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桜と絵本と豆乳と

真夏に「かるた」も乙なもの

2018年08月02日 | 読書
 「まったく世の中のためにはならないけれど、ときどき向こうから勝手に吹き出してくる、あまり知的とは言いがたい種類のへんてこな何か」を「かるた」形式で表わした一冊だけれど、数多いるだろうファンの方々はどう読まれるのだろう。村上春樹小説にやや苦手意識のある自分にとっては、やはり難しかった。


2018読了73
 『村上かるた うさぎおいしーフランス人』(村上春樹 文藝春秋)



 難しいと感じるのは、なんとなく、単に「ワハハハ」とか「クスッ」とかできないイメージを抱いているからか。へんてこな何かに意味付けがあったり、裏の裏があったりするのですよお…ハルキストなら気づくはず、という人が必ず居るだろう…と、これはコンプレックスか。いっそもっとシュールならいいのに。


 「犬棒かるた」の中味は日本人ならほとんど耳にしている。そして大人の多くはその意味も知っている。それに比べたら「村上かるた」を知る人は圧倒的少数だろうが、その意味を自分のものにしたら、ちょっと世界は拡がるかもしれない。解説文まで紹介はできないが、私の気に入った読み札をいくつか挙げてみよう。


「き」キミがよくてもシロミがまずけりゃ
「ほ」ホットケーキのおかわりも三度まで
「ろ」ローリング・ストーンズに、大事なことはみんな教わった
「ひ」大船に乗ったつもりが、平塚で降ろされる
「な」何回読んでも難解だ
「ふ」フロイトの夢は夜開く
「ま」まったく不幸中のわいわいだった


 とまあこのように「おふざけ」とみるか「揶揄」とみるか、はたまた「ギャグ」とみるか。でもこれ使えそうだな、と明石家さんまが手に書く真似をしそうなものもある。作り方の一部パターンも見えた。では拙句を披露する。「阿呆は寝て待っている」「マツモトキヨシのどん底を知りたい」「さんざん、オールスタッフ