この方、小池昌代さんとは高校の同窓生。下町・向島生まれ。花柳界の中で育った体験から、下町情緒を描いた作品など。
この作品は、鶴屋南北の「桜姫東文章(さくらひめあづまぶんしやう)」を翻案しています。主な舞台は鎌倉ですが、隅田川・鐘ヶ淵の「梅若伝説」「都鳥」など地域的には身近な古典世界を関連させています。(もともと南北自身、題名にあるように、東国にかこつけて、例えば桜姫をちょうど鐘ヶ淵の対岸小塚ッ原の女郎に仕立てるなど奇想天外な物語にはしてありますが。)
「江ノ嶋児ヶ淵の場」から「山の宿場の場」仇討ち成就・お家復興の大団円まで南北の作品の流れに沿った展開になっています。大きな違いは、最終章で登場人物を含めて、時空を超えて仕立て上げたところに、新たな趣向があるようです。
稚児白菊丸との心中に失敗して生き残った清玄の罪深さ。桜姫を白菊丸の生まれ変わりに設定し、女犯の破戒堕落の僧として清玄を登場させる。
さらに、その双子の男。殺人・夜盗・強姦(桜姫を犯し不実の子を産ませる)発端からめまぐるしく展開します。さらに桜姫を女郎にし、死霊となっても桜姫への念を断ち切れない清玄。当時上演されたときには、七世市川團十郎が清玄と権助の二役を兼ね早替わりという趣向だったようです。
領家さん自身が後書きでも書いているように、南北の作品の(おそらくは合作でしょうが)奥深さ、スケールの大きさに挑戦してみた、その心意気が強く感じられます。
以前、三一書房から発刊された「鶴屋南北全集」。この作品は、その第六巻に載せられているので、その原典に当たりながらこれを書いています。あらためて、南北のすごさを感じもさせられましたが。
この作品は、鶴屋南北の「桜姫東文章(さくらひめあづまぶんしやう)」を翻案しています。主な舞台は鎌倉ですが、隅田川・鐘ヶ淵の「梅若伝説」「都鳥」など地域的には身近な古典世界を関連させています。(もともと南北自身、題名にあるように、東国にかこつけて、例えば桜姫をちょうど鐘ヶ淵の対岸小塚ッ原の女郎に仕立てるなど奇想天外な物語にはしてありますが。)
「江ノ嶋児ヶ淵の場」から「山の宿場の場」仇討ち成就・お家復興の大団円まで南北の作品の流れに沿った展開になっています。大きな違いは、最終章で登場人物を含めて、時空を超えて仕立て上げたところに、新たな趣向があるようです。
稚児白菊丸との心中に失敗して生き残った清玄の罪深さ。桜姫を白菊丸の生まれ変わりに設定し、女犯の破戒堕落の僧として清玄を登場させる。
さらに、その双子の男。殺人・夜盗・強姦(桜姫を犯し不実の子を産ませる)発端からめまぐるしく展開します。さらに桜姫を女郎にし、死霊となっても桜姫への念を断ち切れない清玄。当時上演されたときには、七世市川團十郎が清玄と権助の二役を兼ね早替わりという趣向だったようです。
領家さん自身が後書きでも書いているように、南北の作品の(おそらくは合作でしょうが)奥深さ、スケールの大きさに挑戦してみた、その心意気が強く感じられます。
以前、三一書房から発刊された「鶴屋南北全集」。この作品は、その第六巻に載せられているので、その原典に当たりながらこれを書いています。あらためて、南北のすごさを感じもさせられましたが。