和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「ヨサネ」ことば。

2014-05-22 | 短文紹介
朝に、歯医者へ行く。
歯ぐきに膿みがたまったので、
切って膿を出すことに。
というのは、
行ってから、わかったこと(笑)。

さてっと、待ち時間用に、
この前だしておいた
外山滋比古著「大人の言葉づかい」(中経の文庫)
をもってゆく。大きな活字で簡単によめて
ちょっとの待ち時間にはもってこい。
そこに
「間のない間抜けな話し方」(P52~56)。

「・・・『きのうサ、デパートをぶらぶらしてたらネ、
珍しい人に会ったのヨ、だれだと思う?』
このオマケを『ヨサネ』ことばといっている人もいる
らしい。女性に多いが、男だってまけてはいない。
俳句に切れ字というものがあって、大切にされている。
『古池や かわづ飛び込む 水の音』の『や』が
切れ字である。これがなければ俳句ではないと
きめつける俳人もいる。
『ヨサネ』は、話しことばの切れ字だといえる
かもしれない。俳句好きな日本人が日常の
おしゃべりでも切れ字をふりまわしている、
と考えてみるとおもしろい。
男は女性ほど『ヨサネ』を多く使わない。
その代わり、『エ』『エー』という
合の手をしきりに使う人がすくなくない。」

まあ、こんな風にはじまっていて、
最後はこうでした。

「一人前の人間は、センテンスをしゃべらなくては
ならない。文字なら小学生でもセンテンスを書く。
話すことばの句読点は、間である。
センテンスをしゃべるには、しっかり間をとる
ことが条件になる。自信のない話し手は
その間をとるゆとりがなく、つい早口になてしまう。
間抜けである。
間がしっかりとれる心理にあれば、ためらい、
遠慮、まよいなどをあらわすオマケことばは
無用になる。早口でもなくなる。
大人のことばは、ゆったり間をとって
話されるのがのぞましい。早口は、幼い、
あるいは弱い心をあらわしている。
早口が流行しているのは、自信を喪失して
いることのあらわれかもしれない。」

というのを、
治療が終って、料金をはらう間に
読んでおりました(笑)。

そういえば、人前で早口にはなして
病気でもないのに、手がふるえることは
私はよくあったりします。
これ貧乏ゆすりみたいなものでしょうか?

そんな私にとって
「大人のことばは、ゆったり間をとって
話されるのがのぞましい」というのは、
難題だけど、これからは、トライしてみます(笑)。

うん。明日も歯医者へ。
コメント (6)
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