すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

今月号のキニナルキ

2014年11月12日 | 雑記帳
 『本』…オリックス森脇幸司監督の言葉「(強いチームは)総じて“しょうがない”の幅が小さい。弱いチームほど“しょうがない”の幅が大きいような気がします」。一生懸命やっていると口で言うにはたやすいが,その幅を狭めようと具体的に何をしているか応えられることこそ,プロと呼べる条件であることがわかる。



 『図書』…医師徳永進が「はい」と「いいえ」を取り上げ,工藤直子の詩の一節を引用している。「「はい」と「いいえ」のあいだに/100万の虹色の答えがある/それが「こころ」っていうもんさ」。二色でしかない心はつまらない。虹色を楽しみたい気分にもなる。二色を求めがちな社会のあり方に目を向けよう。



 『ちくま』…齋藤美奈子の読書紹介。資本主義というシステムの終焉を予測する図書の紹介をしている。それぞれのキーワードは「ゼロ成長の『定常状態』」「レンタルの思想」「グローバル化の先のローカル化」だ。成熟社会に手が届かずに中間層が破壊されていく我が国の現状。新しいシステムの提案の芽を見つけよう。



 『波』…「黒」というお題で,短歌を発した穂村弘。「水泳の後の授業の黒板の光のなかに溶ける文字たち」。高校時代にひたすら泳ぐだけの水泳授業後の教室風景が浮かんでくる。そして「僕は,今も進行形で,永遠に何かに届かないつつあるみたいだ」と添える。やはりこの感性は自分と同じだ、とどこか痛くなる。