このところ、ブログのやや脇道で取り上げたテーマがほどなく現実化したり、メディアの対象になったりして、いささか驚いている。(たとえば、数年前に書いた短い記事が、朝の連続TV番組テーマと関連するなど思いもしなかった)。最近では旅の途上のつれづれに、偶然目にした雑誌記事を紹介かたがた解説したばかりだが、その内容をいわば裏打ちするような出来事が日本で起きた。
紹介した雑誌記事自体は短いもので、要旨は、これまでアメリカで起きた自然災害の発生頻度を基礎にして、ハワイ、アラスカを除く全土の州・郡別の色分けを行い、いわば地域別安全度を推定したものだ。判定の基準とされた災害は、「竜巻」、「土砂洪水」、「森林火災」、「ハリケーン」、「地震」がとりあげられていた。
そのことを記して日が浅い昨日9月27日、ふと見たTVが思いもかけなかった御嶽山噴火の様子を放映していた。浅間山、桜島など比較的近くで火山噴火を目にすることがある国だが、列島のほぼ中央部で突如こうした予期せぬ光景が展開することは稀であり、きわめて衝撃的である。アイスランドなどを除けば、あまりみられない。火山国の特徴ともいえる。
アメリカの場合は、火山噴火は西海岸ワシントン州のセントへレンズ山、レーニア山などが大規模な噴火を起こした例と知られている。アメリカ地質調査所によると全米では、およそ169の火山が確認されている。昨日来、この調査所の情報提供サイトは、アクセス数が多かったのか、一時的に閉鎖状態であった。
大西洋でも今年8月3日、アイスランドのバルダルブンガ火山が噴火し、有毒ガスの発生、航空機の飛行障害の可能性などが注目を集めている。1970年代初め、エネルギー問題の調査旅行の途上で短時日訪れたことがあったが、氷河と火山の島であった。
御嶽山は古くから山岳信仰の山として知られ、かつては山伏装束の人たちで山道が埋まるほどだったらしい。時が経過し、いまは登山ブームで軽装で出かける人も多いようだ。別の山だが、山道を救急車が苦労して負傷者を搬出している光景に出会ったことがある。自然に対する畏怖の念、常にどこかに抱いていなければと思う。そのためには、各地域で起こりうる災害の性質と可能性をできうるかぎり国民が共有できるよう、これまで以上に努力が必要だろう。
しばしば例示されるように、日本の国土面積はアメリカのカリフォルニア州に相当する。国土は海に囲まれ、そこにひしめくように火山が活動している。台風、都市火災など、その他の災害を考慮すると、危険性はいたるところに潜在している。自然への畏怖を持ち続けること、これはこの国に住む者が常に心にとめていなければならないことなのだ。
今回の噴火で犠牲になられた方々はすでに数多く、胸が詰まる。不幸にしてお亡くなりになった方々にはひたすらご冥福をお祈りしたい。