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桜と絵本と豆乳と

オガッタ、ヨカッタ、金足農

2018年08月22日 | 読書
 「雑草たちよ、甲子園でオガレ」と書いてから、ちょうど二週間。これほど甲子園を楽しませてもらったことはない。本県にとってはまさに金農フィーバーが沸き上がった夏だった。様々な視点から今回の躍進劇そして決勝は語られるだろう。自分なりの感謝を込めて、「キニナルキ」として記事から言葉を拾ってみた。


 「飼育するフナが待つ自宅に戻ると玄関をくぐる前、100に背番号の3を足した103回のスイングを欠かさなかった。」

 横浜戦で逆転3ランを放った高橋を取材した記事である。
 メンバーで唯一畜産を学ぶこの6番打者の存在感は、印象的な面構えと共に際立っていた。
 他者より多くノルマを課して練習する選手は多いだろう。
 しかし、たったこの3回に込める精神には何か、特別な力が籠るように感じた。



 「打席に向かう前、吉田にベンチで言われた。『このチャンスのために神様はノーヒットにしてたんだよ』。」

 横浜戦以上に劇的だった近江戦の2ランスクイズ。このバントを決めた9番齋藤は、それまで唯一の大会ノーヒットだった。
 その彼に、エースのかけたこの言葉の素晴らしさは、チームの強さを明らかに物語っているだろう。
 自分たちのしてきた練習を信じる気持ち、それが運を味方につけるという前向きな意志…ベンチにはその空気が流れているのだ。


 「練習してきたことで、試合に勝ちたい。」

 中泉監督は次の試合に向けて実に様々なことを語った。
 「全員野球」「最後まであきらめない」「金農スタイル」「強い気持ち」…そのどれも間違いなく選手たちに反映していると思う。
 しかし「練習してきたこと」というこの平凡な言葉のなかにこそ、それらが全て包括されるように思った。
 勝ちを決めた劇的な攻撃だけではなく、決勝戦での無念の投手交代であっても「練習してきたこと」だからこそ、出来たことなのだ。


 最後に、忘れられない数字として「25.9%」を挙げたい。
 
 ベスト8が出揃った時、yahooサイトで優勝予想アンケートを実施した。
 6万弱の参加、その結果に驚いた。
 大阪桐蔭25.9%は当然予想できたが、なっなんと同じ25.9%ととして(しかもわずかに票数が多い)金足農が挙がったのだ。

 結局その2校が決勝に残り、大衆の目の正しさが証明された。
 それと同時に大会決勝の持つ勝負の厳しさも知らされる。

 その現実を肥やしにして、雑草たちはもっとオガルに違いない。
 もっとオガッテ、できれば秋田のために活躍してね!