ふるさとの
話をしよう
第4話・ 火鉢
「物は大事に使いなさい」田舎のおばあちゃんがいつも言っていた。
使ったものは大事にして置かなければならない。使うとき困るから・・・。
それぞれの道具を使いこなすには、それぞれの”深い道”や決まりがあった。
妻が先日、夏場にお世話になった扇風機二台をダンボウルに入れて納めた。
それは、買ってきた当時の空箱に発泡スチロール、ビニールがそのままの状態であり、此れを解いて納め物置に入れた。丁寧に埃を払って、買った当時と同じようにしてガムテープで封をした。かれこれ扇風機は、5年ほど前に買い求めたもの、未だに箱や中に発泡スチロールや、ゆるみ止めが有るとは驚いた。
”深い道とは”、丁寧に心のこもった使い方をすることだと思った。
心を込めて、夏場有難う~「また来年もよろしく」と呼びかけるように心構えこそが、物を大切に~だと深く心に刻んだ。
画像はwebから転用した。
冬になると日本の家は、部屋の中に大きな石を置いた。
僕が子供の頃には、どこの家にもあった。此のほんのり暖かい石を「火鉢」と言った。
部屋の中にポツンと大きな火鉢が置いてあるのは、何とも言えない田舎の面影が有った。この周りには自然と子供たちが集まった。
火鉢のなかには赤い火が灰に掛けられてその周りにゴトクと火箸が置かれていた。正月などの時期は、親戚の子供たちが集まり、ゴトクノ上に金網を載せてせて餅を焼いた。醤油をつけて二度焼きした。
此の香りが部屋一杯に餅の匂いが立ち込めて正月風景を醸し出した。
そばにはコタツがあり、そこでカルタやトランプで遊んだ。
その火鉢という石造りの置き物は、ストーブと言う便利なものに替わり、何処かに仕舞われて見ることが出来なくなった。
(そうなんです~~、都会では炭の売っているお店何処だやら・・・そこから始まらる。)
古火鉢親戚子らや集いけり(縄)
俳句の手帳から
雨あがり土手の青草白玉の
零れ落ちんか朝の散歩や (縄)
栃の木や色鮮やかに黄葉す (縄)
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