第7話『7th STAGE 社内政治(社長ジュニア企画)』2022年5月25日(水)放送
「「オウミ」の社長が倒れた。次期社長候補と目されているのは、実績的に文句なしの専務・島田(小木茂光)と、社長の息子の伝弥(野間口徹)。島田から女性管理職を5割に増やす計画、通称「JK5」の内諾を受けた峰岸(江口のりこ)は、これを機に一気に「オウミ」が変わると期待を寄せていた。」
女性管理職を5割に増やすことは、仕事が出来るのに女性というだけで要職に就けなかった峰岸のような女性社員たちの悲願である。
だが、それを実現することは、多くの男性たちの恨みを買うことでもある。
そのことが分かっているから、峰岸は「私は捨て石」という覚悟を決めているのである。
さて、歴史を紐解くと、「女性というだけで要職に就けない」業界の最たるものは、やはり政界だろう。
持統天皇や孝謙天皇のような例もあったけれど、平安時代以降の政界を完全に男社会にしてしまったのは、やはり藤原氏だろう。
周知のとおり、例えば藤原良房は、娘を次々に入内させ、天皇の外戚として権力を獲得する手法を確立した。
こうなると、藤原氏にとって、女性は échange の客体としてしか意味を持たなくなってしまう。
これほど露骨な女性差別は、余り例がないだろう。
ところが、その藤原氏に対し、政治の世界ではなく、文学の世界で復讐を行った女性がいた。
源氏物語入門 〈桐壺巻〉を読む 著者 吉海 直人
「この分析の作業を通して私が最も強く感じたのは、『源氏物語』は主人公光源氏の物語というだけでなく、まさに藤原氏と政権獲得をめぐって繰り広げられる源氏達の苦闘の物語であるということだった。しかも物語の理想は天皇親政であり、そして皇族による補佐であった。これはもう疑いなく藤原摂関政治批判の物語なのである。それを道長全盛時代に彰子のそばで書いたのだから、紫式部もかなりしたたかな女であったことになる。」(p290)
「源氏物語」のストーリーの根幹には、実は藤原摂関政治に対する批判がある。
兄より学問が出来たものの、女性というだけで政治的なポストに就くことが出来なかった紫式部は、復讐のターゲットを、「女性差別の権化」であった藤原氏・藤原家に定めたのである。
「「オウミ」の社長が倒れた。次期社長候補と目されているのは、実績的に文句なしの専務・島田(小木茂光)と、社長の息子の伝弥(野間口徹)。島田から女性管理職を5割に増やす計画、通称「JK5」の内諾を受けた峰岸(江口のりこ)は、これを機に一気に「オウミ」が変わると期待を寄せていた。」
女性管理職を5割に増やすことは、仕事が出来るのに女性というだけで要職に就けなかった峰岸のような女性社員たちの悲願である。
だが、それを実現することは、多くの男性たちの恨みを買うことでもある。
そのことが分かっているから、峰岸は「私は捨て石」という覚悟を決めているのである。
さて、歴史を紐解くと、「女性というだけで要職に就けない」業界の最たるものは、やはり政界だろう。
持統天皇や孝謙天皇のような例もあったけれど、平安時代以降の政界を完全に男社会にしてしまったのは、やはり藤原氏だろう。
周知のとおり、例えば藤原良房は、娘を次々に入内させ、天皇の外戚として権力を獲得する手法を確立した。
こうなると、藤原氏にとって、女性は échange の客体としてしか意味を持たなくなってしまう。
これほど露骨な女性差別は、余り例がないだろう。
ところが、その藤原氏に対し、政治の世界ではなく、文学の世界で復讐を行った女性がいた。
源氏物語入門 〈桐壺巻〉を読む 著者 吉海 直人
「この分析の作業を通して私が最も強く感じたのは、『源氏物語』は主人公光源氏の物語というだけでなく、まさに藤原氏と政権獲得をめぐって繰り広げられる源氏達の苦闘の物語であるということだった。しかも物語の理想は天皇親政であり、そして皇族による補佐であった。これはもう疑いなく藤原摂関政治批判の物語なのである。それを道長全盛時代に彰子のそばで書いたのだから、紫式部もかなりしたたかな女であったことになる。」(p290)
「源氏物語」のストーリーの根幹には、実は藤原摂関政治に対する批判がある。
兄より学問が出来たものの、女性というだけで政治的なポストに就くことが出来なかった紫式部は、復讐のターゲットを、「女性差別の権化」であった藤原氏・藤原家に定めたのである。