おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

読書56「殴る女」(荻野アンナ)集英社

2009-11-18 20:32:23 | 読書無限
 実に奇妙な小説。ただ女性作家は元気ですな、というのが感想。この方は、「芸達者」な方とお見受けした。
 初めて読んでみた方。巷間話題の多い方のようですが、この方の小説は、これまではご縁がなかったのです。
 昔のはやり言葉で言えば、ずいぶん「飛んでいる」話。50代の大学の先生とおぼしき女性(ご本人)が仕事と家事と両親の世話と旅先で出会った男との四角、五角・・、も、組んずほぐれつの人間模様が描かれています(と、まとめられるかどうか、ちょっと不安です)。そう、ボクシングジムに通うことで機縁の出来た、奇妙な人間関係が織りなす世界、性界・・・。やっぱり元気な主人公です。
 お酒を浴びるほど飲んでもまだまだ元気。転げ落ちても、はり倒されても、エッチをしても、常に元気はつらつ、その実は、「鬱」なんですか?
 所々、永田町の話とか、えらくマニアックな食品化合物の話題とか、ボクシング検定の話とか、随所に作家の面目躍如たる雰囲気が醸し出されています。それにしても、元気ですな、主人公は。
 私小説の体裁をとりながら、どこまで虚構なのかその見極め方が読者に試されている感じ。実挑戦的な小説でした。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする