nonさんからのコメントを読んでいたら、
昨日朝方、そういえば、田村隆一の詩に、
「ふるえる」という言葉があったと思い浮かぶ。
ということで、昨日は
埃をかぶった田村隆一詩集を出して楽しみました。
詩集1946~1976 田村隆一
詩集1977~1986 田村隆一
どちらも、河出書房新社
(ちなみに、私は全詩集をもっていない)
初期の詩には、キーワードのように
「ふるえる」という言葉が登場しております。
ここでは、後期の詩からはじめましょう(笑)。
詩「魚座」のはじまりと、おわりの方を紹介。
三月十八日生まれだから
あなたは魚座ですね
西洋占星術のルルさんという美少女が・・
・・・・・・・・
詩を書こうとすると手がふるえるのだ
そのふるえる手で
・・・・
ふるえることは登場しなくても
詩「皮膚の下には」で、こんな箇所もおもしろい。
ぼくの皮膚の下には
小さな生物がたくさん棲みついている
犬 猫 鳥 魚
鯨もいれば大蛇もいる
その呼吸音を聞いていると
ぼくの目から
水のようなものが流れてくるのさ
詩集「誤解」にある
詩「物と夢について」に
はじめ、
一羽の小鳥のふるえる舌
がほしいばかりにぼくは詩を書き出したのに、
ふるえる舌は
いつのまにか具象性を獲得して、
ホシガラス、アカゲラ、ヤマシギ、トラツグミ・・
それでは、もどって
詩集1946~1976 から「ふるえる」を拾ってみる。
たとえば、「四千の日と夜」の
最初の一行目は
「一篇の詩が生まれるためには、」
とはじまります。その五行目からは
「見よ、
四千の日と夜の空から
一羽の小鳥のふるえる舌がほしいばかりに、
四千の夜の沈黙と四千の日の逆光線を
われわれは射殺した」
詩「十月の詩」にも
「十月の
つめたい空にふるえている」という言葉があります。
詩「車輪 その断片」のはじまりは
「 そこで顫えているもはなにか
地の上に顔をふせて
耳を掩っているものはなにか 」
そして、詩「言葉のない世界」には
こんな箇所が
「 するどく裂けたホシガラスの舌を見よ
異神の槍のようなアカゲラの舌を見よ
彫刻ナイフのようなヤマシギの舌を見よ
しなやかな凶器 トラツグミの舌を見よ 」
つぎ行きましょう(笑)
詩「腐敗性物質」のはじまりは
「 魂は形式
魂が形式ならば
蒼ざめてふるえているものはなにか
地にかがみ耳をおおい
眼をとじてふるえているものはなにか 」
うん。「腐敗性物質」には「ふるえる」が
ちょこちょこ登場しますが、もう一箇所引用。
「 われら
ふるえるものすべては高所恐怖症
一篇の詩を読むだけで
はげしい目まいに襲われるものはいないか
一篇の詩を書こうとするだけで
眼下に沈む世界におびえるものはいないか 」
うん。
これ以上引用すると
くどくなりますね(笑)。
「ふるえる田村隆一」というテーマで、
いっきょに、視界が拓ける気がします。
ふるえる田村隆一
ふるえない田村隆一
なんて詩の仕分けも楽しそう(笑)。
昨日朝方、そういえば、田村隆一の詩に、
「ふるえる」という言葉があったと思い浮かぶ。
ということで、昨日は
埃をかぶった田村隆一詩集を出して楽しみました。
詩集1946~1976 田村隆一
詩集1977~1986 田村隆一
どちらも、河出書房新社
(ちなみに、私は全詩集をもっていない)
初期の詩には、キーワードのように
「ふるえる」という言葉が登場しております。
ここでは、後期の詩からはじめましょう(笑)。
詩「魚座」のはじまりと、おわりの方を紹介。
三月十八日生まれだから
あなたは魚座ですね
西洋占星術のルルさんという美少女が・・
・・・・・・・・
詩を書こうとすると手がふるえるのだ
そのふるえる手で
・・・・
ふるえることは登場しなくても
詩「皮膚の下には」で、こんな箇所もおもしろい。
ぼくの皮膚の下には
小さな生物がたくさん棲みついている
犬 猫 鳥 魚
鯨もいれば大蛇もいる
その呼吸音を聞いていると
ぼくの目から
水のようなものが流れてくるのさ
詩集「誤解」にある
詩「物と夢について」に
はじめ、
一羽の小鳥のふるえる舌
がほしいばかりにぼくは詩を書き出したのに、
ふるえる舌は
いつのまにか具象性を獲得して、
ホシガラス、アカゲラ、ヤマシギ、トラツグミ・・
それでは、もどって
詩集1946~1976 から「ふるえる」を拾ってみる。
たとえば、「四千の日と夜」の
最初の一行目は
「一篇の詩が生まれるためには、」
とはじまります。その五行目からは
「見よ、
四千の日と夜の空から
一羽の小鳥のふるえる舌がほしいばかりに、
四千の夜の沈黙と四千の日の逆光線を
われわれは射殺した」
詩「十月の詩」にも
「十月の
つめたい空にふるえている」という言葉があります。
詩「車輪 その断片」のはじまりは
「 そこで顫えているもはなにか
地の上に顔をふせて
耳を掩っているものはなにか 」
そして、詩「言葉のない世界」には
こんな箇所が
「 するどく裂けたホシガラスの舌を見よ
異神の槍のようなアカゲラの舌を見よ
彫刻ナイフのようなヤマシギの舌を見よ
しなやかな凶器 トラツグミの舌を見よ 」
つぎ行きましょう(笑)
詩「腐敗性物質」のはじまりは
「 魂は形式
魂が形式ならば
蒼ざめてふるえているものはなにか
地にかがみ耳をおおい
眼をとじてふるえているものはなにか 」
うん。「腐敗性物質」には「ふるえる」が
ちょこちょこ登場しますが、もう一箇所引用。
「 われら
ふるえるものすべては高所恐怖症
一篇の詩を読むだけで
はげしい目まいに襲われるものはいないか
一篇の詩を書こうとするだけで
眼下に沈む世界におびえるものはいないか 」
うん。
これ以上引用すると
くどくなりますね(笑)。
「ふるえる田村隆一」というテーマで、
いっきょに、視界が拓ける気がします。
ふるえる田村隆一
ふるえない田村隆一
なんて詩の仕分けも楽しそう(笑)。