すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

テレビ世代の参考書

2018年08月07日 | 読書
 スマホばかり見てると…と今の子は言われ、一昔前はゲームばかりしていると…と言われ、大昔はテレビばかり見ていると…と言われ、似たように時代は流れていくものだ。肝心なのは、その使い方やつきあい方である。そのためには時々離れること。それからその対象の内側を覗くこと。そう考える、我テレビ世代。


2018読了76
 『テレビじゃ言えない』(ビートたけし 小学館新書)


 この頃、雑誌や週刊誌をめったに買わなくなったので、たまには「毒舌」に触れるのもいいなと思い購読した。

 放送禁止、自主規制の渦の中でオモシロクナイ思いをしているビートたけしのうっぱん晴らしの場のようだ。
 「本来、オイラのような芸人の漫才やコントなんていうのは、『表現の自由』なんてもので守られるようなエラいもんじゃない、もっと低~いところにあるものなんだ。」という視線に、どこまでもしなり強くメディアで生きるたけしの矜持がある。

 だから、様々なことの本質がよく見渡せるのだろう。何事も自分をどこに置くか、それが思考の源になる。


2018読了77
 『テレビの嘘を見破る』(今野 勉  新潮新書)


 昨年の『文藝別冊』に是枝裕和特集があり、その中に収められている対談相手が、この新書の著者である。テレビ界ではずいぶんと著名な方だ。

 ドキュメンタリーを取り上げて、著名な作品や実際の番組作りに迫っている。何年かおきに必ず話題にされる「やらせ」について、その本質を考えさせてくれる内容だ。
 視聴者の1人としては、「やらせ」と聞くと視聴率を稼ぎたい、売れるようにしたいという作り手側の倫理観を批判しがちだが、それはいかに単純で浅薄かが気づかされる。

 「事実とは何か」「映像とは何か」「再現、やらせとは」様々なことについて認識が深まった。
 もう15年くらい前の発刊だが貴重な新書だ。是枝発言も興味深かった。