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「慕」が心に沁みる

2014年11月14日 | 雑記帳
 12日夜、野口芳宏先生を大曲駅で出迎えた。ホテルへお送りする間にも出版社から電話が入るなど、相変わらずお忙しいご様子である。チェックインを済ませてから小宴をもった。先生との語らいは本当に楽しい。それは言葉に虚飾や見栄がなく、本音や実感で話ができるからだ。そういう時間を過ごすと元気がでる。


 13日午前には、校内の4年生を相手に特別授業をしていただいた。物語「3つのお願い」の冒頭部をどう料理なされるのか。第一段落は、熟語化、抽象語化を中心に、第二段落以降は指示範囲を探す活動を取り入れた内容理解である。話し方を教えながら判断、根拠、説明などの学習用語を取り入れていく形となった。


 参観マニア(笑)の私には予想できる展開だったが、多くの職員にとっては、やはり「ねらい」が何なのか、どうして難しい言葉を出すのか…そうした点が質問に挙がる。「ねらい」について返答なさった先生の言葉が、また痛快だ。「見ていた者がねらいがわからない授業では駄目だ」。これは深い二重性を持つ教えだ。


 午後からは、他校からも参加しての道徳の講演会「これからの道徳の授業づくり」がテーマだが、先生にとっては「これまで」も「これから」も同じ地平であることは明らかだ。聴衆は「教育の目的」から入る正統さを噛みしめたはず。そして成立条件として提示された「信」「敬」「慕」。今回は「慕」が心に沁みた。


 当然ながら、先生を信頼、尊敬しているから学んでいるわけだが、そればかりではない気がする。もしかしたら「慕」かと…。長い期間追い続け、先生について理解も進む中で、その人間味をより心深く感じている。帰りの車中で、知り合いの方の話をしながら「沼澤さん、諸行無常だね」と語られた時はどきっとした。