すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

4月号のキニナルキ

2015年04月19日 | 読書
 『本』(講談社)
 役に立つことは大切ではあるが、それ以前に、純粋に「知りたい」という欲求がサイエンスを進歩発展させてきたということをもう一度確認しておきたい(永田和宏)

 あふれている情報をいくら詰め込んでも、また誰かに伝えたとしても、それは「知」ということとは違う。もとにある心の振動のようなものを丁寧に扱わないと、「学び」とは呼べない。


 『図書』(岩波書店)
 じかという言葉から遠のき、外に、他人に、施設にとまかせ、全てをプラスチック製の窓越しに見ることに慣れてきたのではないだろうか(徳永進)

 医療や介護の現場での「素手」と「手袋」の話題。確かに「じか」つまり「直」の世界が狭まっている。やむを得ない現状も多い。では、私たちはどこで「じか」を保っていくか。これはかなり意識しなくてはいけない。


 『波』(新潮社)
 人間のもっとも強い力は何だろう?さみしさの力じゃないか(中森明夫)

 「強い力」のもとになることを探して、「さみしさ」に行き着くのはなんとなく納得できる。「孤独」と言い換えてもいいかもしれない。きっと世の中の大きな仕事をした人は、みんなさみしい。さみしいからこそ、外へ向かっている。


 『ちくま』(筑摩書房)
 重要なことは、悪い支配者を倒すことではなく、悪い支配者を反省させることで、「あなたが反省しなければ、あなたのいる世界が滅びる」ということを理解させることだが、そんなことはもちろんむずかしい。(橋本治)

 筆者自身が記す「子供の理屈のようなもの」だが、シンプルに考えてみなくてはいけない。人はみな一緒に生きていくべきであり、誰かの不幸のうえに幸せ築くことは避けるべきである。