よくTVで取り上げられる「ゴミ屋敷」騒動。もう家の中から庭先までゴミの山々、異臭を放ち、近所の苦情が殺到しても当人はどこ吹く風。
こうした街中の騒動話が、そのうち、TV視聴率かせぎの商品になっていく。実況中継や近所の奥様方のインタビューが中心。そして、役所はどうして放っておくのか、何とかすべきだ、というところに落ち着いて、すてきな商品のCMにつながって・・・。
我が愛する橋本さん。これを逆手にとって見事な一大・人生話に仕立て上げた。「ゴミの中には、捨てられないものがある。捨てられない人生が埋まっている」
「ゴミ」屋敷の、年老いた主人公。日本の戦中から戦後、高度成長時代の中、時代に翻弄され転換していかざるを得ない人生、家庭生活・・・。それらを時代時代の風俗を織り交ぜて、足早に追っていく。まさに疾風怒濤の如き、市井の人の人生を描いている。
そして、すっかり片付けられた屋敷で、かなり年の差がある弟とのしみじみとした会話。兄と同様に、弟も人生の悲哀をしっかり味わってきた。これからの「生きる意味」を探しに、仏様への祈りのため、二人で四国札所巡り・巡礼の旅に出た、その旅先で、主人公は静かに息を引き取る。
「ただ意味もなく歩き回っていた」人生に、うっすらと笑いを浮かべながら別れを告げていった、と弟は実感する。
通俗的でありふれた人生ばなしに、すてきな色香を添えた橋本語りであった。
こうした街中の騒動話が、そのうち、TV視聴率かせぎの商品になっていく。実況中継や近所の奥様方のインタビューが中心。そして、役所はどうして放っておくのか、何とかすべきだ、というところに落ち着いて、すてきな商品のCMにつながって・・・。
我が愛する橋本さん。これを逆手にとって見事な一大・人生話に仕立て上げた。「ゴミの中には、捨てられないものがある。捨てられない人生が埋まっている」
「ゴミ」屋敷の、年老いた主人公。日本の戦中から戦後、高度成長時代の中、時代に翻弄され転換していかざるを得ない人生、家庭生活・・・。それらを時代時代の風俗を織り交ぜて、足早に追っていく。まさに疾風怒濤の如き、市井の人の人生を描いている。
そして、すっかり片付けられた屋敷で、かなり年の差がある弟とのしみじみとした会話。兄と同様に、弟も人生の悲哀をしっかり味わってきた。これからの「生きる意味」を探しに、仏様への祈りのため、二人で四国札所巡り・巡礼の旅に出た、その旅先で、主人公は静かに息を引き取る。
「ただ意味もなく歩き回っていた」人生に、うっすらと笑いを浮かべながら別れを告げていった、と弟は実感する。
通俗的でありふれた人生ばなしに、すてきな色香を添えた橋本語りであった。