和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

私の怯懦の心を。

2014-05-03 | 短文紹介
読みおわると、
すっかり内容を忘れるのは、
私の特技(笑)。

山折哲雄著「義理と人情」(新潮選書)。
副題が「長谷川伸と日本人のこころ」。
読みおわって、
パソコン近辺に置きっ放しにしてあったのを
何の気なしに、手にとってみる。
第八章「日本捕虜志」をひらく。
黄色い線を引いた中から引用。

「長谷川伸は小説家であり劇作家であったから、
フィクションの名手とされてきたが、しかし
この『日本捕虜志』は私の目には
たぐい稀なドキュメントとして映っている。
小説仕立てのノンフィクション、
といってもいいのではないか。あえていえば、
たんなるドキュメタリーの域にとどまっていない
ところがじつに魅力的である。
いかにもそれらしいノンフィクション、といった
見方を打ち砕く発想と迫力にみちみちている
ところがこたえられない。・・・・
 それが私の怯懦(きょうだ)の心を撃ち、
ものを書くときの姿勢に活を入れてくれる。
真似のできない仕事だ、といつも感歎の声を
あげている。」(p130)


うん。
長谷川伸著「日本捕虜志」を
身近に置くことに。
コメント
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