朝日の古新聞をもらってきました。
その7月9日オピニオンに古賀茂明氏が語っているので、読んでみました。
耕論「海江田辞意が示すもの」というのが題です
では、古賀氏の語り。
「菅首相は気分としては、脱原発、自然エネルギー派なんですよ。でも気分を実現する能力もスタッフもない。だから、官僚に頼る。頭、つまり首相は脱原発で、体の経産省が原発推進ですから、バラバラで支離滅裂に見えるはずです。」
「民主党の議員はどうか。菅首相同様、気分だけは改革派という人が多い。テレビの前では威勢がよくても、この国難を前にして、誰も判断も決断もできない。そもそも誰が、どう決めるかという仕組みさえ見えない。民主党の政治主導は、震災前から失敗していました。まず政治主導の意味を取り違えて、官僚を排除しようとした。閣僚に政治主導の能力もなかった。それをサポートする有能で信頼できる、自前のスタッフもいない。結局、守旧派官僚に頼るしかない。今の菅首相の状況は、それを如実に表しています。」
語りの最後は、
「このままでは、日本は再生できない。求められているのは組織力。リーダーの決断を軸に組織全体で問題に当たる態勢です。今は、どこにもそんな力はない。気分や思いつきではなく、何が問題か、どう解決するか、そのために誰を使うか。早く考えて立て直さなければ、取り返しのつかないことになります。」
このオピニオンには三人のインタビューへの語りが掲載されていて、読み応えがありました。二人目は岸良裕司(経営コンサルタント)。ああ、こういう角度から読み解けばよいのだという見本のような切り口で語られております。
題して「ダメ企業にも劣る菅政権」
はじまりは丁寧に引用してみます。
「私のところに持ち込まれる相談は、破綻寸前、業績不振が恒常化している企業からのものが大半だ。・・・あるメーカーで、厳しい業績の中、リストラを巡って役員間で路線対立が起きた。当面の利益を確保するため工場を売却するべきだと考える株主重視派と、ものづくり現場を重視する派に割れた。結局、現場重視派が敗北し、閑職に追いやられた。上層部のゴタゴタは現場に波及し、社員の『やる気』は落ちる一方となった。・・」
「そんな視点で民主党と菅政権をながめると、驚くほどダメ企業に似ている。・・・加えて民主党政権は発足時から『官僚はダメだ』と官僚に敵対してきた。政府にとって官僚は企業の社員に当たる。どんなダメ企業の経営者でも、社員を敵視はしない。顧客に向き合う社員のやる気をそいでは、事業がうまくいかないのは自明だからだ。民主党政権のマネジメントはダメ企業に劣る。それでは政府本来の業務である行政サービスが行き届く道理はない。」
このあとにコンサルタントの指摘が語られます。
「政府は、優れた企業のマネジメントを見習ってほしい。
① 目標を定め、執行する現場(役所)と共有する
② 物事を早く進めるために、部門(省庁)間の調整を含めて全体最適で段取りをつける
③ 現場ができることは現場に任せ、問題があるときだけ助ける
といったものだ。日本の現場は優秀である。現場を活用すればめざましい成果を短期間に出すことも可能だ。」
三人目は飯尾潤(政策研究大学院大教授)。その指摘は、丁寧で網羅的、喧嘩両成敗的。ここでは、一箇所だけ引用。
「もちろん菅首相には大きな問題があります。
政治主導を唱えながら、指導力を発揮できる政治構造をつくろうという発想がない。参院選で負けた時も大震災の後も、危機に直面するたびに内にこもり、チームづくりの努力を放棄してきた。」
うん。うん。「組織力」「チームづくり」かと、頷くばかり。
朝日新聞はどなたに意見を聞くかで、新しさが異なる。
できるなら紙面に、このすっきりとした意見が反映されますよう。
昨日の国会中継で山谷えり子氏の質問に注目しました。
そこでとりあげられた、ある市民団体。
朝日のマネジメントも、民主党に劣らないよう頑張れ。
頑張れ日本。
その7月9日オピニオンに古賀茂明氏が語っているので、読んでみました。
耕論「海江田辞意が示すもの」というのが題です
では、古賀氏の語り。
「菅首相は気分としては、脱原発、自然エネルギー派なんですよ。でも気分を実現する能力もスタッフもない。だから、官僚に頼る。頭、つまり首相は脱原発で、体の経産省が原発推進ですから、バラバラで支離滅裂に見えるはずです。」
「民主党の議員はどうか。菅首相同様、気分だけは改革派という人が多い。テレビの前では威勢がよくても、この国難を前にして、誰も判断も決断もできない。そもそも誰が、どう決めるかという仕組みさえ見えない。民主党の政治主導は、震災前から失敗していました。まず政治主導の意味を取り違えて、官僚を排除しようとした。閣僚に政治主導の能力もなかった。それをサポートする有能で信頼できる、自前のスタッフもいない。結局、守旧派官僚に頼るしかない。今の菅首相の状況は、それを如実に表しています。」
語りの最後は、
「このままでは、日本は再生できない。求められているのは組織力。リーダーの決断を軸に組織全体で問題に当たる態勢です。今は、どこにもそんな力はない。気分や思いつきではなく、何が問題か、どう解決するか、そのために誰を使うか。早く考えて立て直さなければ、取り返しのつかないことになります。」
このオピニオンには三人のインタビューへの語りが掲載されていて、読み応えがありました。二人目は岸良裕司(経営コンサルタント)。ああ、こういう角度から読み解けばよいのだという見本のような切り口で語られております。
題して「ダメ企業にも劣る菅政権」
はじまりは丁寧に引用してみます。
「私のところに持ち込まれる相談は、破綻寸前、業績不振が恒常化している企業からのものが大半だ。・・・あるメーカーで、厳しい業績の中、リストラを巡って役員間で路線対立が起きた。当面の利益を確保するため工場を売却するべきだと考える株主重視派と、ものづくり現場を重視する派に割れた。結局、現場重視派が敗北し、閑職に追いやられた。上層部のゴタゴタは現場に波及し、社員の『やる気』は落ちる一方となった。・・」
「そんな視点で民主党と菅政権をながめると、驚くほどダメ企業に似ている。・・・加えて民主党政権は発足時から『官僚はダメだ』と官僚に敵対してきた。政府にとって官僚は企業の社員に当たる。どんなダメ企業の経営者でも、社員を敵視はしない。顧客に向き合う社員のやる気をそいでは、事業がうまくいかないのは自明だからだ。民主党政権のマネジメントはダメ企業に劣る。それでは政府本来の業務である行政サービスが行き届く道理はない。」
このあとにコンサルタントの指摘が語られます。
「政府は、優れた企業のマネジメントを見習ってほしい。
① 目標を定め、執行する現場(役所)と共有する
② 物事を早く進めるために、部門(省庁)間の調整を含めて全体最適で段取りをつける
③ 現場ができることは現場に任せ、問題があるときだけ助ける
といったものだ。日本の現場は優秀である。現場を活用すればめざましい成果を短期間に出すことも可能だ。」
三人目は飯尾潤(政策研究大学院大教授)。その指摘は、丁寧で網羅的、喧嘩両成敗的。ここでは、一箇所だけ引用。
「もちろん菅首相には大きな問題があります。
政治主導を唱えながら、指導力を発揮できる政治構造をつくろうという発想がない。参院選で負けた時も大震災の後も、危機に直面するたびに内にこもり、チームづくりの努力を放棄してきた。」
うん。うん。「組織力」「チームづくり」かと、頷くばかり。
朝日新聞はどなたに意見を聞くかで、新しさが異なる。
できるなら紙面に、このすっきりとした意見が反映されますよう。
昨日の国会中継で山谷えり子氏の質問に注目しました。
そこでとりあげられた、ある市民団体。
朝日のマネジメントも、民主党に劣らないよう頑張れ。
頑張れ日本。