内容と写真は一切関係ありません。
新聞の見出しに
『過疎対策の新旧住宅地』
新旧住民の隙間に『死角』
『新住民との交流皆無に等しい』
の活字が踊っていた。
土地勘のある人物の犯行との見方が強まる秋田県藤里町の米山豪憲君・殺害事件。過疎対策が進むなか新興住宅地に生じた『死角』が事件の背景との指摘もある。
青森県境にある山あいの秋田・藤里町は、人口4300人にで基幹産業は農林業。
1996年“町お越し”の一環として28棟が新興住宅地として整備され豪憲君の自宅もそこにあった。4月に失踪された畠山彩香ちゃんも同じ団地の2軒隣に住んでいたという。
『町の過疎化対策として町外からの若い人の入居を予定した』と石岡町長は団地建設の経緯を振り返る。狙い通りに新興住宅地には、小さな子供たちや比較的若
い住民が町外から集まった。反して道一つ隔てた地域に住む旧来からの住民は高齢者が多いという。新興住宅地との交流は全くなく、旧来の住民は『知らない』『お祭
りに呼びかけしてもこない』『冠婚葬祭など全く関係ない』『町会の行事などつき合いがない』と言う。新興住宅地の向かいに住むAさん(64)は『住宅地の住民と、私た
ちでは生活様式全然違う』という。一方、新興住宅地に住む住民も豪憲君や彩香ちゃんとの『面識がない』人も多いという。新興住宅地が陸の孤島といった感じを知った、と新聞を読んだ。
(一部、日経新聞から)
石岡町長は、『古くからの住民や、新しい住民同士が完全に融合して仲良くやっていくことは全く難しい』ときっぱり言ったという。
このような地方犯罪は案外早く犯人がつかまるものであるが1週間経っても未解決の状況を見ると、住民同士の前述のような意外なところに捜査の壁があるのかもしれない。
身近なところに目を転ずれば、我がふるさと埼玉においても同じような、新旧住民の対話断絶現象を1980年代に見てきた。
農林業衰退、過疎化対策の一環として山林を宅地化して不動産業者が売り出した。、そこに都会で仕事をリタイヤした熟年者(60~65歳)のシルバー世帯の15
世帯が都会から移住してきた。前述藤里町と同じような状況があったとと聞いた。実家から1kmも離れていない、近場の出来事であった。町の行事はお構いなし、皆で共同作業しますからと言っても一切ノータッチ、回覧板をまわしてもどこかに止まっ
て分からなくなる。都会人独特の個人主義が幅をきかせたと言う。分譲住宅地は、自然と孤立化して離れ小島のようになった。
新住民は、都会を離れてユッタリと誰にも干渉されないで自然を相手にして暮らしたいとの一念の思いで移住したのであろう。生活様式、伝統、文化、食べるものさえも違えば、交流を持ちたくない気持ちは理解できる。
山村では、村や町が壊れる前に、グリーン・トウリズム、都会から山村への移住行動『村おこし』、都市との交流イベント、産直運動、山村留学、都会の市区との提携等盛んに行われている。これがどのような軌跡を示すかまだまだ未知数です。
今回の、豪憲君の犯人は、いかなる人物か ? 解決してみなければ事件の背景は分からないが、マスコミ報道から得た情報では、想像もつかぬところに『死角』があったことに驚いている。
一日も早い事件の解決を祈るばかりだ。
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