ね歩く姿が目撃されています。出先機関も情報が遅いですね。岡田さんも阿知波さんと同じく東海ブロックです。
そんな阿知波さんは、予算の政府原案づくりがピークを迎える11月に「公開陳情会」を企画しました。ゲストは国土交通副大臣(松原仁さん)。600人が集まっての公開陳情会でしたが、時代が違います。現在の岐阜5区は全5市でできています。だから、5市長さんが、地元の重要な公共インフラについて、分かりやすく説明しながら、国交副大臣に要請しました。出席者のみなさんも政治意識が高い方が多いとは言え、地元の市の国費公共インフラ整備について、詳しく説明を聞く機会は珍しいので、「なるほどああなっているのか」と合点がいったようです。
[画像]2011年11月19日に開催した「公開陳情会」のお知らせ
核融合に関しても、ていねいに取り組んできました。が、震災後の世論が安定してませんが、じっくりと取り組んでいってほしいと、私は考えます。
公明党の提案で、衆院に設置された「科学技術・イノベーション特別委員会」の2011年8月3日の審議(国会議事録)で、阿知波さんは小柴昌俊・東大名誉教授(ノーベル物理学賞)に質問しました。
阿知波さんは、上に書いたワシントン時代のNASA訪問の経験から小柴先生に次のように質問しました。
「宇宙開発に莫大な予算を使っている、しかし、こういうものがいかに意義があってとか、こういうものの役に立っていますとか、そういうことで国民を説得する姿勢にあふれているという現状を目の当たりにいたします」「先生がノーベル賞をとられたということも大きな説得要因にはなると思うんですが」「継続的に繰り返し繰り返し国民に対して税金の使い道について説得を行っていく、そういう機能を日本の国は増すべきだと思うんですが、いかがでございましょうか」
これに対して、小柴先生はこう答えました。
「おっしゃるとおりです。私は、カミオカンデ、スーパーカミオカンデのときにたくさんの税金を使って、それは大変に今でも感謝しているんですけれども、それに対する感謝の気持ちをあらわすのに財団をつくったということもあるわけなんです。おっしゃるとおり、国民に、一体どんなことが今行われているのか、その意義、ねらいというものがはっきりと示せなくても、こういう努力を今しているんだよというようなことは、やはりしょっちゅう伝えておく必要が大事だと思います。それをやるのは、国民に対して働きかけるというのは、代議士の先生方というのがやはり先に立って、例えば関係のある基礎科学の者を引っ張り出して、国民に対して、この件についておまえたちはどう考えているのかしゃべれというふうなことをやらせていただいた方がいいんじゃないかと思います。
つまり、例えば私自身、もう九月で八十五になるんですけれども、私が言い出して、国民の皆さん、日本は今こういう計画をこういうふうにやっていますよというふうなことを言い出す機会というのは、なかなかできないんですよ。だから、やはり国会として、特にこういうふうな名前のついた委員会というのは、国民に対してPRというのを一つの大きな仕事として取り上げていただいた方がいいんだろう、そういうふうに感じます」
アドバイス、というより重みのあるエールですね。
陶磁器に力を入れていて、TPPやEPAで相手国の関税を引き下げ、輸出に活路を見いだせる、という政策の持ち主。定率関税表に詳しいので、地元周りで、「TPPでうちが潰れる」と心配する地元農家に、「おたくの品目は関税はゼロですよ」とその場で説明できる「使える地元議員」、それが「アッチー阿知波吉信さん」です。
日本の未来に必要な政治家です。
ところが、区割り変更の可能性以外にも、大苦戦しています。対抗馬は自民党の古屋圭司さんで比例復活しています。第44回郵政選挙では無所属で勝ち上がった強者です。第176臨時国会に「海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律案」を出しました。この法案は第177通常国会で民主党案と自民党案をすりあわせて、衆院文部科学委員長(当時は田中眞紀子さん)提出に仕立て直すために撤回されました。日本と国交のない台湾の「故宮博物院」からの展覧会を日本で開けるようになります。この法案は震災前に、衆院を通過しました。その本会議を私は現地で傍聴していましたが、古屋さんはうれしそうにガッツポーズしていましたが、親友の安倍晋三さんを含めて、誰からも拍手や握手をされていませんでした。最近の自民党はちょっと元気がないです。震災後に参院でも可決、成立しました。
週刊朝日2011年10月21日号で第46回衆院選の予想が出ましたが、ご覧の通り、岐阜5区は、古屋さんが「◎」、阿知波さんが「無印」となっています。
岐阜5区の5市は、2000年国勢調査から2010年国勢調査にかけて、各市とも2000人~4000人ほど人口が減っています。陶磁器の海外輸出だとか、あるいは核融合のこととか、絵に描いた餅に感じる方はいらっしゃるでしょう。でも、阿知波さん、アッチーに任せておけば大丈夫です。そもそも、阿知波さんを悪く言う人をいまだかつて聞いたことがありません。信なくば立たずです。政権交代チルドレンでも「アッチー」といえば今やオピニオン・リーダーとして、一定の信頼と尊敬を集めています。岐阜5区の方は幸せです。核融合のことも、嘘を付いてまで、自分の利益にするような人では絶対にありません。早稲田、郵政省、ワシントン、総務省そして郵政選挙で浪人。そして「地元のことしかしない」1期目から、与党だか野党だか分かりませんが、飛躍の2期目へ。阿知波代議士の可能性への挑戦はまだ始まったばかりです。
岡田幹事長、あちは吉信(岐阜5区)新春の集いに参加 多治見市 - 民主党
岡田克也幹事長は23日午前、岐阜県多治見市を訪れ、阿知波吉信衆院議員(岐阜5区)後援会が主催する、「ざっくばらんの会」と参加者600人を集めた「新春の集い」に参加した。
「ざっくばらんの会」では中小企業経営者を中心に30人が車座になり、中小零細企業支援策、関税政策、高齢者福祉など幅広く、まさにざっくばらんに語り合った。冒頭、岡田幹事長より「率直に有権者と意見交換ができることは政治家にとって一番の幸せ」との発言があり、特に中小・零細企業支援策では現場の生の声を聞き、「さらに、きめ細かな政策にしなければならない」と述べた。
「新春の集い」では、まず阿知波議員が挨拶に立ち、「地場産業である陶磁器産業は、生産量がピーク時に比べ4分の1に落ちた。ただしTPP(環太平洋連携協定)やEPA(経済連携協定)によって輸出先の関税を下げることができれば日本の陶磁器は海外に対して挑戦ができるとの声がもう一度地場産業の中から高まってきている」と指摘。「アメリカの場合、関税27%を下げ、国際競争力が復活する。まして他産業には効果が期待される」との見方を示すとともに、「よく効く薬は副作用もある。慎重に検討しなければならないが、日本中が元気になれる政策、それが経済連携協定だ」と訴えた。
さらに、この地域が世界に貢献できるものとして、核融合科学研究所を取り上げ、昨年の補正予算で15億円を計上し、新しい実験を実施することになったと紹介。核融合は1リットルの海の水が250リットルの石油と同じエネルギーをもたらす最先端の技術だと指摘。そのうえで(1)日本の弱みのエネルギー自給を強め安全保障に役立つこと、(2)技術の活用と海外への売り込みによる経済成長、(3)二酸化炭素が出ない技術での地球環境への貢献、(4)石油がからむ世界紛争の要因が下がることでの平和貢献――など4つのメリットを説明。「地元からノーベル賞を出そう」と呼びかけた。
リニア中央新幹線について触れ、駅の誘致によってもたらす経済効果、地域が大きく変わる起爆剤だと述べた。
最後に、「現在の日本は停滞感、閉塞感で満ち溢れている。それを打ち破るのは今を生きる私たち日本人しかいない。私たちの力で日本を発展させ、後世に残して行こう」と熱く決意を語った。
次に岡田幹事長が挨拶に立ち、通常国会について「菅総理がやりたいことは大きく二つ。一つは平成の開国、もう一つは最小不幸社会の実現」だとし、平成の開国については、自身が外務大臣時の話も踏まえ、民主党政権になってからの実績として、インドとペルーの二国間の経済連携協定の実質合意や日本とEU、日本と韓国との経済連携協定協議の再度スタートについて力説。その延長線上にあるのがTPPだとし、「6月までに我々も議論に参加するかどうかを決める」「農業については所得補償を軸にして、しっかりと手当をしなければならない」「時間があまりない中でスピード感をもってやっていく」と訴え、これが菅内閣の第一の柱になると強調した。
第二に最小不幸社会の実現について、「菅総理が昔から使っている思い入れの強い言葉であり、不幸を最小化するのが政治の役目だ」とした。そのうえで雇用対策について、失業保険の適用範囲を大幅に拡大するとともに、雇用保険が切れる人については研修を受けることを条件に月額10万円の最低限の生活補償を行うことを説明した。
そうした社会保障と財源については、「いろいろな意見があると思う。消費税の議論もある。しかし我々はこの問題から逃げてはいけない。覚悟をもってやっていく」と述べた。同時に消費税増税について「すぐ上げるといっているわけではない。我々はそういう時には選挙をする。それなくして消費税を上げることは、全く考えていない」とも語った。
最後に、「この10年、20年なかなか前に進めることができなかった政治を、今年はしっかりと前に進めたい。頑張っていきたい。」と決意を述べた。
その後、統一地方選民主党公認候補、来賓の地域5人の全市長さんとで乾杯。岡田幹事長と阿知波議員は、会場一杯の600人を超える参加者との写真撮影に気さくに応えるなど、和気あいあいとした雰囲気の中、交流を深めた。
あちは吉信ブログ 公開陳情会
公開陳情会って聞いて、ゲラゲラと噴出してしまう官僚たち。経験したことの無いスタイルだからでしょうか。これが少なくとも行政の現状なのです。そんな最中、松原国土交通副大臣をお招きし、公開陳情会を開催しました。
そもそも陳情なる言葉は、よく耳にするのですが、実際に見聞きした人は、ほとんどみえませんね。大切なことをお願いして、実現してもらう・・・。それを皆の面前で行えば、何が優先事項で、その扱いを政策責任者がどのように対応して行くのかなど、プロセスの段階から住民参加となります。また政治や行政の責任の所在を、将来に渡ってはっきりさせることができるわけです。「道路をつくる、橋をかける・・・。」、いいかげんな政治家の、いいかげんな公約。こんなものとサヨナラしようと気合を込めた企画だったわけなのです。
会の開催としては、最悪に近い、強い風雨の中で、それでも600人余りの皆さんの参加の元、行われました。
案件は、2つ。国道19号線の瑞恵バイパスの建設(21年来の課題)と、先の15号台風で水害を被った多治見の治水対策(抜本的な対策が一度も行われていない地域)です。
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[写真]大石尚子さん、参議院ホームページから。
かなり驚きました。民主党参院議員(全国比例)の大石尚子(おおいし・ひさこ)さんが、2012年1月4日、亡くなったそうです。享年75。衆参あわせて、勤続9年5ヶ月。
心から、ご冥福をお祈りいたします。
先の第179臨時国会中(10月下旬)にお元気なお姿をお見受けしました。ただ、今改めて、第179臨時国会の参議院本会議押しボタン式投票結果をみたところ、11月21日の本会議では投票しています。が、12月2日、7日、そして、会期末だった平成23年20011年12月9日の本会議では投票の記録が残っていません。欠席ということでしょう。
言うまでもなく大石尚子さんは、日露戦争、とくに日本海海戦の英雄である元海軍中将・秋山真之(あきやま・さねゆき)の実の孫(娘の娘)です。真之らを主人公にしたNHKスペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」が12月放送され、3年がかりで完結しました。しかし、最後の4回分が放送されていた間は、体調を崩されていたようです。第179臨時国会では「参院倫選特」(政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会)の筆頭理事を務めていました。
哀悼を込めて、2009年11月17日の政権交代後初の第173臨時国会での参院外交防衛委員会の国会傍聴記を下に載せさせていただきます。これは会員制ブログの方に当時載せたものです。現在は会員制ブログは、今後の政治日程限定となっていますが、当時は傍聴記も載せていました。
訃報の直後にこういうことを書くのも気が引けます。しかし政治空白は許されません。現在、名簿で次点なのは斎藤勁さんです。同じ民主党神奈川県連ですが、斎藤さんは現在衆院議員で官房副長官です。衆院の任期は「2013年8月ないしは解散」まで、大石さんの任期は「2013年7月まで」となります。斎藤さんの官房副長官職は慣例として「衆院枠」とされていることもあり、斎藤さんはおそらく繰り上げ当選を辞退するとみるのが妥当です。その場合は、第44回衆院選で落選した元衆院議員、玉置一弥(たまき・かずや)さんが対象となり、6年半ぶりの国政復帰となりそうです。玉置さんは衆院通算8期のベテラン。世襲議員であり、労組出身ではありません。京都の日産労連のはたらく仲間の応援を受けていました。衆院議員としては新進党解党までがんばり、新党友愛では国対委員長を務めました。私は玉置国対委員長の担当記者を務めさせていただきましたが、とてもとても人柄がいい人です。新進党解党から第2次民主党結党の段階で、かなり深刻に悩んでいた30歳代の議員の相談に乗っていました。
大石先生は、上品で、おしとやかで、清楚で、大所高所から物事を見ている議員でした。良識の府・参議院、旧貴族院の薫りがする議員でした。現在、参議院でそのような議員、さらに言えば、参院民主党(民主党・新緑風会)では大石先生しかいないという状態にまで参議院は変わり果ててしまいました。強いて言えば、自民党の宮沢洋一さん。ただ、大石さんの訃報で、参議院には上品な議員がまったくいない状態になったと考えます。しゃべり方から違いますからね。参議院の制度は抜本的に変えないといけません。
おととしあたり、官報で、玉置さんの政治団体が解散されたという総務大臣告示を見ました。ちょうど塩爺こと塩川正十郎さんの政治団体と同じ日でした。だから、玉置さんは引退したのだ、と私は認識していました。ですから、仮に玉置一弥・参院議員となったら、玉置さんにはいっさいのしがらみのない大所高所からの発言を期待します。玉置さんは宮澤解散(第40回衆院選)で落選しています。ですから、民社協会ベテランでは異例なことに、細川・羽田内閣に参加していません。勤続20年なのに、与党経験は0日のはずです。「シー、黙ってて」と言われそうですが。
大石さんは、民社党の神奈川県議や、民主党の衆院議員を経て、第21回参院選に出馬。このときは全国比例次点となりましたが、山本孝史(やまもと・たかし)さんのあとを次いで、参院議員のバトンを受け継ぎました。ちなみに、大石さんは神奈川県会議員としては、映画の松竹大船撮影所労組出身の金子県議から民社の議席を受け継いでいます。この金子県議の子息が、神奈川選挙区選出の金子洋一参院議員です。そしてまたバトンタッチすることになります。
あるいは、神奈川では、きのうとおとといの2日間、箱根駅伝があり、大石さんより半世紀以上後に生まれたすばらしい若者たちが圧倒的な新記録を更新しました。だから、襷リレーと言ってもいいですが、「民社の襷」は地味ながらしっかり受け継がれていることになります。まさに古豪です。
大石尚子さん、ありがとうございました。
[会員制ブログから引用はじめ]
「波静かな委員会を期待」に議場わく 秋山真之・栗林忠道の実孫が防衛大臣に質問(2009年11月17日付)
11月17日の国会で、日露戦争の英雄である秋山真之・海軍中将と、太平洋戦争で硫黄島総指揮官だった栗林忠道・陸軍中将の各々の孫が北澤俊美防衛大臣と岡田克也外務大臣に質問するという珍しい出来事がありました。
秋山真之(さねゆき)はNHKが今月29日から3年間にわたり放送するスペシャルドラマ「坂の上の雲」(司馬遼太郎原作)の主人公です。日露戦争の決着をつけた日本海海戦のほとんどの作戦図は海軍参謀だった秋山が書いた物です。
【2009-11-17 参院外交防衛委員会 大臣所信表明に対する一般質疑】
秋山真之の実孫である、大石尚子(ひさこ)参院議員(民主党・新緑風会、全国比例)が午後の参院外交防衛委員会で質問に立ちました。今国会から初めて外防委のメンバーに加わっています。
海軍の参謀だった秋山は、日本海海戦のスタートを本国に「本日天気晴朗なれども波高し」と打電しました。
大石さんは質問の冒頭、「この委員会を、実り多い、波静かな委員会として」と切り出し、議場が大いに沸きました。
「本日天気晴朗なれども波高し」--。
司馬遼太郎著「坂の上の雲」(文春文庫)によると、秋山は文学者になりたかったようですが、家計の事情から海軍に進みました。この電文は、日本海海戦により非欧米国として初めて「一等国」に踊り出て、そして、坂の上の雲から、先の大戦へと転落していく我が国の未来を暗示している、ととらえることができる名文です。明治の「官僚答弁」はすごかったと感じさせます。
【2009-11-17 衆院安全保障委員会 大臣所信表明に対する一般質疑】
これに先立つ午前中の衆院安全保障委員会でも、同じく岡田外相と北澤防衛相がコンビで一般質疑にのぞみました。
自民党の新藤義孝・衆院議員への北澤防衛相の答弁に私は驚きました。
北澤防衛相によると、新藤議員の祖父は、太平洋戦争の硫黄島総指揮官として戦死した栗林忠道・陸軍中将で、長野にゆかりのある人物だとして、「その孫とここで議論できることは名誉だ」としました。梯久美子著「散るぞ悲しき」(新潮社)によると、栗林は部下に「玉砕」をいさめさせながら、最後に戦死しています。最期を見届けた部下が一人も生還していないので、最期の姿はよく分からない面があるようです。
新藤議員は、北澤大臣の答弁に虚をつかれたようで、「しっかり追及しないといけないことは追及しますよ」と反論しましたが、声を小さくしながら、「ふれていただいてありがとうございます」とお礼を述べました。
戦争や決闘ではなく、国会の中で戦う。日本を代表する軍人の孫たちがスーツを着て、国会の中で防衛大臣と議論で戦う。日本が平和であることが確認できました。
[引用終わり]
[当ブログ内の関連エントリー紹介]
秋山真之の孫・大石尚子さん「人生は有限であります」と与謝野馨大臣の入閣に理解
[紹介おわり]
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[画像]平成24年、2012年の年頭記者会見にのぞむ首相で民主党代表の野田佳彦さん(首相官邸ホームページから)
総理で民主党代表の野田佳彦さんは平成24年(2012年)1月4日(水)朝10時から、首相官邸で記者会見しました。
野田内閣総理大臣年頭記者会見 -首相官邸ホームページ
その後、伊勢神宮に向かいました。
野田さんは、1票の格差をなくす定数是正と、民主党マニフェストが定める「衆院の定数80削減」に関して、新しい考え方を示しました。
総理は、「あのーこないだまとめた税調の中での文章でも、「最初は比例80(削減)うんぬん」と入っていたと思いますが、「(比例の文字がとれて、)定数削減」に変わったと思うんです」と述べました。
実際に、確認したら、先月29日の「税制抜本改革骨子」には、たしかに定数削減だけで、比例とは書いてありません。
[画像]民主党の税制調査会などが先月29日にまとめた「税制抜本改革骨子」、民主党ホームページから。
あらためて確認しましたが、ペーパーには、消費税増税の前に、民主党として「衆議院議員定数を80削減する法案を出す」としか書いてありません。細川護煕内閣が成立させた政治改革関連法施行時は、「小選挙区300、比例200」でした。現在は「小選挙区300、比例180」になっています。
自民党の細田博之さんは比例を30削減して、「比例150」を主張しています。これとは別に定数是正で「0増5減案」を採用すべし、としているので、定数是正と定数削減の双方が実現すると、「小選挙区295、比例150」になります。ですから、自民党は「35削減」ということになります。これには総選挙で支援を受ける公明党への配慮があります。
公明党ら7つの中小政党は比例定数(現在は180)の削減に反対しています。そのうえで、小選挙区比例代表連用制や中選挙区制など様々なプランが混在する状況となっています。
民主党は、「小選挙区300、比例100」を主張してきました。が、7つの中小政党はもとより、自民党も乗らないことになると、公職選挙法改正案は参議院で通りません。
これに関して、民主党最高顧問の岡田克也さんは、昨年末のブログで次のように述べています。
[岡田かつやTALK-ABOUTの2011年12月30日付エントリーから引用はじめ]
昨日(29日)の夜遅く、深夜12時に近くになり、社会保障と税の一体改革の中の税の部分についての党内合意ができました。
(中略)
もう1つ私が申し上げたことは議員定数の削減です。マニフェストで、衆議院の比例定数を80議席削減することを謳っています。そのことはしっかりやらなければいけません。しかし、それを実現するにあたって、比例だけで80議席と言った瞬間に、公明党や社民党、共産党、あるいは与党の国民新党ですら、これに反対してそこで話が止まってしまいます。したがって、法案は通らないわけです。そういうことではダメなので、比例80議席削減はマニフェストで書かれたことだが、同じ80議席でも小選挙区も削るという覚悟を持ってやらないと、与野党間で話はできない。そういう覚悟を持ってくださいということを申し上げました。 つまり、言うだけではダメなので、絶対に比例で80議席削減すべきだということは簡単ですが、それは簡単には実現しませんので、さらに身を削り小選挙区も削り、トータルで80議席削減とする。本当に覚悟を示すならそういう覚悟を持ってくれと皆さんに申し上げました。 いずれにしても、文章を直しながら最終的に合意されたことはよかったと思います。(後略)
[引用おわり]
岡田さんが「小選挙区でも定数削減をすべきだ」と主張して、修文(文章の手直し)がされたようです。
野田さんや岡田さんは新進党勢で都市部選出なので、公明党との人脈面、心情面での結びつきが強いです。また、岡田さんは米国型の二大政党制を「カルテルのようなもの」と批判し、比例を活用して、第3党が二大政党の一翼に躍進するしくみを目指しています。著書の「岡田語り。」では2010年の英国での政権交代をみて、「常に単独政権であり、主要政党は2つしかないということは、寡占状態でもあるということなので、今ひとつ柔軟性を欠くわけです。二大政党が自己革新を怠れば、常に第三政党がそれに取って代わるというしくみを用意しておく必要があります」と話しています。「岡田語り。」の299ページ。
定数是正や新区割りの前提となる2010年国勢調査では、鳥取県の人口は59・2万人、全国は12623万人でした。仮に鳥取県を1区(全県区)だけにすると、小選挙区は単純計算で全国で213必要になります。いくら身を切ると言っても、この213議席より少なくしろという極端な案はいけません。民主主義の最低限のコストです。ただ、213だけでは足りません。47都道府県の基礎配分(1人別枠方式)をなくし、そのうえで47都道府県内で1票が平等な線引きをするには、のりしろが必要です。おそらく250小選挙区前後以上は、必要でしょう。「小選挙区250、比例150」となります。世論の後押しがあれば自民党と公明党も、衆参とも賛成するでしょう。
ここからは、民主党の第46回衆院選の選挙戦術だけに絞って考えます。300小選挙区のまま、最高裁判決にもとづく定数是正、すなわち1人別枠方式廃止と2010年国勢調査の反映をします。その後、ここ10年間の市町村合併も配慮して新しい区割りを線引きします。まず、東京都は定数が増えます。それは小選挙区割りが狭くなり、区割り変更する選挙区は増えます。このほか、長野県、岐阜県、静岡県で定数が1つ増える可能性があります。いちがいには言えませんが、第45回衆院選まで使われた小選挙区割りは変更され、1つの選挙区が狭くなります。
でも、民主党長野県連は、現行3区で羽田孜さんが引退する後継者問題に加えて、2・4・5区では自民党支部長が追い上げており、すでに逆転しているとの見立てもあります。1区は自民党支部長がいまだに空席ですが、もともと人口が多い(1票が軽い)選挙区なので、区割りが狭くなる可能性が高くなっています。現職(篠原孝さん)は自分が有利な新選挙区を選べばいいわけですが、後援会員では淋しさもあり、党全体の力は出づらくなるでしょう。このような情勢で、6人目の総支部長を立てるのは至難の業。しかも、全体が総崩れになる危険性があります。民衆党岐阜県連でも同様。1区(岐阜市)では女性の3政治家(野田聖子・自民党衆院議員、笠原多見子・民主党衆院議員、佐藤ゆかり自民党参院議員)による長きにわたる裏切り合戦で、有権者はうんざり。日本一政治不信が強い地域とも言われます。その名の通り正直な、現職小選挙区勝ち上がりの民主党1期生・柴橋正直さんまであおりを食って投票率が下がる可能性が指摘されています。4区は、高地の飛騨高山で、自民党後援会が強い地域です。実力のある1区、5区の民主党現職も1期生ですから、ここも線引き変更は避けたいし、6人目の支部長擁立にはとても頭が回らないでしょう。静岡でも、1区・2区・4区・7区などで自民党系が優勢との観測があります。静岡県も一部に、平成の大合併の名残りが残ったままなので線引き変更は必至。静岡県連は9人目の支部長を擁立する余力はあるでしょうが、現職優先の守りの選挙が絶対的に迫られますし、それが正しい戦術でしょう。
このように考えると、現職が多いが、組織は弱い民主党としては、小選挙区の総定数を削減し、長野・岐阜・静岡などの衆院5人区~8人区の県はそのままの状態で闘う。また、定数増の可能性が残る神奈川県、愛知県、埼玉県の3県は、民主党が現職が圧倒的に多い県です。現職が多ければ、区割り変更があったらより有利な選挙区を選べばいいのですが、変わらない方が楽だという考え方があるでしょう。とくに県連がしっかり作られている、愛知、埼玉両県連はそう考えるのがフツーです。
岡田さんの三重県はおそらく定数1減の全1~4区となるでしょうが、新区割りに応じて、1人を比例東海ブロック単独に回すことになるでしょう。民主党は第46回衆院選では、2回ぶり(全国的には3回ぶり)に比例名簿単独上位登載者が出るでしょう。
対する自民党。元職、地方議員、公募内定者も含めて支部長争いが収束していません。小選挙区定数削減は痛いところ。でも、比例を削りすぎると公明党の支持が離れるという痛し痒し。この問題は実に政治らしい問題で、民主党幹事長代行の樽床伸二さんは、持ち前の明るく気さくな性格で、あまり難しく考えずに、「腹合わせ」で落とし所に軟着陸してほしいと考えます。ちなみに、法案さえできれば、国会での審議は、衆参合計4日間もあれば成立するでしょう。
総理は記者会見で、「我々の考え方はもちろんあります。まとまっています。ただし、ほかの野党のご意見もあるんですね。それを踏まえてどうやって削減に持っていくかというところに最後まで心を砕くことになると思いますが、どっちにしろですね、定数削減は最後には実現しなければいけないというふうに思います」と強調しました。ここは有権者の監視を強くしていけば、最後は、9党はまとまるでしょう。まずは第180通常国会の4次補正予算成立後に、定数是正などを盛り込んだ区割り審(内閣府におかれた衆議院選挙区画画定審議会、村松岐夫会長ら7人)設置法改正案のスピード成立が必要です。
【野田さんはチャーチル?、Never never never never give up!】
野田さんは記者の質問に答える格好で、きのう(2012年1月3日火曜日)、母校である千葉県立船橋高校の同窓会に出席したときのエピソードを披露しました。140人ほどが出席したと報じられています。同級生から手紙を渡されたそうです。その手紙には次のような趣旨のことが書いてあったそうです。
おい野田、船橋高校の世界史の授業を覚えているかい?
The most famous 6 words (世界で最も有名な6語) のことを。
チャーチル(Winston Churchill)の言葉さ。
Never Never Never Never Give Up!
[写真]Sir Winston Churchill (wikipedia)
という趣旨のことが書かれていたそうです。野田さんは忘れていたそうです。
これはチャーチルが保守党党首として首相だった1941年10月29日、彼の母校である名門パブリックスクール、ハーロー校(Harrow School)を訪れた際のスピーチのようです。この前年に、フランス・ベルギー・オランダ・デンマーク・ノルウェーの英国の対岸の大陸諸国はすべて、ナチス・ドイツに占領されています。そして、英国は爆撃され、とくにロンドンは毎日爆撃を受けていました。
[写真]爆撃された英国国土を視察するチャーチル首相、「ヨーロッパの歴史 欧州共通教科書」から。
上のチャーチル首相が爆撃地を視察する写真が、この「世界で最も有名な6語」を言った時期に重なっているでしょう。
チャーチルは言葉の力を持った政治家でした。2010年5月のBBCテレビの「英国総選挙開票特番」も、英国議会のビッグベンの後ろにチャーチルの姿がうつり、戦後65年たっても、どの首相よりも大きくチャーチルが描かれていて、驚きました。25歳で初当選した2世議員のチャーチルは、国王ジョージ6世のもと、65歳で初めて首相になりました。遅咲きの政治家でした。それなのに、なぜこれほど大きな政治家になったかというと、それは国難の舵取りをしたからです。その姿が、同級生からみて、今の野田さんと重なるところがあったんだろうと。だから手紙を事前にしたためて、そっと渡したのでしょう。政治家というのは、苦しくても誰かが背中を見ていて、つまずいたり、元気がなさそうだったり、たまの正月に会う機会があれば、そっと背中を押す。それが政治家と支持者の関係です。だから、政治家は嘘は最低限にしないといけないし、赤信号は絶対に渡ってはいけないのです。いつもその背中は見られ、人として見抜かれている。ただ、野田さんのような力のある政治家にとっては、それはむしろ好都合であり、今はインターネットもありますから、有権者も含めて、実にすばらしい時代が到来しています。ちなみに、国難の舵を取ったチャーチルは、戦争終結の前月の総選挙に負けて、労働党に政権交代しました。その後、現国王エリザベス2世のもと、首相に返り咲いています。
平成24年、2012年「君子豹変す」と野田さんは予告しています。私はまだ、具体的なイメージがありません。ですが、経済成長と財政再建の両立に向けて、優先順位をつけ、一つ一つ山を乗り越えていく。第45期衆議院の任期はわずか1年半となりましたが、そんなちっぽけなことはどうでもいいことです。日本国はずっと続きます。きょうの夕飯より、100年後の朝食を。
私たちも、ネバー、ネバー、ネバー、ネバー、ギブ・アップ、「あきらめない、あきらめない、あきらめない、けっしてあきらめない」。
ところで、このチャーチルの話は、日経新聞の犬童文良(いんどう・ぶんりょう)記者の質問に答えるなかで出たエピソードです。犬童記者は、日本における英国二大政党政治研究の第一人者として知られた犬童一男・神戸大学名誉教授の子息です。記者会見では、東京新聞の三浦耕喜・記者がトップバッターとして、「今年は、総理もおっしゃいましたけれども、様々な意味で日本の将来を左右する重要な年になると思います。我々としても、総理に国民への説明を求める機会が多々あるかと思いますので、どうぞよろしくお願い致します」と総理に伝えました。ジャーナリストの江川紹子さんの質問の際には、総理が「高校の後輩ですよね」と声をかけるシーンがありました。
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新年早々がっかりです。
自民党総裁で影の首相の谷垣禎一さん(衆院京都6区)は、2012年1月2日夜のNHKニュース7にVTR出演しました。
平成24年の自民党について、「(与党・民主党の)震災の復興や外交の扱いを見ていると、こういう政権にいつまでも、日本の舵取りを任せておくのは、これは、日本のためによくない。政治決戦、政治と国民との信頼関係を作り直していくために政権与党を追い込んでいくんだ」と述べました。
そのうえで、第180通常国会前半に提出される消費増税準備法案について、「消費税(の法案を)を通すためには、野党の協力がないとできないですね。それならば、協力できる前提を彼ら(与党・民主党)が作ってこなければなりません。一番大きな物は信を問うということ(衆院解散総選挙)だ」と語りました。
きょうは国会閉会から24日目で次の国会での自民党の初登壇日まではちょうど24日ぐらいです。露出を高めておきたいところ。その晴れの舞台。政権交代ある二大政党デモクラシーの定着への中間仕上げとなる第46回衆院選が予想されているのに、この発信力はなんでしょう。
「消費税を通すためには野党の協力がないとできない」とは参院で野党が過半数を占めているということです。そこで、「協力できる前提をつくる」ために衆院を解散したって、参院は、与党3党(民主党、国民新党、大地・真民主党の3党)で110議席、自民党と公明党はあわせて102議席だから、ともに、過半数の122にはるかに届かないんですよ。そこでどう協力すると言うのでしょうか。国民の政治不信は政府ではなく、ガバメント(政府と国会)の両方に向けられていることを、政権準備政党として自民党は自覚すべきです。そのうえで、ある程度の国会戦術として抵抗は認められるでしょうが、パラダイム(考え方の大きな枠組み)に基本的な大間違いがあります。失望しました。
谷垣さんは、たしか2006年に、与党・自民党総裁選に出馬したと記憶しています。このときは現職の財務大臣でありながら、「麻垣康三」のトップを切って出馬表明したんじゃなかったでしょうか。そして、「消費税を2010年代半ばまでに(今の2倍の)10%に増税する」という公約をハニカミながら打ち出したのを良く記憶しています。このときは、「言いにくいことをハッキリ言う姿勢は良い」と評価されながら、「とはいえ、丸い数字とはいえ、2倍だ、10%だと、具体的に数字を言っちゃうところが、谷垣さんらしい細かさだ」と評されました。その後、政権準備野党の総裁となった今、私は谷垣さんは細かい人ではなく、むしろ、ゆったりした人。サラリーマン集団の民主党とは違って自民党は個人事業主集団であり、総裁はいわば商店街や町内会の会長として、自民党が持っている力を引き出す党運営をしていると高く評価します。
民主党は、総理・代表である野田佳彦さんの力強いリーダーシップの下、侃々諤々の長時間議論をまとめあげて、「2014年4月に8%、2015年10月に10%及び給付付き税額控除、景気弾力条項付き」という消費税増税法案の素案をしっかりと作りあげました。凛々しい責任与党ぶりです。それに引きかえ、自民党は半世紀の政権担当の矜持を投げ捨ててしまったようです。
逃げて逃げて逃げまくる腰抜け野党。新年早々、こんな自民党総裁の姿を見せつけられるとは情けない限り。自民党にしっかりしてもらわないと困ります。二大政党デモクラシーの完成は遠のきます。もうそんな余裕はありません! このままでは、第46回衆院選は、みんなの党などの第3極が伸びてしまい、民自公以外に衆院の議席が分散し、衆参ねじれとあわせて、複雑怪奇なかけひきとキャスティングボート狙いのスタンドプレーばかり議会運営がまかり通ることになるでしょう。それはガバメントの透明性がなくなり、国民の手から政治が遠ざかることにつながります。
民主党はバラバラだと言われますが、実際には自民党の方がバラバラです。ベテラン対若手。衆院対参院。さらに参院内でも会長派と幹事長派の争いがあります。「最大派閥は衆院支部長」と言われていますが、その支部長も派閥に入っている人もいます。グチャグチャです。
[写真]自民党の石原伸晃さん、伊吹文明さん。
やはり自民党もしっかりしてもらわないと困るので、9月の総裁選を前倒したらどうでしょうか。自民党規約では、総裁は2選までしかできません。いったん辞めた後に再出馬することはできます。「総裁選前倒し規定」という言葉を時々聞きますが、自民党規約には総裁選前倒し規定はありません。ですから、自発的辞任に総裁選で、新総裁・影の首相として発信力と攻撃力がある石原伸晃さん(衆院東京9区)で次の総選挙に臨むのが良いのでは。石原さんは衆院の本会議や予算委員会でアドリブを交えながら、分かりやすく問題の構図を解きほぐして演説しています。シェイクスピアのお芝居のようなハッキリした手振り身振りも有権者に分かりやすい。
[画像]国会で、与野党の対立軸の明示が分かりやすい、石原伸晃さん(衆院インターネット審議中継から)。
やさしいイメージがある野田・民主党代表は、「平成24年から(安全運転の国会運営から)君子豹変す」と話していますが、現状ではまだどう出るか、分かりません。石原さんの後任の自民党幹事長には伊吹文明さん(衆院京都1区比例)の再登板に期待します。伊吹さんは総裁が党内の会議で野次られたとき「君たち、他人の話は静かに聞きなさい!」と一喝して静まらせることができます。残念ながら、民主党にはそういう人材は一人もいません。伊吹さんは第168ガソリン国会では与党幹事長時代ながら攻撃的幹事長として、自ら筆をとって「ガソリン暫定税率つなぎ法案」を突如、衆法として提出。委員会で強行可決したうえで、本会議に上程せず議長あっせんで与野党を合意させるというトリッキーな国会戦術で見事に全議員を騙しました。ところが、伊吹さんは嘘を突き通せないお方のようで、記者会見で、「あんなに元気だった民主党のみなさんは急に静かになりましたが、どうしたんでしょうね?」と発言。民主党がつなぎ法案と議長あっせんのトリックに気付き、再び勢いづき、最終的に租税特別措置法の1ヶ月失効、ガソリン値下げにつながりました(民主党の青春)。第179臨時国会でも、伊吹さんは野田首相に、「消費税増税準備法案を出した上で解散しなさい、自民党も必ずマニフェストに消費税増税を入れますから」と水を向けました。これは民主党政権が消費増税法を成立させて、総選挙で負けた場合、新政権が消費増税をご破算にせざるをえなくなることを恐れての発言。伊吹さんは国家100年の計が見えている卓越した政治家だと、私は考えます。このように、石原総裁、伊吹幹事長。また党内融和のために、参議院から谷川秀善さんを総務会長にし、茂木敏充政調会長を続投した上で総選挙に臨むのが強い自民党の姿でしょう。
平成24年、2012年。
わが国のデモクラシーは「議論から説得へ」の段階を迎えています。
いかにして、消費税増税を、社会保障のため、国民のため、庶民のため、地方のために使っていくか。二大政党は責任を共有していかねばなりません。
全国の自民党元職支部長が、酒池肉林の万年与党時代を反省し、寒風の中、這いずり回っています。冬来たりなば春遠からじ。
第180通常国会は落ち着かない雰囲気になりそうな気配はありますが、まずは腰を落ち着けて二大政党がじっくり話し合う姿を見せないことは、支持政党を問わず全国民の不幸です。
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印象から言うと、野党時代からよく耐え、よく頑張ってきた人が順当に評価されています。ただ、それは野党経験が長く、与党経験が短いことの裏返しでもあります。けっして虚勢を張らずに「分からない」「いやーっ、自民党はこんな大変なことをしていたのか!」と正直に心情を吐露するクリーンでオープンな菅民主党丸を期待します。
こうやってみると、自民党内閣は「町内会型」で、民主党内閣は「会社型」だな、と思います。
自民党は派閥ごとに当選回数順の初入閣・再入閣適齢期の議員のリストを提出して、その中から、首相・官房長官らが選ぶ格好になっていました。今回は、菅さんが官房長官らと相談して、各グループ、衆参のバランスも考えながら、過去の人事評価シートをアタマに浮かべながら、適材適所で選んだという感じがします。
改造内閣の顔ぶれをみると、自民党が1年交替の「町内会の役員人事」という風情があったのに対し、民主党は、配置換えと副大臣からの昇格人事という「会社型内閣改造」という雰囲気がします。
[画像]第1次菅改造内閣の顔ぶれ(朝日新聞)。院替え参院議員の衆院当選回数は私が書き加えました。
【鹿野道彦さんが21年ぶりに農相復帰】
まず、「会社型」でない意外な例では、なんと言っても鹿野道彦さんが21年ぶりに農相に復帰したことです。1989年8月の第1次海部内閣以来です。そのときは、いわゆる「自民党の小沢一郎剛腕幹事長」がTVに登場しだしたあのとき以来の農相です。
鹿野さんは民主党では珍しい自民党清和会(福田派)出身で40日抗争にも参加しています。その後、1989年農相、1992年宮澤内閣で総務庁長官。そして、政治改革の志から「新党みらい」の船に乗り、新進党に移りました。新進党解党後は、「国民の声」「民政党」のイカダに石井一さん、岡田克也さんと乗り込み、民主党に参加しました。2003年~2004年には、菅代表・岡田代表のもとで「ネクスト農相」として、現在農林副大臣の篠原孝さんの「農業者戸別所得補償」を採用しました。
捲土重来を図った第45回衆院選では、岡田幹事長がチャータージェット機で山形空港に乗り込み、「政権交代後の閣僚候補だ!」と応援演説しました。おなじ省のリアル大臣→ネクスト大臣→リアル大臣というのは鹿野さんが初めてだと思われます。鹿野さんは山形県内の農政通として、自民党宏池会の加藤紘一さんと比較されることが多かったのですが、「政治改革の志」を貫いた分、意外や意外といっては失礼ですが、歴史に名を残す政治家は、鹿野さんの方になりそうです。
【昨年9月から同じ役所のトップを続けるのは最年長・北澤防衛相だけに】
自民党国会議員経験者は鹿野さんのほか、防衛大臣の北澤俊美さん、そして国民新党の自見庄三郎さんと3人だけになりました。北澤さんは、昨年9月16日の鳩山内閣発足から、同じ省を担当しつづける唯一の大臣となりました。普天間と言うよりは、防衛大綱の改定が11月めどに控えていて、これは向こう数年というか、装備品の方針転換があれば、数十年の予算に影響を及ぼすものです。大臣就任時には、マスコミから失言を引き出そうと狙われていた気配があり、私はこのブログの中で「俊美さんは酔拳のオッサンのような人だから失言でクビはとれない」と指摘してきましたが、その通りになりました。防衛省の官僚の話をよく聞き、自衛隊の儀礼に対してていねいにアタマを下げる最年長閣僚。防衛省・自衛隊のみなさん、ラッキーですね、ですよね?
【前原さんの外相横滑りと副大臣昇格の順当な人事】
菅内閣発足のときは、総理の後釜として、野田佳彦さんが副大臣から財務大臣に昇格しました。幹事長に転じた岡田克也さんの後任外相には、前原誠司さんが横滑り。まさに順当な人事という奴です。そして国土交通大臣には馬淵澄夫副大臣が昇進しました。当選3回生ですが、党内若手への影響力の高さからすれば、納得です。
また、厚生労働省では、4回生の長妻昭大臣を「労働担当副大臣」として支えた当選7回生の細川律夫さんが昇格しました。これを長妻さんが更迭されたとみる向きもあるでしょうが、この1年間で、「消えた年金記録」の修復は進んできていますから、「一に雇用、二に雇用、三に雇用」へ厚労省へのシフトが細川さんの大臣昇進で明確になったというとらえ方を私はしています。
【労組出身者も絶妙な配置】
民社協会からは川端達夫文部科学相にかわって高木義明(タカキ・ヨシアキ)さん、拉致問題担当大臣が中井洽さんから柳田稔さんに変わりました。向こう6年間の安定した参院任期を持つ柳田さんは法相も兼ねます。この辺の人事も興味深いところです。高木さんは、三菱重工業長崎造船所という、明治維新直前にできたニッポンの誇りともいえる造船所のはたらく仲間の代表ですから背中でモノを勝たれる人です。前任者の川端文科相と同じく民社協会で、日教組はいわゆる旧総評系で、まあ敵というか味方というか、難しいですが、その辺のバランス感覚が期待できそうです。
民社協会参院議員の直嶋正行さんから、中立労連・日立製作所出身で、鳩山グループ会長の大畠章宏さんが経済産業大臣になります。とくに、ベトナムの原子炉トップセールスでは、日立・東芝・三菱重工業などの重電3社と政府の取り組みについて、来月、日越首脳会談で回答がきますので、ドキドキです。なお労組出身の高木文科相は64歳、大畠経産相は62歳で、同期入社の仲間が定年退職を迎えている、ということで、早めに入閣したい、つまり、同期が定年退職したんだから、そろそろいいんじゃないか、と小選挙区で言われる可能性にも配慮したのかもしれません。労組系は選挙は楽だとされますが、60歳を過ぎるとなかなか大変です。だから、高木、大畠両大臣は、1生に1度の仕事だと割り切り、思いっきり政府のムダを切って切って切りまくって欲しいです。
【松本龍さん、岡崎トミ子さんらもきっちり抜擢】
当選7回生59歳の松本龍さんが環境大臣兼防災担当大臣になりました。少々驚きました。というのは、野党時代から福岡1区で小選挙区を勝ち続けている力のある議員です。そして、「部落解放の父」である松本治一郎・元参議院副議長の孫です。それはすばらしいことです。しかし、松本治一郎が仲間の生活の安定をきずくために創業した建設会社はけっこうイケイケドンドンで、その辺で、松本さんの入閣は、当選回数を2桁ぐらいになってからなのかな、と思っていたからです。人柄はバツグンです!!
松本さんは元衆院環境委員長ということで、環境通の岡崎トミ子さんは国家公安委員長兼消費者・少子化・食品安全などの担当大臣となりました。岡崎さんは長年、岡田克也さんをリーダー候補や気候変動の問題で支えてくれたので、私個人としてはうれしいです。もう66歳なんですね、おどろきました。
総務大臣には、自治省出身の元鳥取県知事、片山善博さん。補助金の廃止(地方一括交付金)、出先機関の廃止(自治体への移管など)の2つに絞って、民間人なんですから、公務員の雇用を確保したうえで、あとは、切って切って切りまくって欲しいと思います。
【ひとつ懸念は経済・金融チーム】
民主党では、閣議のほかに複数のメンバーで「閣僚委員会」をつくっています。普天間などの安保・外交チームは、前原外相、馬淵沖縄・北方担当大臣、北澤防衛相、仙谷由人官房長官というチームで精鋭揃いです。
一方、経済チームです。この内閣改造で民主党は「未熟さのディスクロージャー」をしました。自民党時代の「経済・財政諮問会議」を廃止しましたが、このことにより、経済政策の司令塔が見えなくなっていました。これが他の閣僚が申し訳程度に兼務してきて経済財政政策担当大臣(経財相)として、海江田万里さんの起用につながったと思います。ただ、経済チームが、海江田経財相、野田財務相、大畠経産相、自見郵政改革・金融相、玄葉光一郎国家戦略相ということになると、この面々のつながりというは見えてこない。
国会ウォッチャーとしてニッポンのためにはっきり言いますが、大畠経産相は、この人まったくの経済オンチです。野党の小沢一郎代表時代、ネクスト金融担当大臣として衆院財政金融委員会での質疑を聞いていてひっくり返りそうになったことがあります。リーマン・ショック直後の第170臨時国会(2008年10月29日)に大畠ネクスト金融相は、当時の自民党の財務・金融相(故人)に対して、次のように質問しました。「ところで、実は、書店に今は、この『ソロスは警告する』という本ですとか(中略)こういう本がマスコミ界で出回っているわけです。特にこの『ソロスは警告する』という本の中に、私も読ませていただきましたが、この方はもう七十歳を超える方でございますけれども、投資家でありまして、一兆数千億の資産を有するということですが、この方の回顧等を見ますと、経済を行う者は歴史を勉強しろ、歴史とそして哲学を持たざる経済はいずれ破綻するということが書いてあるわけです。この中に、去年の十二月書いたものですが、アメリカの市場原理主義による経済はいずれ破綻するということがもう既に警告として入っているわけですね」と。大畠大臣、「アジア通貨危機」って知ってますかと問いたくなる、分かる人にはズッコケの質疑でした。まあ、大臣には、知ったかぶりはやめてほしい。
菅直人内閣が背負う重荷は18人だけで担ぐのではありません。412人だけでもありません。我が国は間接デモクラシーですが、私たち国民もあくまでも自分にできる限りで、政権の重荷を背負いましょうよ。
菅内閣はクリーンでオープンを約束しています。それは国民との血の契りだ。だから菅内閣から出てきた情報は、熟議の材料としては最適です。ソクラテスのように、町で政治が語られる国に。ベトナム人民なんかも、何時間も新聞読みながらずっと議論していますよ。日本だって、がんばりましょう。太った豚より、むしろ痩せたソクラテスになりましょう。
【官邸の裏方さん】
内閣官房副長官は、衆院が古川元久さん、参院が福山哲郎さん、事務が元総務事務次官の瀧野欣也さんが留任。内閣法制局長官は、梶田信一郎さん。それから、これは大事ですが、総理の政務秘書官には民主党本部役員室職員だった岡本健司さんが引き続き務めます。
【写真】岡本健司・菅内閣総理大臣政務秘書官(宮崎信行撮影)
天皇の国事行為(衆院解散、国会召集)のときに皇居から国会まで陛下の詔書を運ぶ内閣総務官には、8月23日付で、原勝則さん(昭和54年厚生省入り)が就いています。4年間務めた前任者の千代幹也さん(昭和51年運輸省入り)は内閣広報官に昇進しています。
[画像は25日放送のNHKニュース7からキャプチャ]
民主党の小宮山洋子さん(東京6区)は25日、小沢一郎代表が前日の常任幹事会で続投を表明したことについて「政権交代にマイナスになる要素はなるべく避けて欲しい」「私はここはお引きいただくことではないかと思っています」と述べ、代表辞任を求めました。国会内で記者団の質問に答えました。
この発言について、26日、小宮山さんの国会事務所に主権者からの抗議電話が殺到し、電話が鳴りっぱなしの状態になったことが分かりました。
ふだんは1~2人のスタッフが常駐してるそうで、きょうは「お叱り」の電話でベルが鳴りっぱなし。ファックスは数件来たそうです。
小宮山さんについては、ネット上の様々なサイトで抗議の声が上がり、「議員辞職を求めるメールを送ろう」という運動も始まっています。
この件について、秘書は「真摯に受け止めて、対応を考えたい」としています。さすがにそこまでする必要はないでしょうが、批判の声は十分に小宮山さん本人に伝わったようです。
ネット上での批判も把握しており、ネットではNHK出身と絡めた批判があがっているのは承知しているが、電話はそれとは関係なく、昨日の発言に対する抗議がほとんどだったとのことです。
小宮山発言への批判。
Yahooの「みんなの政治」の小宮山さんの評価欄には、
http://seiji.yahoo.co.jp/giin/rev/index.html?g=2009000413&s=0&p=3
(抜粋引用はじめ)
「小沢さんのもとに一致団結すれば、今回のことがあっても民主党は勝てるんだよ。 内部でガタガタしていると勝てるものも勝てなくなるよ。だから小宮山さんはじめとした数名の小沢さん批判をしている人、静かに民主党を出て行ってくれ!!」
「 私が思うに、自民党と麻生首相ははっきり言って、民主党に戦いを挑んでいるのです。民主党を昔の野党が経験したと同じように再起不能にしたいのです。今度の小沢さんの件は、その昔、社会党の浅沼委員長が演壇で命を絶たれたのと同じぐらいのインパクトのある事件です」
「個人的に小沢さんを好きか嫌いかと問われれば嫌いですと答えると思います。そんな私でさえも100歩譲ってやはりここは小沢さんしか居ないでしょう!!(略)やっと、やっと悲願の政権交代が現実のものとなってきた矢先のこの出来事!素人目にも異常としか思えません。こんな大事な時、今こそ一致団結しなければならない
まさにこの時に、小宮山さん!!それはないでしょう(泣)(略)あなたのその様な態度を喜んで陰でほくそ笑んでいるのが誰かはお解りのはずです」
「弾圧者に尻尾を振る政治家はいらない。 この事件は総選挙目前の状況下、政権奪取は確実に思えた野党指導者を失脚させるべく検察が言いがかりに等しい恣意的な捜査をして、その公設秘書を強引に逮捕・起訴するという政治弾圧事件であり、議会制民主主義の根幹を踏みにじる暴挙です。(略) あなたが今すべきことは、苦しくともこの国策捜査の不当性を訴え、このような暴挙を許さない世論を盛り上げていくことでしょう。それを目先の事しか考えす、あろうことか弾圧者に尻尾を振りその謀略に加担するような事をする。そんな政治家は必要ない。とっととバッヂを外して引退すべきでしょう」
「私まだ若者ですけど、小沢一郎さんは総理大臣になるべきだし。あなたはやめるべきだなあって思います。だって小沢さんってマジ若者の間でもリスペクトされてるし、なんか世論からずれてません?小宮山さん?。小沢さんがいなければ私が党首にでもなれるとか思っちゃった?そんなのマジありえねーっす!(激爆)。小沢さんが悪いことしてるっつーなら証拠だしてくださーい。ないんだ?ないんでしょ?。次期総理は小沢さんに確定ですね!」(抜粋引用おわり)
などなど。かなり手厳しいですねえ。
私もかなり驚いています。正直な感想を言うと、よく分かっているなあ、正論ばかりだなあ、という感じです。
小宮山さんは凌雲会に所属。民主党代表をめざす、凌雲会会長の仙谷由人さん(徳島1区)の年齢が63歳で、「できれば早く仕掛けたい」という事情からの発言だと思います。小宮山さん本人の意思での“援護射撃”だったのか、仙谷会長の指示だったのか、凌雲会が会合などで役回りを決めていたのかは分かりません。凌雲会は仙谷会長の両脇を固める事務局長(会計責任者)の枝野幸男さん(埼玉5区)、前原誠司さん(京都1区)らが現在の役員会メンバーから外れています。この3人が同時に小沢代表を攻撃していますので、これは凌雲会の総意でしょう。ところで、凌雲会会員名簿がネット上に出回っていますが、仙谷さんは四国で唯一小選挙区を全勝しており、「逆転の夏」で四国4県全勝をもぎ取った“四国のドン”です。四国各県選出の1回生議員は凌雲会に入らないわけにはいかない、という事情があることを私たちは共有しておきたいと思います。
小宮山さんのお父さんは元東大総長で、小宮山さんはNHKにアナウンサーとして入社し、解説委員に昇進。参院議員全国比例から、衆院議員に転じ、現在はネクスト文部科学大臣。
東京6区(世田谷区の北半分)は、日本で一番「社長」が多く住む高級住宅地です。大企業に限定すると、300選挙区で断トツになります。この選挙区で初当選した岩國哲人さん(国替え、次期衆院選に出馬せず引退)は初当選のときに、「この選挙区の得票は3倍に化ける」と話し、影響力の強い主権者が多い特徴を説明していました。小宮山さんが仮に日常活動をしっかりやっていたとすると、他の選挙区とは違った反応を感じていた可能性もあります。
抗議電話殺到は辛かったでしょうが、小宮山洋子さんとスタッフ、総支部員のみなさんにとっては与党になるレッスンでした。私は小宮山洋子事務所とはまったく面識がなく、いきなり電話しましたが、政策秘書がていねいに回答してくれました。最後に「いつもブログを拝見しております。今後ともご指導ください」と言われました。私もしっかりと背筋を伸ばして前進していこうと思っています(^_^)v
おめでとうございます。
今週月曜日(2011年10月24日)、早稲田大学の鎌田薫総長や同大出身の政財界有志による「稲門杉原千畝顕彰会」(とうもんすぎはらちうねけんしょうかい)が、「日本のシンドラー」こと杉原千畝さんの没後25周年を記念するレリーフを、早稲田大学キャンパス14号館前の広場に設置しました。ここは教育学部があり、杉原さんは、早大高等師範部第一部英語科予科というところに通ったことがあるそうです。
この席には、早稲田大学卒業生で、前早稲田大学商議員会議長の岡田卓也・イオン創業者(名誉会長)が出席。
卓也さんが会場に着くと、すでに政界のお歴々が来賓席に居並んでいました。それを目にした卓也さんは腰をかがめながら、「いやあ、うちの息子はかたいんだよなあ」とぼやきながら登場。商人らしい腰の低さと、のっけからの「与党第一党幹事長のオヤジ」アピールに、渡部恒三元通商産業大臣がやおら立ち上がり、「昔は『ジャスコは地元の会津に出店しないでくれ』と言っていたが、今では『イオンは会津に出店してくれ』とお願いするようになった」と最大級の賛辞をおくりました。
恒三さんの機転で雰囲気が和らぎ、卓也さんが自民党時代の小沢一郎幹事長が四日市に乗り込んできたエピソードを披露。
次男・克也さんが第39回衆院選の準備をしていると、旧三重1区(5人区)の自民党公認3候補のうち、川崎二郎さん、北川正恭さんに遅れをとっていると分析した小沢幹事長が四日市に乗り込んできて、「これは角栄流選挙をやるしかないな」と発言。さらには、「金のワラジを編むしかない」とアドバイス。それを聞いて、当時はバブル期でしたから、「いったいいくらお金がかかるんだろう」と戦々恐々としていたところ、「金のワラジを編むしかない」とは「あいさつ回りを徹底するしかない」という意味で、言われたとおり、ていねいに回り、初出馬・初当選につながったとしました。
これについて、岡田克也さんは『政権交代』の31ページに次のように書いています。
[引用はじめ]
初めて立候補した頃、当時自民党の幹事長だった小沢一郎さんから、ともかく歩け、との助言を受けた。私は即、実行に移した。
「個人宅を毎日何十軒、何百軒も訪問するのは大変でしょう」と言われることがよくあったが、じつはとても楽しかった。
初当選前の活動では、差し出した名刺を目の前で破られたこともあった。しかしそれはまれで、衆議院議員選挙の候補者本人に自宅を訪問されていやな気持ちになる人は少ない。むしろ、概ねは歓迎される。地元の路地をくまなく歩いて地域の現状を知ることもできる。そもそも歩くことは体によい。つまり精神衛生上も、身体健康上も非常にいい。
訪問を重ねるうちに必要に迫られて、さまざまなノウハウが身につく。会話のテクニックもその一つだろう。まず、玄関に入ったら何か一つほめるポイントを見つけること。生け花だったり、置物だったり。お母さんの足にしがみついてこちらを見つめる子どもだったり。一言ほめることで、そのあとの会話がスムーズになる。一軒あたり数分間の勝負なのだ。
選挙運動を始めてから地盤がおおむね固まる当選2回までの間に、通算すると5万軒、いや7万軒は訪ね歩いたのではないだろうか。
[引用おわり]
このように「金のワラジ」について書いており、「元祖・小沢チルドレン」ぶりを披露しています。
[画像]早稲田学報のインタビューに答える岡田卓也さん(左、中央)と、岡田卓也さんと岡田3兄弟(元也さん、克也さん、昌也さん)=右、「日経新聞私の履歴書」から。
[写真]母校・早稲田大学商学部(11号館)にできた「岡田アトリウム(吹き抜け)」のプレート除幕式に出席した岡田卓也さん=早稲田学報。
[写真]民主党議員らと気さくにまじわる岡田ファミリー。岡田卓也・イオン創業者(中央)と左から藤田大助(三重5区比例)、芝博一(参院三重)、森本哲生(三重4区)、金森正(比例単独東海=四日市地元)、金子恵美(参院福島)の各民主党議員=左。
[写真]岡田元也・イオン株式会社代表執行役社長(中央)と森本哲生・民主党衆院議員(三重4区、農水政務官)ら=右。ともに、森本哲生さんのブログから。
【公明党が幹事長代理に富田茂之さんを昇格】
ところで、野田佳彦首相や、岡田克也民主党最高顧問と新進党時代から仲がよい、富田茂之さんがきのう(2011年10月27日)の公明党中央幹事会で、幹事長代理に昇格しました。粋な計らいです。公明党幹事長室は、井上義久幹事長、斉藤鉄夫幹事長代行、そして、幹事長代理に高木陽介さん、富田茂之さん、参院から木庭健太郎(こば・けんたろう、コバケン)さんという布陣になりました。最近、野田首相は10月から公邸なんかに住み始めたのがいけないのですが、顔色が悪くなっており、富田さんと話がしたいようです。
[写真]日本を前に進めるエンジン、左から野田佳彦首相、富田茂之・公明党幹事長代理、岡田克也・民主党最高顧問の「新進党」トリオ。
早稲田キャンパスに杉原千畝レリーフを設置|プレスリリース|早稲田大学
「日本のシンドラー」と称される早稲田大学校友の故杉原千畝氏の没後25周年を記念して、杉原千畝レリーフを早稲田キャンパス14号館前の広場に設置しました。
10月24日には、鎌田薫総長、稲門の政界・経済界の有志が中心となり設立した「稲門杉原千畝顕彰会」の方々、杉原家ご親族、「NPO法人 杉原千畝命のビザ」の方々、イスラエルの民間防衛大臣そしてイスラエル大使館・ポーランド共和国大使館・リトアニア共和国大使館の方々などが出席し、除幕式を行いました。
杉原氏は1918年に早稲田大学高等師範部第一部英語科予科に入学。翌1919年に外務省の官費留学生に採用・日露協会学校に留学したため本学を中退し、外交官となりました。第二次世界大戦の際にはリトアニアのカウナス領事館に赴任。ナチス・ドイツの迫害によりポーランド等欧州各地から逃れてきた難民の窮状に心を痛め、外務省からの指示に反して日本通過ビザを発給し、6,000人にものぼる人々を救いました。
このたび設置したレリーフは、「稲門杉原千畝顕彰会」から寄贈いただきました。レリーフに刻まれた「外交官としてではなく人間として当然の正しい決断をした」という杉原氏の言葉は、今後も後輩である学生たちに受け継がれていきます。
平成24年、2012年あけましておめでとうございます。
(といっても、予約投稿なので、まだ紅白も始まっていない時間に書いていますが・・・)
旧年中は当ブログへのご理解とご協力ありがとうございました。
例年に増して、日本人、日本国民であることに誇りと喜びを感じる年明けです。
ことしはアメリカ、中国、ロシア、台湾、韓国など各国で大統領選挙が行われます。
わが国のデモクラシーと政府のリーダーシップの安定性が試されます。それは解散総選挙をしないということではなく、解散総選挙しても安定した社会・国家の姿を見せることです。
1992年の宮澤内閣の第16回参議院通常選挙は、東京サミットのさいちゅうでした。このとき、整然とした日本の選挙戦に関心を持った人も多少いたようです。ただ、第16回参院選は「景気回復!自民党」ということで、与党が景気回復を訴えて、勝ったという世界的に稀な選挙でした。現政権のせいで景気が悪くなった、と考え、景気低迷期には野党ないし新人大統領候補が勝ちやすいのが世界の趨勢でした。最近では、わが国の国民もようやく、そういった判断の選択肢を得ることができるようになりました。
ことしも「今後の政治日程by下町の太陽」で解散総選挙に向けた情報もお伝えしていきます。
どうぞ平成24年、2012年、辰年もよろしくお願いします。
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