すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

人は,歩き方が全てだ

2014年11月03日 | 読書
 「2014読了」117冊目 ★★
 
 『リーダーという生き方』(佐々木常夫  WAVE出版)

 「2014読了」118冊目 ★★★
 『部下を定時に帰す仕事術』(佐々木常夫  WAVE出版)


 2冊とも,講演会の折に買い求めた直筆サイン入り本。しかも定価900円を500円で販売(おつりの手間省きとのこと),そして売り上げは全部寄付するという。それを「志」と呼ばずになんというか。偉い人は違う,と書いてふと「韋」という字が気になった。「なめしがわ」という意味だが,もともとはぐるりと巡って歩くことだそうだ。人は,歩き方が全てだ。


 前著に「『志』を旅せよ」という章がある。どんな意味か予想がつかなかった。読み感得したのは,まず「志」ありき。それがぶれない限り,どんな境遇,どんな条件に置かれても,人は旅をするように,その志に向かって歩けるのだ,ということ。土光敏夫,小倉昌男,栗林忠道…歴史に名を残すエピソードを取り上げながら,見事にリーダー論が展開されていた。


 後著は,講演内容とだいぶ重なっていた。「仕事術」と題されているが,それは小手先の工夫ではない。講演テーマの「ライフ・ワーク・バランス」もそうであったが,結局は「ライフ・ワーク・マネジメント」である。そして「マネジメント」とは何かと言えば,次の言葉に集約される。「タイムマネジメントの本質は『真に重要なものは何か』を探り当てること


 私たちがともすれば陥りそうな発想に警鐘を鳴らす文章がある。「『プアなイノベーション』より『優れたイミテーション』」。新し物好きの自分などは特に心したい。もちろんそれは単なる踏襲や模倣の推奨ではない。新しく命ぜられた務めの最初に約三週間の書庫整理作業を行い,重要度ランキングした著者が,明確に成果を上げている優れた仕事術なのである。