
鮮やかなブルーのボディに、アルミ調のワッペングリルが映える。

ラゲッジスペースは広大で、センターアームレストスルーも採用しているので、実に使い勝手は良さそうだ。当然ながら、スペアタイヤもしっかりと積まれている。

エンジンを掛けても室内は静かで、ラフな振動も伝わってこない。その辺は、先日乗ったR32とは大違いだ。あのR32は中古車だったし、車自体のコンディションも完調ではなかったのかもしれないが・・・

さて、さっそく走り出してみる。全長×全幅×全高は4820mm×1820mm×1490mm。ホイールベースは2710mm。このディメンションは、次期レガシィツーリングワゴンに、非常に近い。
6速DSGは相変わらず電光石火のシフトチェンジをこなし、299psの3.6リッターV6エンジンと協働して、このクルマをジェントルかつスムーズに加速させる。先代ゴルフの6速DSGには、発進時に若干スムーズでない点が認められたが、このパサートではその辺が改善されている。同乗したセールスマン氏によると、パサートの車重の重さが、その辺のアラを包み隠すのかもしれないとのこと。
ただし、若干気になった点がひとつ。それは、ブレーキペダルのタッチである。軽めの踏力で、ペダルストロークで効かせるタイプのこのブレーキは、慣れないと「カックンブレーキ」になりがちだ。踏力で制動力をコントロールできる重めのタッチのブレーキの方が、このクルマには似つかわしい。

ダッシュボードから繋がっている、抉られたようなドアパネルのデザインも、なかなか秀逸。3連ダイヤル式の空調コントロールも使い勝手が良さそうだ。また、空調の吹き出し音も含め、車内全体が非常に静かである。

タイヤサイズは235/40ZR18。このファットなシューズを履くにもかかわらず、乗り心地はフラットかつ上質。路面状況にかかわらず、矢のようにこのクルマは直進する。

いやあ、このパサート・ヴァリアントR36。なんと素晴らしいクルマなのでしょう。
あくまでも私見だが、ゴルフとレガシィを比較した場合は、ちょっとはゴルフの方がイイかもしれないが、正直いって大して変わらないというか、その差はごくわずかであると思っていた。
だがしかし、このR36は、歴然といいクルマだった。私のレガシィ2.0iよりも、ふた回りくらいは上質かつ高級だった。ま、お値段もふた回り以上違うのですが・・・やはり、このヴァリアントR36と比較すべきは、S402ツーリングワゴンなのでしょうネ。