和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「行ききる。」

2011-07-27 | 短文紹介
角川oneテーマ21「生ききる。」を読了。
新書で読む瀬戸内寂聴と梅原猛の対談。

最初のほうにこうありました。

梅原】 ・・私はね、仙台の生まれなんです。・・しかも私の母方の祖父は石巻の渡波(わたのは)で網元をしていた。ところがある時マグロ船が沈みまして、遺族に全部財産を投げ出して、一文無しになって仙台にやって来た。・・・(p23)

とりあえず、ぱらぱらと読んだのですが、
話題は東日本大震災を切り口に、ほとばしり出たような豊かさ。
1922年生まれの瀬戸内寂聴。
1925年生まれの梅原猛。
もてる知見を、おかまいなしに、汲み出しているようにも読めました。

瑣末な箇所を引用させてください。
寂聴は徳島生まれ。

梅原】 徳島っていうと富士正晴を思い出す。(p107)

瀬戸内】 ・・富士さんは人と人を結ぶのがお上手で、富士さんって何者って言われたら位置的に難しいんですね。小説も書いてる、評論もしてる、絵も書も描く。編集者でもある。何でもできちゃう人だから。多才ということを日本の文化人はばかにしますけどね。ただ一つのことをできるのが尊いという、変な価値観がありますね、この国は。・・・・違うのよ。多才ってことは才能の幅が広いってことなんです。一芸に秀でるというのは才能の幅が狭い、それしかできないということですよ。(p108)


あれこれと話題が変わって行くのを追っていくだけでもワクワク。
すこしの引用で、この対談の全体を紹介するのは、まず、あきらめて。
とりあえず最後まで見ました、という備忘録。
コメント
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