橋本治のちょっと前の小説集。風俗あり、ホラーありでごった煮が彼らしい。一貫しているのは、人生の悲哀。今の作者自身のたそがれた雰囲気がよく似合っている。どれも、足早に人生の一コマ一コマを大胆に切っていきながら描く手法。一人語り文体が、軽妙。作者が随所に登場して、コメントを加えるやり方は、パターン化しすぎだが。
「ばばあ」をあえてローマ字書きにして「茶化して」?いるのは、ご愛敬。ばばあの怨念みたいな「物」をステレオタイプ化したものか。
以前、現役時代に、よく「老婆は一日してならず」とか「すべての道は老婆に通ず」とか「触らぬばばあにたたりなし」とか言って、周りから顰蹙を買ったことがあった。そこに何となく一脈通じるところがあって、面白かった。
今時、こういうことを露骨に言ったら、セクハラで懲戒処分になってしまうご時世だが。
「ガンダム」にはまった「組長」の話は、続編まで書いている!
家に火をつける話とか、捨て犬の話とかまさに「ありふれた(娘)」話に仕立てながら、ちょっとスパイス(毒)をきかせている。
作者の橋本さん。還暦を迎え、残りの人生をどうイメージしていくのか、ここでちょっと背中を振り向いてみたくなったのではないか。かつての駒場祭のポスターは、小生も大学生としてそのユニークさに驚いたものでした。
その描かれた背中のイチョウ、けっして自らの眼では見ることが出来ない、そのイチョウを40年経った今、想い出しつつあるのではないか。
「ばばあ」をあえてローマ字書きにして「茶化して」?いるのは、ご愛敬。ばばあの怨念みたいな「物」をステレオタイプ化したものか。
以前、現役時代に、よく「老婆は一日してならず」とか「すべての道は老婆に通ず」とか「触らぬばばあにたたりなし」とか言って、周りから顰蹙を買ったことがあった。そこに何となく一脈通じるところがあって、面白かった。
今時、こういうことを露骨に言ったら、セクハラで懲戒処分になってしまうご時世だが。
「ガンダム」にはまった「組長」の話は、続編まで書いている!
家に火をつける話とか、捨て犬の話とかまさに「ありふれた(娘)」話に仕立てながら、ちょっとスパイス(毒)をきかせている。
作者の橋本さん。還暦を迎え、残りの人生をどうイメージしていくのか、ここでちょっと背中を振り向いてみたくなったのではないか。かつての駒場祭のポスターは、小生も大学生としてそのユニークさに驚いたものでした。
その描かれた背中のイチョウ、けっして自らの眼では見ることが出来ない、そのイチョウを40年経った今、想い出しつつあるのではないか。