先週末はおそらく多くの学校で歓迎会が行われたはずだ。
私達の職場も5名の転入があり、地元の寿司屋で小宴が開かれた。
止せばいいのに(笑)終わった後に同僚と居酒屋に立ち寄った。
カウンターしか空いていなかったので、そこに腰をおろしたら、隣席の若者が「先生!」と声をかけてきた。
「R太です、覚えていますか」と名乗った顔には見覚えがあった。
「おううっ、A(苗字)R太」と返答したら、嬉しそうに笑顔を返してくれた。
もう23歳だという。
初めて教頭になって赴任した学校の一年生だった。
思い出はいろいろあるが、なかに強烈な忘れられない出来事がある。
たしか、何かに短い文章を書いたはずだったと思い、古いデータを探してみる。
あった、あった。
――――――――――――――
「あんた、バカじゃない」
入学して間もない、かわいい一年生の女の子がそう言い放った。
とぼけてみせる授業展開なので覚悟はしていたが、あまりにダイレクトなその言葉に一瞬たじろいでしまう。
しかしすぐ笑顔にもどし、ひらがなのカードを手にして授業を続けた。
リラックスしている子供たちとは対照的に、教室の後ろに立つやや緊張気味のお母さん方。先ほどの言葉に苦笑いをしている。
言葉を放った子供のお母さんは、顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
一年生との学習は本当におもしろい。
学級担任時代に一番楽しかったのはやはり一年担任、半分宇宙人のようなその言動からは、毎日発見がいっぱいだったから…。
そういう醍醐味はもう担任でないと味わえないなあ、教頭職になって本当によかったのかなあ、やっぱりバカなのかなあ…いやそんなこと思っている暇はない。
次は、算数のドットカードを出してと…。
新任教頭で赴任した4月、最初の全校PTA。
授業参観の始まる10分前に、一年担任が家族の急病のために呼び出された。
「心配するな。」と言ったものの、授業展開はその場で考えるしかない。
まさに、無我夢中の45分間。
私が出会った最初の危機管理とでも言えばいいだろうか。
私を「バカ」と呼んでくれた女の子は、この春、ひたむきな目をした最上級生となる。
―――――――――――――――
大変な状況のなかでも、結構前向きで楽しそうな自分が思い出される。
それに比べて今は…よそう、繰り言は。
私達の職場も5名の転入があり、地元の寿司屋で小宴が開かれた。
止せばいいのに(笑)終わった後に同僚と居酒屋に立ち寄った。
カウンターしか空いていなかったので、そこに腰をおろしたら、隣席の若者が「先生!」と声をかけてきた。
「R太です、覚えていますか」と名乗った顔には見覚えがあった。
「おううっ、A(苗字)R太」と返答したら、嬉しそうに笑顔を返してくれた。
もう23歳だという。
初めて教頭になって赴任した学校の一年生だった。
思い出はいろいろあるが、なかに強烈な忘れられない出来事がある。
たしか、何かに短い文章を書いたはずだったと思い、古いデータを探してみる。
あった、あった。
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「あんた、バカじゃない」
入学して間もない、かわいい一年生の女の子がそう言い放った。
とぼけてみせる授業展開なので覚悟はしていたが、あまりにダイレクトなその言葉に一瞬たじろいでしまう。
しかしすぐ笑顔にもどし、ひらがなのカードを手にして授業を続けた。
リラックスしている子供たちとは対照的に、教室の後ろに立つやや緊張気味のお母さん方。先ほどの言葉に苦笑いをしている。
言葉を放った子供のお母さんは、顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
一年生との学習は本当におもしろい。
学級担任時代に一番楽しかったのはやはり一年担任、半分宇宙人のようなその言動からは、毎日発見がいっぱいだったから…。
そういう醍醐味はもう担任でないと味わえないなあ、教頭職になって本当によかったのかなあ、やっぱりバカなのかなあ…いやそんなこと思っている暇はない。
次は、算数のドットカードを出してと…。
新任教頭で赴任した4月、最初の全校PTA。
授業参観の始まる10分前に、一年担任が家族の急病のために呼び出された。
「心配するな。」と言ったものの、授業展開はその場で考えるしかない。
まさに、無我夢中の45分間。
私が出会った最初の危機管理とでも言えばいいだろうか。
私を「バカ」と呼んでくれた女の子は、この春、ひたむきな目をした最上級生となる。
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大変な状況のなかでも、結構前向きで楽しそうな自分が思い出される。
それに比べて今は…よそう、繰り言は。