【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

TPP条約・一括法案の成立は、2016年秋の第191回以降国会に先送りへ

2016年04月19日 23時59分59秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

(この記事の初投稿日時は2016年4月20日午前9時半で、それから19日付にバックデートしました)

 自民党の佐藤勉国会対策委員長は、民進党の安住淳国会対策委員長に、平成28年2016年4月19日(水)、

 TPP条約の承認を求める件(190条約8号)とTPP国内実施一括法案(190閣法47号)を、第190回通常国会の会期(6月1日まで)末に衆議院に留め置き継続(閉会中審査手続き)し、2016年秋の臨時国会に先送りすることを決めました。 

 翌20日付の各新聞掲載に向けて複数の報道がありました。

 TPP条約は、規定上、12ヶ国中米国、日本などが批准しなければ、それ自体発効しません。米国での議会手続きがずれ込む見通しで、大統領就任有力候補が全員否定的な見方を示しています。この分野の米国リーディングメディアは、フロマン通商代表がチームを作り直す意向があるとも報じています。

 衆議院の環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(TPP特別委)は審議入り直後から、西川公也・元自民党TPP委員長の著書「TPPの真実」(発刊先送りの報道)をめぐって、野党・民進党が激しく抵抗し、同特別委は審議が10日前後止まりました。

 これとは別に、平成28年度熊本地震をめぐって、平成28年度第1次補正予算案の秋の臨時国会への提出の観測が浮上しています。ただ、連立与党・公明党の山口那津男代表は19日の定例記者会見で「予備費の活用」を求め、補正予算編成論をけん制しました。

 また、平成28年度熊本地震により、来年4月の消費税増税の先送り(見送り)の公算が高まっているとしています。

 さらに、平成28年度熊本地震により、「6月1日衆議院解散構想」による、衆参同日選の可能性が減ったとの見方が出ています。

 国会は、参院選を控えた連休前にさまざまな動きが出てきました。ただ、基本的には連休明けの、伊勢志摩サミットでの安倍晋三首相(自民党総裁)の発言次第と考えられます。それまでは、あまり「補正はどうなる」と首相の発言に注目しすぎると、政府自民党の求心力、さらには政府与党内の首相への求心力が高まりすぎる懸念がありますので、5月27日(金)午後の首相の発言まで、力を蓄える時期になります。

 第24回参院選の後の、「第191回国会」は、参議院議長の選出だけで終わる「院の構成」国会になると思われ、2016年秋の臨時国会の回次は、「第192回国会」になるとみられます。 

 この記事の本文は以上です。


自公のヘイトスピーチ法案も審議入り 国際協力銀行法改正案が委員会可決【4月19日(火)】

2016年04月19日 17時52分20秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 会期や、法案の処理について、一部報道が出ました。残り27営業日(今日、祝日を除き、サミットは含む)。第1次安倍内閣の2007年通常国会が延長によって、第21回参院選の自民党惨敗旧民主党大勝(「逆転の夏」)につながったことから、延長は無いでしょう。

 平成28年熊本地震に対して、激甚災害指定が遅れる一方、補正予算案編成の観測が浮上しています。これは、旧民主党政権が、一般会計で1兆円ないし2兆円の予備費を組んでいたのに比して、第2次第3次安倍内閣が一般会計で0・35兆円のみ予備費を計上していることと無関係ではありません。見せかけの財政再建ともいえそうです。

 きょうの国会は、多くの一般法案が審査されました。

【平成28年2016年4月19日(火)衆議院本会議】

 菅直人内閣の「辞任3条件」の一つだった、「FIT再生可能エネルギー全量固定価格買い取り法」の「改正案」(190閣法28号)の趣旨説明と代表質問がありました。辞任3条件によって、太陽光エネルギーは飛躍的に増えました。ただ、固定買取価格や電力料金上乗せ分が高くなりましたので、その手直しが必要となっています。代表質問では、民進党から本村賢太郎さんが本予算案の討論に続いて、登壇しました。経産相らが答弁しました。

 続いて、「障害者総合支援法改正案」(190閣法39号)について、厚労相が答弁しました。

 登壇する議員が党国対の評価が高い議員であることは間違いありません。ただ、自民党では、野田聖子さんが総務会長になった在職20年目に初登壇したことがありました。閣僚としてひな壇に座っても演壇に立ったことは無いようです。

【同日 参議院法務委員会】

 ヘイトスピーチ法案が動き出しました。

 自民党と公明党がまとめた、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みに関する法案」(190参法6号)が議題となりました。公明党の矢倉克夫さんが趣旨説明し「与野党の理解を得ている法案だ」と付け加えました。質疑では共産党の仁比聡平さんが「ヘイトスピーチの立法措置は急務だ」としながらも「いわゆる理念法とはいえ罰則規定がないのは法律の効力が弱いのではないか」との認識を示しました。民進党の小川敏夫さんは「この法案でもヘイトデモは無くならない」と強調。答弁に立った自民党の西田昌司さんは「罰則はないがヘイトスピーチを禁じており効果はある」と答弁しました。

 午後の部は、刑事訴訟法改正案(189閣法42号)の参考人質疑がありました。

【同日 衆議院財務金融委員会】

 「JBIC国際協力銀行法改正案」(190閣法25号)が質疑、討論。共産党は「リスクの高いインフラ輸出に融資するので原発輸出が増えるのではないか」と反対。採決は、共反対、自公民賛成多数で可決しました。附帯決議つき。

【同日 参議院内閣委員会】

 衆議院議員立法の「有人国境離島地域の保全と地域社会の維持に関する特別措置法案」(190衆法18号)が趣旨説明。質疑に対する答弁では、新潟2区の自民党の細田健一さんと民進党の鷲尾英一郎さんがともに佐渡島の現状を答弁。とはいえ、隣に座りながらも目をあわせない、小選挙区のライバル意識がほとばしる場面がありました。採決では、生活の党が反対し、自公民共が賛成多数で可決。次の本会議で成立へ。

【同日 参議院文教科学委員会】

 「国立大学法人法改正案」(190閣法35号)が共反対、自公民賛成多数で可決しました。

【同日 衆議院総務委員会】

 「ビッグデータ活用のための個人情報保護法改正案」(190閣法48号)の質疑。公明党の浜村進さんの質問はさわやかさを欠きました。

 民進党の逢坂誠二さんは、個人情報保護法の目的規定の書き換えを問題視。「並びに個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資する」との改正条項は、個人情報保護法の趣旨を歪めると指摘しました。おもに総務業行政管理局長が答弁。

【同日 衆議院法務委員会】

 「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号)と「入国管理法改正案」(189閣法31号)。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 「流通業務の総合効率化法改正案」(190閣法14号)。採決。共反対、自公民賛成で可決。

 一般質疑。

 そして、「港湾法改正案」(190閣法19号)を石井啓一国土交通大臣が趣旨説明して、散会。

【同日 衆議院環境委員会】

 まず、丸川珠代環境大臣が熊本地震の報告。政務官経験者の自民党の牧原秀樹さんが「環境省は(災害)ガレキ対策で経験を深めている」と評価しました。

 この後、「COP21パリ協定条約の国内実施のための温暖化対策法改正案」(190閣法51号)の質疑がありました。

【同日 衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆議院TPP特別委員会)】

 「TPP条約の承認を求める件」(190条約8号)と「TPP一括法案」(190閣法47号)。

 衆参の重要5項目決議と、関税撤廃品目の数字について、政府側の答弁が混乱。民進党の玉木雄一郎さんの質疑中に「前倒し」で、休憩となりました。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 「日比社会保障協定の条約承認を求める件」(190条約7号)が趣旨説明され、散会しました。

【同日 参議院総務委員会】 

 「NICT法改正案」(190閣法38号)。山本博司委員長が質疑終局を宣言。ここで「討論の通告があります」と話すと、討論省略ですぐに採決だと思っていた議員から「え!やるの?」との声が上がりました。働け!やる気が無いのは、公明党の横山信一さんあたりだと思います。旧民主党政権時から態度は悪いし、地元の農業の話しかしないし。

 共産党の吉良よし子さんが反対討論。吉良さんはおなかパンパンでした。横山さんらの怠慢で独立行政法人を肥え太らす法案は、共反対、自公などの賛成多数で可決しました。

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衆TPP特別委が正常化、参決算委は平成26年度決算省別審査が進む【4月18日(月)】

2016年04月18日 18時52分48秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真](きょねんの)4月17日の国会議事堂、筆者・宮崎信行撮影。

【平成28年2016年4月18日(月)衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆議院TPP特別委員会)】

 TPP特別委は、TPP条約の承認を求める件(190条約8号)とTPP一括法案(190閣法47号)。

 8日(金)のテレビ入り集中審議1巡目の野党途中からの再開になります。前回は与党がたっぷり3時間をつかい、農水族の質問に対して、首相、TPP相、農相、外相らが答弁。与党の理事や質問者が、「うん分かりやすい」と答弁を確認しながら進める姿が印象的でした。

 きょうの委員会は冒頭、西川委員長が「8日の質疑について謝罪」したうえで「政府に対してもしっかりした答弁を促す」立場を委員長として今後とることを明言しました。この後、平成28年熊本県地震で黙祷。

 民進党は、緒方林太郎さんが「我が党は岡田克也代表を本部長とする対策本部で対応している」「今朝の与野党の国会対策委員長会談で、TPPの審議よりも震災対応を優先すべきだとしている」と語り、震災対応について質疑しました。

 岸本周平さんはTPP一括法案に入っている「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」の改正条項について、「(輸入)ココアの9割は砂糖なんです」と分かりやすく説明。調整金制度の活用を求めました。

 篠原孝さんは、「自由貿易協定の条約で最も長い条文だ」と指摘。石原TPP相は「日本語のものはすべて目を通しています」と応じました。

 共産党の笠井亮さんも震災対応を優先すべしとしました。石原TPP相は「共産党は自由貿易条約の秘密協議は認めないという立場が一貫しているようだ」としながらも、署名した以上、議題となった条約の条文を前提にして議論するよう促しました。

【同日 参議院決算委員会】

 平成26年度決算の省別審査4日目。法務省、外務省、防衛省、最高裁判所、外務省系金融機能の決算審査でした。これが、卒業質問となる参議院議員も多いでしょう。

【同日 衆議院地方創生に関する特別委員会】

 きょうは「第6次地方分権一括法案」(190閣法52号)のみが議題となって審査しているようです。特区法改正案も同時に趣旨説明されましたが、分けて審査しているようです。質疑では、民進党の筆頭理事が、震災対応のため延期すべきだった、と委員会立てを批判しました。

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[災害]熊本県の熊本地方と阿蘇地方で地震が相次ぐ 「震度7」は前震、自衛隊2万人規模に

2016年04月16日 06時18分03秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

首相「14日を大幅に上回る地震」 政府が対策本部会議  


 九州の熊本県熊本地方で「震度7」の地震が、平成28年2016年4月14日(木)の夜に発生し、政府は災害対策基本法第24条第1項にもとづく、

 「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部」を設けました。

 熊本市の東側、熊本空港がある、上益城郡益城町(かみましきぐんましきまち)で、住宅倒壊などで亡くなった方が出ました。

 ところが、15日(金)深夜ないし16日(土)未明にも、熊本県阿蘇地方などでよりマグニチュードが大きい地震が発生。気象庁は14日の震度7は本震ではなく前震だったとし、本震が起きたとしました。

 これを受けて、安倍晋三首相と中谷元防衛相は、自衛隊の派遣を2000人規模から、あすには2万人規模にすると発表。現地では、九州自動車道が広範囲でひび割れしているほか、宇土市役所庁舎が使えないほか、一部の橋が崩落するなどインフラに被害が出ています。

 経済でも、トヨタ自動車系の部品メーカー、サントリーなどの工場が操業のめどが立っておらず、復旧復興にはかなりの日数がかかる可能性が出てきました。

 国会では、金曜日にテレビ入りTPP特別委員会が、首相の震災報告のみで散会。明けて、月曜日朝8時55分から審議する予定が、金曜夕に合意されている状況です。

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[訃報]山岸章さん、連合初代会長として労働戦線統一、細川護熙内閣の民間最大の立役者

2016年04月15日 21時05分39秒 | その他

連合の初代会長、山岸章氏死去…病名伏せ手術も  

 連合の初代会長を務めた山岸章(やまぎし・あきら)氏が10日、死去した。

 86歳だった。告別式は家族で済ませ、後日、連合などの主催で「お別れの会」を行う予定。

 大阪市出身。海軍の特攻隊要員として敗戦を迎え、戦後は郵便局で働きながら労働運動に参加。1982年7月には全電通(現NTT労組)の委員長に就任した。

 思想の違いや官民の枠を超えた労働組合の大同団結を唱え、89年11月の連合結成に尽力。約800万人(当時)の組合員のトップに立った。就任直後の90年には胃がんの診断を受けたが、発足直後の連合を軌道にのせるため、病名を伏して手術を受け、会長職を務めた。

 ◇

 gooニュース・読売新聞によると、日本の労働戦線統一に成功した連合初代会長で、有権者が政権交代を選択した、歴史的な1993年細川護熙内閣(羽田孜副総理)を裏で支えた最大の歴史的功労者である、山岸章さんが、今週、平成28年2016年4月10日に亡くなっていたそうです。享年86。伝統的に労働運動に関する報道があつい、読売新聞が報じました。

 山岸さんは、公務員である、電電公社の労働組合「全電通」の出身。現在の「情報労連」で、この間、もっとも公務員から民間へ変化した働く仲間の代表でした。

 今で言う電機連合が先鞭をつけた、労働戦線統一に成功し、連合、日本労働組合総連合会会長に就任。


[画像]1989年の連合統一大会と、あいさつする山岸章・初代会長、「友愛会から連合へ 日本労働運動の100年」からスクリーンショット。

 細川内閣では、事実上、民間人の最大の立役者として、7党1会派の馬車をきづきあげ、民主政治の一つの到達点を示しました。

 ただ、山岸会長の後、連合会長には、公務員系労組出身者は一人もついていません。第2代芦田甚之助会長は、UAゼンセン出身で、橋本龍太郎内閣の行政改革会議委員として、「郵政省廃止」を含む法案のとりまとめにあたりました。

 芦田会長の退任で発足した、鷲尾悦也会長(基幹労連)・笹森清事務局長(電力総連)は、たまたま永田町の身勝手な一人の政治家(小沢一郎氏)の行動がきっかけで、誕生した「民主党」の対応を検討。3つの支持政党がある「連合股裂き」の解消策として、連合は政党を支持しない方向性も検討。しかし、鷲尾さん笹森さんは、民主党支援を決め、1998年参院選で民主党が大勝し、橋本内閣は退陣しました。その後、芦田さんは行革会議委員の実績で旭日大綬章を受けました。鷲尾さん、笹森さんは、連合会長として旭日大綬章をもらいました。なので、山岸初代会長のみ大綬章は受けていません。 


[写真]山岸章初代連合会長、友愛労働歴史館展示写真から、筆者(宮崎信行)撮影。 

 私は連合の歴代会長で、山岸さんだけは直にお目にかかったことはないと思います。ただ、そのエピソードで尊敬するのは、党員として最大野党・日本社会党の大会に出席したときのことです。

 公務員系労組中心の社会党では、民間労組との統一をすすめる山岸党員に対して、仲間が背広をビリビリに破るという嫌がらせをしましたが、山岸さんはそのまま毅然と出席したそうです。

 その後、山岸さんは最大野党を離党し、その政党は二大政党から転落しました。

 私は思うのですが、旧民主党が連合の支援を受けられたのは、偶然にも、芦田会長から鷲尾会長(および笹森事務局長)にバトンタッチしていたという奇跡がもたらしたものだと考えます。今、連合の会長は鷲尾さんの後輩、事務局長は芦田さんの後輩になります。組織というものは、しょせんは、すべては人だと感じます。

 重ねますが、山岸さんは旭日大綬章にふさわしい方だと信じます。

 山岸章さんの心よりのご冥福をお祈りいたします。 

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漸進的改正の特区法案審議入り特商法・消契法「先週TPP今週天災」で今国会困難か【4月15日(金)】

2016年04月15日 18時54分16秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 共同通信の豊田祐基子記者の「共犯の同盟史ー日米密約と自民党政権」(岩波書店)によれば、少しずつ改正して国民の関心を削ぐ、「漸進主義」でやってきたそうです。特区法もまさにそれで、観光立国のために、地区を区切って・・・という条件のもと、白タク解禁の法案が審議入りしました。

 ゆうべ、熊本県で震度7の「平成28年熊本県熊本地方地震」がありました。河野太郎消費者相が「防災相兼国家公安委員長」に専念したようです。特定商取引法と消費者契約法の各々の全面的な改正法案は今週も審議入りせず。先週「TPP」、今週は「天災」で2週以上審議入りが遅れました。さすがに天災で入れないとなると、秋に先送りの公算が強まりそうです。

【平成28年2016年4月15日(金)衆議院地方創生に関する特別委員会】

 まず、一般質疑。いつも通り、石破さんのよもやま話という風情でした。

 この後、きのうの本会議で別々に趣旨説明と代表質問があった2法案が、委員会では同時に趣旨説明されました。

 「第6次地方分権一括法案」(190閣法52号)と「特区法改正案」(190閣法53号)です。

 上述の通り、特区法改正案には白タクが入っています。私は去年10月からこの動きを報じていますので、関連エントリー2本をこの記事の後ろに貼り付けますので、興味がある方は読んでください。

【同日 衆議院法務委員会】

 すでに趣旨説明していたものとあわせて、昨年提出の2法案が同時に議題となりました。

 「入国管理法改正案」(189閣法31号)と「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号)です。

 前者は介護人材の受け入れ、後者は独立行政法人の設置です。

 きょうは与党の質疑のみで散会しました。

【同日 衆議院環境委員会】

 「地球温暖化対策推進法改正案」(190閣法51号)が趣旨説明されました。

【同日 参議院本会議】

 きょねん提出されていた、「日本カンボジア航空協定条約の承認を求める件」(189条約13号)と「日本ラオス航空協定の条約承認を求める件」(189条約14号)が両院承認されました。

 「改正サイバーセキュリティ基本法」(190閣法11号)が成立しました。

 「中小企業の生産性向上法案」(190閣法46号、参先議)が可決し、衆に送付されました。

 きょねん提出された「確定拠出年金法改正案」(189閣法70号)は、施行日に関する技術的な修正案を可決し、衆に回付されました。

 与党ペースとみられた今国会で、「4月1日施行」に間にあわず参で修正し、衆に回付するパターンが相次いでいることについて、最大野党民進党の岡田克也代表は、同日昼の衆院内での記者会見で「意図してそうしているわけではない」と語りました。


[写真]民進党の岡田克也代表、2016年4月15日、衆議院内、筆者・宮崎信行撮影。
 責任政党・民進党は健全な審議をしていることを強調。私もその通りだと思います。与党・衆・国対と内閣官房のコミュニケーションがよくないような気がします。

【同日 衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(TPP特別委)】

 まず、安倍晋三首相が、昨晩の平成28年熊本県熊本地方地震について報告。「必要ならば当委員会を離席したい」。この発言を受けて、特別委員長が理事を呼びました。この後、地震対応を優先するために、委員会は審議せず、散会しました。

【同日 衆議院国土交通委員会】

 谷公一委員長の指導で黙祷。この後、谷委員長は「国土交通省は当分、災害対策に専念していただくこととして、本日は散会します」と語りました。

【同日 衆議院消費者問題に関する特別委員会】

 開かれませんでした。河野太郎消費者相が、災害相と国家公安委員長を兼務しているためと思われます。このため、特商法と消契法の全面的な改正案は2週連続で、趣旨説明されませんでした。これはちょっと今国会は厳しいでしょう。天災ですから、どうにもならない。

【同日 官報】

 「戦傷病者の妻に対する特例給付金法の10年延長法」が平成28年4月15日法律28号として公布され、ただちに施行しました。

 「成年後見制度の利用促進法」が平成28年4月15日法律29号として公布されました。国会の成立日の関係で「成年後見人に直接郵便を送ってもらえる法律」が水曜日公布で、「一般の地域住民(顔役)も、研修を受けたり、助言をもらいながら、成年後見人ができる法律」はきょう公布されました。ここ数日新聞で報じられていたのはきょう公布された法律の方です。水曜日の法律は6か月以内に施行、きょうのは、1年以内に施行。なので、同じ日に公布するわけにはいかなかったのでしょうか。さて、きょうの法律に関しては、地域の顔役で名乗りを上げようかという人がさっそく出ています。あるいは、民進党地方議員も、名乗りを上げたらいいかもしれません。

きょうの国会に関する記事はここまで。以下は、過去の関連エントリーのご紹介です。

[当ブログ内の過去の記事から引用はじめ]

「白タク」解禁の特区・政令・省令を検討し必要なら「特区法などの改正法案」2016年通常国会提出へ

2015年10月21日 03時37分13秒 | 第190回通常国会(2016年1月~)

 現在は「白タク」と呼ばれ、禁じられている、自家用車タクシーを解禁する方向で調整が進むことになりました。

 安倍首相が、平成27年2015年10月20日(火)の第16回国家戦略特別区域諮問会議で、発言しました。翌日付読売新聞などが報じました。これに先立つ、20日付日経も報じていました。

 同日の配布資料の中にこの項目はありませんが、仙北市特区から要望が出ているようで、今後、特区、政令、省令のいずれかで解禁できないか内閣官房が各省庁と調整することになりました。

 首相は「過疎地などでの観光客の交通手段に、自家用車の活用を拡大する」と述べた、と報じられており、全国で解禁するには、道路運送法などの改正が必要になります。

 必要ならば、平成28年2016年1月に召集される通常国会に改正法案を提出するかまえ。

 提出時期は、2016年3月になるとみられます。

[引用おわり]

[当ブログ内の過去の記事から引用はじめ]

特区法改正案、ごく一部地域で、白タク・企業の農地取得・薬剤師遠隔指導を解禁

2016年03月03日 11時22分44秒 | 第190回通常国会(2016年1月~)

 政府の内閣府地方創生室の国家戦略特別区域諮問会議は平成28年2016年3月2日(水)の第20回会議で、とりまとめをしました。

 まもなく、第190回通常国会に提出。

 国家戦略特別区域法(平成25年12月13日法律107号)を改正する形態をとって、 道路運送法(昭和26年法律183号)などに例外を設けます。

 当ブログの昨年10月のエントリー=このエントリーの末尾に全文掲載=で報じて反響が多かった「白タク特区」。「過疎地等での自家用車自動車の活用拡大」として、「主に観光客を、市町村・運送実施予定者・交通事業者の相互の連携により協議する特区」を道路運送法の改正で盛り込みます。

 このほか、

 ・薬剤師が特区内の遠隔診療で、テレビ電話により服薬指導する特区(医薬品医療機器法の特例)

 ・特区内の臨床研究中核病院をめぐる革新的な医療機器の開発迅速化(薬機法の特例) 

 ・法定障害者雇用率の通算が可能となる組合を増やして異業種の中小企業の障害者雇用を推進する特区(障害者雇用促進法の特例)

 ・クールジャパンの海外転換や、インバウンド(日本への外国からの観光客)に対応するため、就労の機会を1年以内をめどに検討する特区(本則の改正)

 ・出入国の手続きを迅速化するために民間事業者と連携する特区(本則の改正)

 ・企業の農地取得を5年間の時限措置として認める特区(農地法改正)

 の合計7つの特区です。

 閣議決定の政策パッケージ「日本再興戦略改定2015」(平成27年6月30日)に盛り込まれた、「アベノミクス第2ステージ」の両輪「未来投資の生産性向上」と「ローカルアベノミクス」の推進を法定化するもの。

 ここまで書いて、私自身が何が何やらちんぷんかんぷんですので、自分で翻訳します。

 観光客向けの自家用車の利用、企業の農地取得、薬剤師のテレビ電話での服薬指導に風穴があいたといえそうです。これらが、区域を広げ、時限措置が恒久措置になっていくかもしれないということです。

 法律が施行しても誰も何も実感しないでしょう。

 このような構図の複雑化により情報を囲い込む。法律は天皇陛下が公布し官報で掲載し、インターネットで情報をとれるのですから、文句は言えない。これが自民党政権の常とう手段です。

 既得権益者の方が情報入手力があるので、第3の矢成長戦略(規制改革)の恩恵を得るのは既得権益者です。

 法案は、衆議院地方創生に関する特別委員会、参議院地方・消費者問題に関する特別委員会に付託されると思われます。

[引用おわり]

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[お知らせ終わり]

 


参で刑事訴訟法改正案が審議再開 中小企業の生産性向上法案が参委可決【4月14日(木)】

2016年04月14日 19時29分52秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 参議院で大きな動きが2つ。まず、刑事訴訟法改正案(189閣法42号)が、きょねん8月21日(金)の参議院本会議以来、審議が再開しました。機械の固定資産税を半額にする「中小企業の生産性向上法の改正案」(190閣法46号)の質疑があり全会一致で可決。あす衆院に送られます。

 ◇

 ところで、Google検索では、検索先のページでの滞在時間が長かったページが、検索結果の上位にひっかかるようになっています。そのため、当ブログでは、このブログ内の存在する関連記事をご紹介する際、リンク先アドレスではなく、ほぼ全文を当該ページに貼り付けるよう、今後の編集方針をとっていきます。記事の作成に活用した引用元のウェブサイトの一覧は、ひきつづき、ページの末尾に掲載していきます。

【平成28年2016年4月14日(木)参議院経済産業委員会】

 「中小企業の生産性向上法改正案」(190閣法46号参議院先議)の質疑が行われました。

 民進党の柳澤光美さんは政権時には経済産業副大臣をつとめました。UAゼンセン組織内。今国会で勇退します。柳澤さんは「久しぶりの経産委だ」として、「経営力向上計画をつくるうえでの認定経営革新等支援機関は引き続き指定されるのか」と問い、政府側から確認を得ました。副大臣経験者らしく「これとは別の法律である産業競争力強化法の第6章に書き込んだり、新法で対応できなかったのか」と具体的な法制執務的な提案。もちろん、すでに議題となった法案ですので、「今後は、ある程度時限を限って見直すべきだ。経営支援メニューの棚卸しが必要だ」と中期的な提言をしました。

 審議はきょう1日だけで終了。討論はなく、採決。全会一致で可決しました。あすの本会議で可決。参先議なので、衆議院に送付。衆では、原発の法案があるため、成立は連休明けと思われます。

 関連エントリー記事は、この記事の下の方につけますので、ご関心があれば、お読みください。

【同日 参議院法務委員会】

 今国会の注目点だった「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号衆修正)がついに審議入りしました。

 民進党の小川敏夫元法相はまず、「憲法の通信の秘密(21条2項)があるが、通信傍受の乱用防止は法案でどのように保証されているのか」と問いました。この法案は、束ね法案で、(1)いわゆる可視化(2)通信傍受の拡大(3)司法取引の新設ーーの3点セットですが、やはり通信傍受の拡大を問題視していたようです。衆では、当時の上川陽子法相が答弁しましたが、内閣改造があり、参では岩城光英法相の答弁になります。岩城法相は「裁判官による傍受令状が必要だ」と語りました。小川さんは重ねて、「例えば、通信傍受の現場に、事件とは無関係の、有名芸能人の親戚から電話が来たら、現場の捜査官は自分の判断で聞いてしまおうと思うのではないか」と尋ねました。法相は「たしかに事前に止める手立てはない」としながらも、「捜査の証拠には使わない」と理解を求めました。

 日本共産党の仁比聡平さんは、足利事件や今市事件を例に、「衆では質疑されなかった」可視化の問題点を突きました。衆での参考人質疑に登場した「それでもボクはやってない」の周防正行監督の意見が多く引用されました。

 この後、さっそく第1回目の参考人質疑の開催が、魚住裕一郎・法務委員長に一任されました。

 最後に、今月就任した、新しい最高裁判所事務総長があいさつ。この中で「裁判員裁判はおおむね順調に進んでいる」との認識を示しました。
 
【同日 衆議院本会議】

 まず参から回付された「改正地域再生法」(190閣法15号)が同意され、成立しました。日本版CCRC生涯活躍のまちや、企業が自治体に寄付した場合の控除制度を盛り込みました。

 続いて、「第6次地方分権一括法案」(190閣法52号)が審議入り。地方版ハローワークが入っていますが、第6次となると、さすがに小粒な地方分権という印象です。

 これとは別に、「国家戦略特区法改正案」(190閣法53号)が審議入り。こちらも累次の改正で、(構造改革特区ではなく)国家戦略特区のみの改正法案ですが、企業の農地所有を時限で認める農地法の特例措置が焦点になりそうです。後述しますが、衆議院農林水産委員会は衆議院地方創生に関する特別委員会に対して連合審査会の開催を要求しました。

【同日 衆議院農林水産委員会】

 まず、「国立研究開発法人森林研究整備機構設置法案(森林法改正案)」(190閣法50号)が趣旨説明されました。この後、上述の通り、同日衆本で審議入りした特区法改正案に盛り込まれた、農地法の特例に関して、衆議院地方創生に関する特別委員会に対して連合審査会を申し入れることを議決しました。

【同日 衆議院総務委員会】

 「ビッグデータ活用のための関係法律の一括改正法案(個人情報保護法改正案)」(190閣法48号)が趣旨説明されました。匿名加工情報のビッグデータ販売が可能になります。これとは別に、医療分野でのさらなる改正を安倍首相が官邸内の規制緩和に関する会議に対して指示したと報じられました。自民党政府には、国民への分かりやすい説明を求めたいところです。

【同日 参議院内閣委員会】

 「サイバーセキュリティー基本法改正案」(190閣法11号)が審議されました。山本太郎さんが「原発へのサイバー攻撃」を勘案した修正案を提出しました。修正案は否決。この後、討論では、日本共産党の山下芳生副委員長(前書記局長)が反対。採決では、共生反対、自公民賛成で可決しました。あす成立。

 この後、一般質疑としての参考人質疑を議決しました。参議院事務局によると、子ども子育ての一般調査として参考人質疑をすることで合意されており、新年度入りでやや沈静化した感じもある「保育園国会」はまだまだ続く気配です。言いたいことがある人は今のうちに国会に言ってしまいましょう。

【同日 参議院厚生労働委員会】

 きょねん提出された「確定拠出年金法改正案」(189閣法70号)。与党から技術的な修正案が出ました。共社反対、自公民賛成で修正議決しました。あす可決し、衆に送付、来週成立のはこび。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 「日本カンボジア航空協定の条約承認を求める件」(189条約13号)と「日本ラオス航空協定の条約承認を求める件」(189条約14号)が全会一致で承認されました。あす、両院承認。

【同日 参議院総務委員会】

 「NICT法改正案」(190閣法38号)が審議入りしました。

【同日 参議院文教科学委員会】

 「国立大学法人法改正案」(190閣法35号参先議)が審議入り。馳浩文科大臣「卓越した研究をする大学を優遇するとともに、すべての国立大学法人の資産を活用する」という感じの趣旨説明でした。一部の国立大学を優遇するのか、すべての国立大学を優遇するのか、さっぱり意味の分からない法案です。文部科学省高等教育局は、もっと高い志でやってほしいです。明治維新文明開化の黄昏を感じる、と言ったら大げさでしょうか。

【同日 参議院環境委員会】

 「PCBポリ塩化ビフェニール処理特措法改正案」(190閣法40号)が趣旨説明されました。

きょうの国会審議の概要は以上です。

 続いて、きょうのエントリーに関連する、当ブログの過去の記事をご紹介します。

○関連エントリー

当ブログ内エントリー記事から全文引用はじめ]

中小企業の生産性向上設備投資促進税制の裏打ちとなる、中小企業等経営強化法案提出

2016年03月04日 23時59分37秒 | 第190回通常国会(2016年1月~)

(このエントリーは2015-12-08 10:15:46に投稿したものを全面的に書き直して再投稿)

 政府は平成28年2016年3月4日(金)、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の一部を改正する法律案」(190閣法46号)を提出しました。

 経済産業省は昨年「生産性向上設備投資促進税制」を要望し、平成28年度税制改正大綱で認められました。これをもとに、当ブログは昨年12月、「中小企業の生産性向上に関する法律案」と報じましたが、経済産業省は「中小企業等経営強化法案」の愛称で、今回の法案を提出しました。

 法案は、中小企業・小規模事業者等は、経営力を向上させるための事業計画(「経営力向上計画」)を作り、事業所管大臣の認定を受けると、固定資産税の軽減(3年間半減)や金融支援等の特例措置を受けることができる、という内容。

 固定資産税は総務省の所管のため、国会での質疑では総務省、経済産業省双方の答弁を求めることになりそうですが、法案は今国会で成立すると思われます。公布から3か月以内の政令で定める日に施行。

●以下は、2015-12-08 10:15:46の初投稿時の内容です。  

 政府自民党は、平成28年2016年1月に召集される第190回通常国会に、「中小企業の生産性向上に関する法律案」(第190閣法 号)を提出する見通しとなりました。

 きょうの読売新聞で知りました。

 生産性が年平均1%以上上がる設備投資が対象。

 「平成28年度(2016年度)の税制改正(地方税)法案」に、2016年度から2018年度までに、機械を購入した中小企業の、機械にかかる固定資産税を本則の年1・4%から0・7%に引き下げる改正条項が入りそうです。

 この政策減税により、地方税(市町村税)は年額180億円の減税が見積もられているようです。人口10万人の市で年2000万円の減収。

 機械のような動産に固定資産税をかけている国は少ないそうです。今後も固定資産税の課税客体から機械は除く方向で、中長期的な税制改革が進む見通し。

 「中小企業の生産性向上に関する法律案」は、経済産業委員会に付託される見通し。年次税制改正(地方税)法案は総務委員会に付託されると思われます。

 両院の両委員会の4委員長は公明党2名、自民党1名、民主党1名の配分なので、ていねいな根回しの後に、提出されるのではないでしょうか。審議されれば、3月に成立し、4月1日に施行すると推測されます。

 ◇

 政府自民党はあさって、税制改正大綱をまとめる見通し。これを財務省と総務省が税制改正法案にまとめて、提出します。

 自民党税制は、「重箱」をつくって、「あんこ」を入れる格好になります。

 おととしの臨時国会の召集日に「産業競争力強化法」が提出されました。参議院事務局がつくった法案要旨に、「設備投資を通じた企業内での新陳代謝の活性化のため、リスクの高い先端設備投資を促進するための措置を講ずる」とあります。平成25年12月11日法律98号となりました。

 そして、年明けの通常国会の2月に提出された、平成26年税制改正(国税)法には、「生産性の向上につながる設備(先端設備等)を取得した場合に、即時償却又は五%税額控除ができる制度(生産性向上設備投資促進税制)を創設する」とあります。

 これにより、「産業競争力強化法」という重箱に、税制改正であんこが入ったわけです。

 2つの法律を足すと、「先端設備投資をすると、即時償却ができる」。つまり、新しく買った機械は、減価償却ではなく全額、その期(年度)に即時で償却できる。全額経費となるので、利益を減らして法人税を減らすことができます。

 そんなこと知らなかったなあ、というのが読者のみなさまの正直な印象でしょう。

 アベノミクスの大きな推進要素となったこの政策減税。実際には、安倍首相はおととしの臨時国会を事前に「産業競争力強化国会」と名付けていました。しかし、「特定秘密保護法国会」となりました。

 しかし、法案として国会で審議していたのですから、それをもって、非民主的とは言い切れません。

非民主的なのは、複雑な税制だと考えます。

 私の憶測では、先の通常国会で成立した「都市農業振興基本法」と「女性の活躍推進法」は、そのような重箱だと考えます。女性の活躍では「罰則規定が無い」とする批判を新聞で見ました。おそらく法人税の租税特別措置が、平成28年度か平成29年度かの年次税制改正法案に入ってくるのだろうと推測しています。

 これらのすべてのもとのなるのが、あさって決まる自民党税制改正大綱、与党税制改正大綱、政府税制改正大綱なのです。

 これに抵抗して、民主党は、政府税制調査会の会長を財務相、会長代行を総務相として、インターネット中継する改革をしました。が、有権者の関心を呼ばず、罵声の中、民主党は政権を去りました。

このエントリー記事の本文は以上です。

[全文引用おわり]

当ブログ内エントリー記事から全文引用はじめ]

刑事訴訟法・刑法など改正の「可視化」「司法取引」法案が第189通常国会提出へ、成立時期ずれ込みも

2014年07月10日 05時25分54秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 刑事事件の2~3%にあたる殺人など裁判員対象事件や、特捜部独自捜査事件での、取り調べの可視化・録画録音を義務付けるとともに、経済事件での司法取引や、通信傍受法の対象を拡大するなどの、刑法・刑事訴訟法・通信傍受法などの改正の答申案を法制審議会の部会が2014年7月9日まとめました。秋の法制審総会で法相に提出するはこび。刑法・刑事訴訟法・通信傍受法などの改正法案は、第189回通常国会(2015年1月召集)に提出する見通し。

 法制審の他の部会が進めている、民法債権編(債権法)の施行以来120年ぶりの大改正法案の要綱と同じく、「骨抜き」があるようです。ともに民主党政権の法相が法制審に答申し、数年かけている間に、自民党政権となって官僚、既得権益者、審議会委員、族議員らにより骨抜きされてしまった要綱となったようです。

 さらに、来年の通常国会で両方が議論されるとなると、ともに成立させるのは、至難の業となりそうです。

 ただ、第46期衆議院では、法務省提出法案が増えており、第2次安倍内閣の法案のうち、提出から成立までもっとも時間がかかっている「テロ組織への資金提供禁止法案」(183閣法30号)は、衆・法務委が1日審査しただけで、継続審査となっています。

 もともと、債権法改正は2009年に千葉法相、刑事訴訟法改正は2011年に江田法相が法制審に諮問した順になります。ともに重要法案であり、衆議院先議になる見通し。

 さらに、法務省関係で特別委員会が設けられたことはありませんし、だいいち、答弁に立つ法務大臣は一人です。内閣法制局は第2部が担当しますが、集団的自衛権を行使する自衛隊法など安保法制再整備法案も第2部の担当になります。民法改正と刑法改正を通常国会の衆議院予算通過後に審議入りしても、会期内に参議院で両方成立させるのは常識的に不可能と考えられます。性質からして、与野党など議院修正はかなり難しい法案です。法務省内の「刑事局は民事局よりも偉い」という対立が白日のもとにさらされるかもしれません。

 債権法では「会社・社長以外の連帯保証人を無効とする」、刑訴法では「全事件を可視化する」という部分は骨抜きになっており、民主党の対応が焦点になりそうです。いずれにせよ、両方のうち、少なくとも片方は、衆参選挙イヤーの2016年通常国会までもつれると思われます。衆参法務委から国政全般を巻き込んだ大政局が起こるとは思えませんが、二大政党の「姿勢」を「見る人は見ている」ということになりそうです。まさに、谷垣さんの口癖、「民、信なくんば立たず」になりそうです。

 法制審部会の答申案はまだ法務省ウェブサイトには掲載されていませんが、報道によると、次のような内容です。

 ・裁判員裁判対象事件(殺人・放火など)や検察独自捜査事件の取り調べについて、全過程を可視化するよう義務付け、機材などが整ってから開始する。

 ・企業、汚職、薬物犯罪などで容疑者・被告に不起訴処分や求刑の軽減を約束したうえで、他人の犯罪について供述させる「協議・合意制度」(司法取引)の導入。

 ・振り込め詐欺、組織的窃盗など9種類の犯罪でも通信傍受ができるように追加する。

 ・国選弁護人の対象を全事件の容疑者に拡大する。

 ・検察官が弁護士に対して「証拠一覧表」を交付する。

 ・犯人隠避、証拠隠滅、犯人威迫などの罪の法定刑を引き上げる。

 ・ストーカー、性犯罪などの被害者の氏名・住所を、証人尋問や証拠開示で被告側に明かさない制度を導入する。

 細川・羽田内閣を含めて、非自民法相はほとんど死刑を執行しておらず、戦後の死刑執行は自民党員の法相が9割5分以上になります。しかし、小川敏夫ネクスト法相(元法相、参・法務委)は谷垣法相よりも前に死刑執行命令を出した当事者経験があります。(「死刑執行を発表する小川法相記者会見要旨」はこちら)、私は刑法訴訟法第475条などによる死刑執行こそ我が国法体系を守るために必要であり、究極の政権担当能力であると考えています。

 鳩山元法相が自民党に復党したようですから、現在、二大政党以外に死刑執行経験者はいません。公明党、維新、みんなに刑法・刑訴法に関する議論をする資格はない、その党内法務部会に何の意味もない、と私には思えますが、いかがでしょうか。

 大臣の心の重荷は情報公開法が軽くします。民主党政権の千葉景子法相は、実際に死刑執行を見ました。死刑執行経験者同士の静かなバトルという、政権交代ある二大政党政治のひっそりとしながらも本格的な幕開けです。

[追記 2015年1月6日 午前9時]

昨年末に衆議院解散があり、第188回特別国会が開かれました。このため、2015年1月召集の通常国会の回次は「189回」となりました。タイトルを「189回」に修正しました。
[追記終わり] 

[全文引用おわり]

[当ブログ内エントリー記事から部分引用はじめ]

参議院で刑事訴訟法改正案が審議入りも継続審査の見通し 7常任委員会開かれる きょうの国会

2015年09月10日 15時33分14秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年9月10日(木) 参議院法務委員会】

 司法試験の出題委員の法科大学院教授の漏えい事件が発生。東京地検特捜部は「土地勘」があるようで、捜査しているようです。さっそく、これに関する一般質疑がありました。

 この後、今国会の重要案件である「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号=衆議院修正)の趣旨説明がされました。「通信傍受拡大」「可視化新設」「司法取引新設」の3本立て。ただ、会期末まで2週間しかありませんので、参で継続審査になることは確実。ちなみに「3年以内に施行」と条文には書いてあります。

[部分引用おわり]

[当ブログ内エントリー記事から部分引用はじめ]

領域警備法案などが実質審議入り 刑事訴訟法改正案はホリエモン参考人質疑 きょうの国会

2015年07月10日 22時09分10秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【同日 衆議院法務委員会】

 「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)のロングラン審査がなおも続きます。私も含めて「労働法制、安保法制なみに重要法案なのになかなか目を注げない」状態が続いていましたが、きょうのたぶん合計4回目の参考人質疑は1人だけ意見を述べ、1人に質疑するという珍しい形式。ホリエモンこと堀江貴文さん(SNS株式会社創業者)が登場し、ライブドア事件で東京地検特捜部に逮捕され、拘留されたときの経験と、その後の活動で得た知見を披露しました。このもようは、一部テレビニュースでも報じられ、ようやく関心が高まりそうです。


[画像]衆議院法務委員会で、刑事訴訟法改正案で参考人として陳述する、堀江貴文元ライブドア代表取締役、2015年7月10日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 堀江さんは、ライブドア代表取締役として拘留されていた時に「精神的なプレッシャーで脳の記憶が書きかえられてしまう。会ったことがない人と共謀したかのように錯覚してしまう」とし、「民主党議員の偽メール事件が拘留中に起きた時は、『ひょっとして自分が酔ったときにそんなメールを送ったのかな』 と思うほどプレッシャーを感じながら過ごした」、「私は公判前整理手続きで裁判官の裁量保釈により保釈された。今回の改正法案には司法取引が入っているが、今は検察審査会もあるが、検察官だけが起訴できる、検察官起訴便宜主義であり、(ライブドア事件のような)検察官独自捜査事件では、『不起訴にする、起訴猶予にする』と言って主犯格を追い詰めることができる」などと語りました。

 議員からの質疑に答えて、「(捜査中に)おかしいと思っていたことが、証拠開示制度により、部下の巨額の横領だったことが裁判で分かったこともある」、「拘置施設の職員が少なく、金曜日、土曜日に弁護士の面会がしずらい。そのため、特捜部は土曜日、日曜日の取り調べでぐっと攻めてくる。今後は弁護士が同席して取り調べてほしい」と語りました。

 一人だけの参考人質疑なので、1時間強で終了し、法案審査に。

来週からは、民主党の山尾志桜里筆頭理事、維新の党の井出庸生理事が、与党・自民党と法案修正協議にのぞむことになります。

 なお、徹底審議により、少しずつ与野党がほぐれてきた面もあり、自民党の元法務副大臣(元日産自動車取締役、世襲議員)の奥野信亮委員長が特定の野党系無所属議員に対して、「これからはなるべく出席してくださいね」と促しながら、「次回は14日に開く予定ですが、最終確認してから、公報をもってお知らせします」と語りました。与野党間の堀が狭まってきたので、ぜひ修正をして、国会が検察より上位にあることを超党派で示してほしいところです。

[部分引用おわり]

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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Twitterアカウントを再開しました。 

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Twitterアカウントを再開しました

2016年04月13日 21時21分15秒 | その他

 Twitterを再開しました。

 英国議会議員をフォローしていた別アカウントを「宮崎信行」の公式アカウントに衣替えしました。

 前のアカウントの一時凍結の理由はいまだにわかりません。前日に1万人前後、突然フォロワーが増えていたので、なんらかのスパムと思います。

 ところが、運営会社日本法人は、住所、電話番号を公開しておらず、民間の信用情報調査会社にも法人として登録されておらず、連絡がとれません。

 しかし、このブログの新規エントリーの、その当時のアクセス数が減少傾向。そこで、ブログ更新のお知らせなどを中心にTwitterを再開することになりました。 

 この記事の本文エントリーは以上です。


TPP条約・法案先送りの公算と読売1面報道【4月13日(水)】

2016年04月13日 17時03分00秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 2016年4月13日(水)付け読売新聞1面トップは、TPP条約・TPP国内実施法案の今国会(6月1日まで)での成立を見送り、衆議院に留め置いたまま継続審査とすることを、安倍晋三首相(自民党総裁)が複数の自民党関係者に伝えたと報じました。

 この動きは、先週末のNHKニュースも、自民党内の一部の声として報じていました。

 また時事通信は、午前9時22分、佐藤勉・自民党国会対策委員長がその可能性に言及したと速報しました。

 先週の審議入りでの、審議過程情報黒塗りと、特別委員長の出版に関してつまづいたことも影響していると記事は解説しています。

 仮にTPPの審議がこのまま止まると、第190回通常国会は峠を越すどころか何をしたらいいのか方向感がない国会となります。

 児童扶養手当法改正案と、刑事訴訟法改正案しか、会期中にはめたい法案はないと考えます。

 首相の判断が事実とすれば、議題が少ない中、安保法廃止法案の審議入りを求める野党が勢いづき、3カ月後の参院選に影響を与えるかもしれません。

【平成28年2016年4月13日(水)衆議院法務委員会】

 外国人実習生の法案。設定は午前9時、午前9時8分開議。委員長が民主党と共産党の委員に出席を求めましたが、午前9時29分に散会を宣言しました。

【同日 衆議院経済産業委員会】

 午前9時設定でしたが、開かれず、流会しました。

【同日 参議院決算委員会】

 午前10時。「平成26年度決算」の省別審査3回目。総務省、警察庁、消費者庁に対する質疑がありました。

【同日 参議院政府開発援助等に関する特別委員会】

 午後1時。NPOなどへの参考人質疑がありました。

【同日 参議院東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会】

 午後1時。一般質疑がありました。

【官報】

 改正公職選挙法が公布されました。平成28年4月13日法律25号。国会では全会一致。1年以内に施行。ただし、要約筆記者への報酬支払い条項は、1か月以内に施行のため、第24回参院選で適用。

 改正独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)法は、平成28年4月13日法律26号。10月1日(土)施行。国会では共産党反対、自民党・公明党・民進党が賛成していました。

 成年後見制度促進のための、改正民法および改正家事事件訴訟法は平成28年4月13日法律27号。超党派の議員立法ですが、採決では共産党が反対しました。きょうの公布から6か月以内に施行。この法律は郵便物を成年後見人に配達する手続きがとれるもので、もう1本は、近く(今週金曜日か来週水曜日あたりか)公布されます。



【平成28年2016年4月11日(月)衆議院】

 なし。

【同日 参議院】

 なし。

【平成28年2016年4月12日(火)衆議院】

 なし。

【同日 参議院】

 なし。

 このエントリー記事の本文は以上です。 


2016年平成28年春の統一補欠選挙告示 平和安全法制成立後はじめての国政選挙

2016年04月12日 20時36分36秒 | 第48回衆院選(2017年10月10日公示)

[画像]京都3区補欠選挙で、泉健太(泉ケンタ)候補を応援する、民進党の岡田克也代表、2016年4月12日、民進党ウェブサイト内動画からスクリーンショット。

衆院2補選が告示 北海道5区・京都3区


 平成28年2016年春の統一補欠選挙が4月12日(火)告示されました。24日(日)投開票。

 公職選挙法は「衆議院議員の補欠選挙は9月16日から3月15日までに、これを行うべき事由が生じた場合は当該期間の直後の4月の第4日曜日に行う」と、その33の2条の第2項に定めています。

 衆議院北海道5区(札幌市厚別区、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、石狩振興局管内)では、町村信孝議員(自民党公認)が逝去。

 衆議院京都3区(京都市伏見区、向日市、長岡京市、乙訓郡)では、宮崎謙介議員(自民党公認)が「一身上の都合」で辞職しましたが、これに先立つ記者会見では「不倫のため」だと説明しました。

 さて、この選挙はとても大事です。国政選挙が毎年のように行われる日本では、昨年平成27年2015年は一度も国政選挙がありませんでした。おととし、平成26年2014年12月14日の第47回衆議院議員総選挙以来の国政選挙となります。

 すなわち、地球の裏側に自衛官を送り込み弾薬を補給し武器を輸送して得る抑止力を日本の安全保障のために必要だとする詭弁、総理のペテンを具現化した「平和安全法制」が昨年9月19日に成立してから(関連エントリー●2015年日米防衛協力ガイドライン国内実施の安保法成立、民主党「憲法違反部分廃止法案」提出のかまえ)はじめての国政選挙となるのです。いまだに理解が足りないようです。3月29日の施行にかかわるテレビニュースでは、対立する意見の双方の声が紹介されました。「大事な人を守るために必要だ」という意見が紹介されました。個別的自衛権ならばそうですが、奥さんがシリア人・イラク人でもいない限り大事な人を守るために集団的自衛権などまったく必要ありません。

 北海道では、無所属新人の池田真紀(池田まき)候補が、幼少時のDV被害について、「母は救急車に運ばれたまま帰って来ず、祖母は警察に連絡しても相手をしてくれなかった」と振り返り、「多くの国民の声が届かず、一部の人がの一部の常識だけで決める政治になっている」とし、「暴力や武力では平和はつくれない」と語りました。(民進党ウェブサイト参照)。池田候補は、民進党、日本共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちが推薦しています。同選挙区は、自民党新人で公明党と日本のこころを大切にする党の与野党3党が推す、和田義明候補も立っており、一騎打ちになります。

 京都では、民主党前職で社民党推薦の泉健太(泉ケンタ)候補を岡田克也・民進党代表(ネクスト首相)が応援。「いよいよ選挙戦が始まりました。しっかり訴えて泉ケンタ、何が何でも当選させましょう」と語り、投票率のアップを訴えました(民進党ウェブサイト参照)。 日本のこころを大切にする党新人で新党改革が推薦する小野由紀子さん、無所属で新人の田淵正文さん、幸福実現党新人の大八木光子さん、おおさか維新の会新人の森夏枝さん、無所属新人の郡昭浩さんも立候補しています。

 この記事の本文エントリーは以上です。 


キャメロン首相、パナマ文書をG8サミット(伊勢志摩サミット)の議題に 英国の事例 

2016年04月11日 23時59分59秒 | 英国の事例

[画像]第2次キャメロン内閣、英国議会インターネット審議中継からスクリーンショット。

 英国議会の庶民院は、2016年4月11日(月)、本会議を開きました。

 ここでは、通例は水曜日の午前11時半(現地時間)に対決するキャメロン首相(保守党党首・3期)と、コービン影の首相(労働党党首)が対決しました。

 これは、当日午前10時半までに動議(Early Motion)が出た場合は、全閣僚が出席しなければならない英国議会の先例(アースキン・メイ)にもとづくものと思われます。

 日本時間の同日午後11時35分、現地時刻の午後3時34分ごろから登場したキャメロン首相は、パナマ文書(パナマペーパーズ)について、

 「G8サミットの議題となり、法人税などについてグローバルな連帯が必要だ」との趣旨のスピーチをしました。

 議長国日本の安倍晋三首相(自民党総裁)は、伊勢志摩サミットを「国際的な財政出動の連帯」という歳出圧力に演出しようとしているのではないか、との観測が高まっています。が、租税回避地タックス・ヘイブンの生々しい実態が明かされつつある、「パナマ文書」によって、「国際的な法人税・所得税などの捕捉の連帯」という、歳入引き締めの方向に変わる可能性が出てきました。 





[画像]攻めるコービン影の首相(労働党党首)。

このエントリーの本文記事は以上です。


止められなかったガイドライン、カーター来日から1年 1年前の当ブログ記事

2016年04月11日 05時05分37秒 | 国際








亡国のガイドラインを命がけで阻止するのは現役世代の使命だ 南シナ海の集団的自衛権は絶対だめだ
[写真]アシュトン・カーター国防長官と安倍首相、首相官邸ウェブサイトから。 安倍晋三首相(第3次自民党・公明党連立内閣、自民党総裁)とアシュトン・カーター(アシュ・カーター)国防長...



 上は、1年前(正確には4月9日)に書いた記事です。gooのサービスで、毎日、1年前の記事のリンクをメールでもらえます。

 1年前、ひっしに、ガイドライン(日米防衛協力のための指針)の1997年以来の改定を阻止しようと呼びかけてきました。ただ、なかなか伝わりませんでした。

 結果、1978年ガイドラインの「極東」、1997年ガイドラインの「周辺」 は2015年ガイドラインで「地球規模」になってしまいました。

 なぜ、これが問題だと分かってもらえなかったのでしょうか。

 わが民族は、頭が弱いような気がします。 

 


岡田民進党8割増の勢い8年前「政権交代」的中の週刊現代の第48回衆院選予測、参院選は微減

2016年04月11日 04時29分20秒 | 第48回衆院選(2017年10月10日公示)

 今から8年前、その1年後の民主党への政権交代を的中させていた、週刊現代(当ブログ内2008年9月8日付記事参照=後掲)。

 週刊現代の4月11日発売号(2016年4月23日号)=写真=では、「7・10衆参ダブル選挙意外な結末」とし題して、衆議院選挙区(295選挙区)のうち、257選挙区の当落予測データを掲載しました。

 これによると、岡田克也代表率いる民進党は、8割増の169議席で議席占有率35・6%。安倍晋三首相率いる自民党は2割強減の225議席の議席占有率47・3%で過半数(238議席)割れ。ただ、公明党とあわせると自公はわずかに過半数を上回り、第4次安倍内閣が発足する見通し。予測は野党連合が前提のため、日本共産党の議席は20議席と1議席減と予測しています。

 同日選を予想する、第24回参院選は、選挙区ごとの予想はありませんが、自民党、民進党とも改選議席を減らし、公明党と共産党が議席を伸ばす予測になっています。

 257選挙区のうち、例えば、衆院北海道8区は、民進党の逢坂誠二さんが11万5210票と予測し、自民党の前田一男さんを2・3万票以上凌ぐとの予測。ただ、基本的には共産党が立てない場合の票が民進党に乗るという予測になっています。詳細は週刊現代をお読みください。430円(税込)。

 岡田克也代表の任期は9月30日までで、仮に予測の通り、衆院で8割増しにもかかわらず野党にとどまり、参院微減となれば、大局観なき心無い民進党議員から、代表選複数立候補を探る動きが出るかもしれません。

 
[写真]民進党の岡田克也代表、2016年3月27日、筆者宮崎信行撮影。 

このエントリー記事の本文は以上です。


関連エントリー)


[当ブログ内エントリー記事から引用はじめ]

“具体的に”励ましてあげてください!

2008年09月08日 22時55分37秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代


[写真=鳩山幹事長・小沢代表の後ろでカメラに写ろうとする努力も政権交代への志の賜物だ。左から三村和也・神奈川2区総支部長、柿沼正明・群馬3区総支部長、宮崎岳志・群馬1区総支部長ら]


 参政権とは、選挙に立候補したり、投票したりすることです。私たちの国は、1890年(帝国議会設立)から118年間にわたるデモクラシーの歴史があります。非欧米社会では最も長い歴史です。

 私たちは今、「形式的なデモクラシー」から「成熟したデモクラシー」に進化する時代を迎えていると思います。

 もはや「参政権」は、政権準備政党の新人を育てていくという意味合いもあるのではないでしょうか?



[写真は週刊現代9月20日号]

 週刊現代では、「麻生太郎さんが自民党総裁となったと仮定した上でのシミュレーションを載せています。有馬晴海さんは「259」、鈴木哲夫さんは「246」、浅川博忠さんは「244」と3人とも政権交代を予想しています。週刊ポストでは、福岡正行さんも政権交代を予想しました。

 自民党総裁選によるメディア露出増にもかかわらず、政権交代の可能性は揺らいでいません。

 しかし今、公募を勝ち抜き、追い風に乗り、自分で基盤を作ってきた総支部長たちが不安を感じています。

 第一次公認に万が一でも漏れるのではないかという不安。そして、毎日のように手応え、追い風を感じながら、“具体的なアクション”につながるか見えないという不安。

 みなさんにひとつ、お願いがあります。

 街で総支部長に会ったときには「頑張ってね」と励まさないでください。「私はあんたに投票するよ」「うちは家族4人みんな、あなたに決めたよ」と具体的に励ましてください。

 とはいえ、現時点で総支部長は「ありがとうございます。ぜひ投票してください」と返答することはできません。事前運動になります。

 ですから総支部長が「いやー、どうも!どうも!」と言って、差し出してきた手を握り返してください。それですべてが通じます。政権交代への具体的なアクセルになります。

 みんなの力を結集して第45回総選挙で絶対に政権交代を実現しましょう。

[引用おわり] 


山尾志桜里民進党政務調査会長「マルキンなど農業対策の前倒し成立」要求 NHK日曜討論

2016年04月10日 21時43分06秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]山尾志桜里民進党政務調査会長、2016年4月10日放送のNHK日曜討論、テレビ画面からスクリーンショット。

 平成28年2016年4月10日放送の「NHK日曜討論」(テレビ総合、ラジオ第一)に民進党の山尾志桜里政務調査会長が初登場。

 審議中のTPP条約と一括法案(190閣法47号)について、

 「(牛・豚農家の赤字を9割まで補填する)マルキンなど個別にやるべき対策は11本束ねて、乱暴な国会審議をするのではなく、切り離してそれだけ成立させたらどうですか」と語りました。

 「農業の体質強化はやらねばならないが、それをせず、(日本農家を)TPPの荒波に置いていくべきではない。自民党政権は農業者戸別所得補償を大幅に削減し、見せかけだけの農協改革をしただけだ」と自民党農政を批判しました。

 これとは別に、NHKは、先週末、「今国会(6月1日まで)のTPP条約承認は難しいかもしれない」とする一部自民党議員の発言を報じました。私はにわかに信じがたいのですが、NHKの報道ですから、選挙区事情を含めて自民党内にもそのような声があるようです。また条約だけ衆院を通過させ、一括法案は衆院で継続審査(閉会中審査)にするというアイディアもあるようです。

 マルキンの法制化は、「施行日はTPP発効日」というえげつない条文となっています。山尾会長はこれらの不満や与党内の足並みの乱れを勘案し、TPP発効を前提にしながらも、それより前に、日本農業の持続可能性を高めるよう求め民進党農政を参院選の目玉の一つにするとともに、国会対策のかけひきにも配慮して発言したとみられます。

 さて、18年前、民主党の初代政策調査会長も愛知県連所属衆議院議員でした。私はその方を尊敬しています。ただ、日曜討論デビュー戦では、何を聞かれても「内閣不信任案を出す」「解散に追い込む」ばかりで、不発な印象でした。私は番記者でしたが、月曜日からそのことを話題から避けました。これに先立ち、期数の多い議員が「日曜討論でしゃべれないから政調会長にするな」と発言していて、私は「そういうものなのかな」と感じましたが、テレポリティックスが永田町を席巻していることに驚き増した。それとは別に政調会長と近しいととらえられている議員のスタッフが日曜討論の話題をしており、永田町では各議員は独立独歩なんだなと深く学びました。ただし、その3カ月後の参院選で当時の民主党は大勝し、内閣を倒しました。

このエントリー記事の本文は以上です。

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岡田克也「選挙のために消費税を先送りしようとするのは政治の劣化を招く」民進党代表

2016年04月08日 23時59分55秒 | 岡田克也、旅の途中

(この記事のエントリー日時は4月10日夜で、それから2016年4月8日付にバックデートしました)

 岡田克也さんは、平成28年2016年4月8日(金)、民進党代表としての定例記者会見にのぞみました。

 このもようは、ユーチューブライブストリーム(YouTube Live Stream)で生放送されました。動画をインターネットで生放送する媒体では、ニコニコ動画、ユーストリーム(Ustream)、ツイキャス(TwiCas)があります。YouTube Live Streamのサービスは以前からあり、会社や媒体も大きいのですが、発信にかかる機材が重く、チャット機能なども扱いづらい面があり、他のサイトに比べると、普及していません。ただ、YouTubeそのものは最も定着している動画配信サイトのため、民進党のような大きな組織ですと、発信しやすくなります。

 安倍晋三首相(自民党総裁)が5月下旬のサミットに前後して、消費税増税先送りを宣言して、衆参ダブル選挙をうつのではないかとの観測が高まっています。

 岡田さんは記者会見で、「消費税を選挙のためという次元で論じるべきではない。選挙に有利だからと消費税を先送りしようとするのは、政治の劣化を招く。先送りするということは次の世代に社会保障の財源を先送りすることになる」と語りました。

 ただし、岡田さんの消費税に関する発言は、意図的に揺らぎがあり、解散権を持つ首相との神経戦が続いています。

 岡田さんは今年冒頭、「若者、若者、若者の一年にする」としており、世代間の格差公平を参院選の争点にするかまえ。ただし、「世代間抗争は好ましくない」とも語っており、社労族(厚生族)議員だった、1990年代前半から主張している「世代間の分かち合い」による、社会保障再構築を主張していくと思われます。

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