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「正しい」は、その先にある

2018年08月16日 | 雑記帳
 町成人式の記念講演を聴き始めて3年目。密かに(笑)講演ウォッチャーを自称する者として、今回もメモを残しておかねばなるまい。まず会場に行き、すぐ目に入った演題に、おっと思った。『二つの正しい生き方』とある。新成人に向けた直球のような題名に思えるが、ひっかかる。そして興味深い。「正しい」の一言が…。


 講師は、株式会社あきた総研の代表取締役須田紘彬氏。本町の式では30代講師が続いている。当然だろう。キャリア十分の年配者よりバリバリの現役世代の話はエネルギーがあるし、似た内容でも伝わり方は有効だ。年齢が近い親近感に加えて機器使用にも長けている。今回もプロジェクターをスマホで操作していた。



 さて、『二つの正しい生き方』である。「二つの生き方」として「計画的な生き方」「偶然を大切にする生き方」を挙げた。講師は自ら前者であったことを、それまでの学歴、職歴等を振り返りながら語った。起業を目的として「逆算して考える」生き方であったことを認め、逆にもう一つの生き方の価値を強調した。


 それは講師の今の仕事姿勢と重なるようだ。「偶然を大切にする生き方」のポイントとして、次の五つを示す。「①好奇心 ②持続性 ③楽観性 ④柔軟性 ⑤冒険心」。それらは「計画的偶発性」を引き寄せるために重要視したいことである。結局、目の前の事象や自らの興味関心に対してアクティブな動きが求められる。


 「二つの生き方」のどちらも「正しい」か、と問いを立てる。例えば前者をこれまでの正しさ、後者をこれからの正しさと方向付けることはできる。また、前者にも正しさがあり、後者にも正しさがあると、選択やバランスに置き換えることもできる。しかし「生き方」とはそれほど単純ではないとも言えるだろう。


 計画と偶然が背中合わせと知るには、もう少し歳月が必要か。キャリアの積み方について講師は「やりたいこと・できること・むいていること」の三つの中で、20代で増やしたいのは「できること」と語った。これはかなり昭和的にも聞こえるが、圧倒的事実だ。講師が冒頭に語ったのも「量が質を生む」ことだった。