峻険な劔岳の山容を実写であますところなく映し出す壮大な画面、バイプレイヤーとして名高い浅野忠作、香川照之の存在感溢れる演技力、見終えた私はしばし充実感に浸っていた・・・。
我が国屈指の映画カメラマンとして五十年のキャリアを誇る木村大作が渾身の力を込めて挑んだ初監督作品「劔岳 点の記」をぜひ見たいと思っていました。
公開から間もない6月23日(火)夜、勤務を終えてから札幌シネマフロンティア(場所はこちら⇒)に足を運びました。
※ 今回の画像は映画館内に掲載してあるポスターを写しました。
まず圧倒されるのは劔岳をはじめとした立山連峰の大自然をどのようにして撮影したのかと思われるほどのスケール感で映し出していることです。CG(コンピュータグラフック)は一切排除しているということですから、どれほどの困難が伴った撮影だったのか素人には推し量ることができないほどです。
映画カメラマン五十年の木村大作監督の面目躍如といったところですが、この画面を見るだけでこの映画を見る価値あり!と思うほどです。
さらには主役の浅野忠作、香川照之の渋く存在感のある演技が画面を引き締めます。そしてその二人を役所広司、夏八木勲、井川比佐志、仲村トオル、宮崎あおいなどといった芸達者が脇を固めます。
※ 柴崎芳太郎(浅野忠作)
明治末、陸軍参謀本部陸地測量部の測量手・柴崎芳太郎(浅野忠作)は、当時難攻不落といわれていた劔岳頂上に「日本初登頂を果たすと共に、三角点を設置せよ」という理不尽な命令を受けた。柴崎は山の案内人・宇治長次郎(香川照之)の助けを借りながら命懸けでこの困難な命令に挑戦する、というのが主な筋書きです。
実話の映画化だけに見る者にとって当時の困難さに思いを馳せ、手に汗しながら映画に魅入りました。
奇をてらわず直球で勝負するこの作品は間違いなく第一級の映画です!
※ 宇治長次郎(香川照之)
それにしても私たちの世代になると映画は安価に楽しめる素材であることを再認識させられました。(特に良質の作品に出会ったときにはその感を強くします)
夫婦二人で2,000円で済むのですから・・・。
私たちは感動からそのまま帰宅する気にはなれず、某酒房にてその余韻を楽しんだのでした…。