21世紀が始まって、ほとんど4半世紀が経過した。見るとはなしにTVを眺めていたら、あの2001年、9月11日に突如として起きたアメリカ同時多発テロの番組を放映していた。忘れようとしても忘れられない光景だ。今日はあの日から数えて23年目に当たる。過ぎてみれば、なんと短い時間だったのだろう。
世界にはこの間あまりに多くの悲惨な出来事が起きた。戦争は世界各地で絶えることなく続いてきた。
世界貿易センター(ワールド・トレード・センター)へ立て続けに2機の航空機が突入する衝撃的な光景が目の前に再現されていた。筆者もこのビルで働く友人に会いに何度か訪れたことがあった。このブログの初期の頃に、的確なコメントを寄せられていたK.N.さんもそのひとりだった。
World is Small
TV画面には、ブログ筆者自身、若い頃に短い期間ではあったが働く場所を共にした住山一貞さんが写っていた。筆者は間もなく転職したことで、その後再会する機会はなかったが。
住山さんの長男の住山陽一さんは、当時、34歳、当時の富士銀行で金融マンとして、世界貿易センタービル(ワールド・トレード・センター)にある銀行のニューヨーク支店で働いていた。
このテロ事件によって、判明しただけで、日本人24人を含むおよそ3000人が犠牲になった。筆者のアメリカ人の知人も犠牲者に含まれていた。
陽一さんの遺族は、その後今日まで同時多発テロの真相を究めるため、多大な努力を費やしてきた。なかでも、父親の住山さんはアメリカの独立調査委員会がまとめた567ページにわたる報告書の邦訳に人生を捧げてきた。
Terrorism Everywhere
筆者自身にとっても、9.11は大きな心の転機をもたらした。この話は、本ブログにも短く記したことがある。
住山さんはテロリズムの真相を追って、その後の人生をその追求に費やした。言葉に尽くし難い日々であったろう。その後、テロリズムは世界中に拡散し、いつどこで、何が起こるか分からない時代となった。筆者もオウム真理教の地下鉄テロを電車一本の差で、免れたこともあった。
筆者の友人が遭遇して犠牲となったテロ事件は他にもあった。これもブログに記したことがある。テロリストに襲撃され、命を落としたイタリアの友人の話もそのひとつだ。
世界は小さくなり、リスクは至る所にある。
一時は大きな希望が寄せられていた21世紀だが、四半世紀を過ぎた今、その前途はかつてない多くの不安に包まれている。人類は果たして「進歩」しているのだろうか。「進歩」とは何か。終幕近い小さなブログでは、到底答えられない問いがそこにある。